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リード分析で効果的な商談へ!リードクオリフィケーションの手法を解説

2021.06.03

2023.06.08

BtoBマーケティング

効果的な営業を実現するには、有力な見込み顧客、リードの分析が重要です。適切にリード管理を行うことで、効率よく営業活動を行うことができ、売上増加に繋がります。

リード分析においては、リードの属性分析や選定において肝となる「リードクオリフィケーション」が重要です。

本記事では、リード獲得から商談までの全体像を押さえながら、リード分析の手法をご紹介します。リードクオリフィケーションの具体的なイメージについても解説していきます。

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適切なリード管理で売上増を狙うには?

企業がマーケティング活動・営業活動を効率的に行う上で、リード(見込み顧客)の管理・分析は重要です。

自社のサービスに興味関心を持つユーザーを、行動履歴などの情報をもとに条件で絞り込み、見込みのあるリードに対して適切にアプローチを行うことで売上に繋げていきます。

こうした分析を行うためには、リード管理を適切に行うことが必要です。展示会やオウンドメディアを介して獲得したリードを適切に管理しておかなければ、どのリードが売上に繋がる有力なリードなのかが分かりません。

集めたユーザーを段階ごとに分けて管理し、適切なタイミングで効果的な手法でアプローチし、見込み顧客へと育てていき、売上増を狙いましょう。

リード分析を行うには、MAツール(マーケティングオートメーションツール)の活用が有効です。リードに対してメルマガ配信やセミナー招待などを行う際に、MAツールを使用すれば定型業務を効率化できます。

中小企業であってもMAツールを導入して、リード管理や適切なアプローチを行いましょう。詳細はこちらの記事をご覧ください。

参考:中小企業におすすめのMAツール9選!料金や機能を詳しく比較

リード獲得から商談までの全体像をおさらい

ここで、リード獲得から商談までの流れや全体像をおさらいしましょう。

効果的な営業活動に活かすには、リードを細かく分類して、適切なタイミングでアプローチをする必要があります。いきなり営業部門が直接アプローチしても、どのくらい自社サービスに興味関心があるか分からず、商談しても受注できる確率は低くなるからです。

  • リードジェネレーション
  • リードナーチャリング
  • リードクオリフィケーション

これらの3つのフェーズに分けてリードを管理していきます。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、問い合わせ前の潜在ユーザーにアプローチして、見込み顧客を獲得することです。ここでの「問い合わせ」は、ユーザーが自社サービスに興味を持ち、資料請求のためにHP上でメールアドレスや電話番号などを入力することを指します。

ユーザーが問い合わせにたどり着く、つまり見込み顧客として獲得できるまでには、「インバウンド」と「アウトバウンド」に分かれます。インバウンドは、ユーザー自らが問い合わせることです。アウトバウンドは、自社からテレアポなどを通して、ユーザーにアプローチすることです。

リードジェネレーションの具体的手法には、展示会での名刺交換、SNSでの情報発信、オウンドメディアでのお役立ち情報の発信などが挙げられます。これらの施策を通して、自社に興味を持つユーザーを増やしていきます。

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、問い合わせから受注までの、見込み顧客を育成することです。ユーザーが自社サービスに興味を持つ度合いを高めていくイメージです。

リードナーチャリングは、MQLとSQLという2つのフェーズに分かれています。

MQLとは、Marketing Qualification Leadといって、マーケティング施策により、リードに自社サービスへの興味を深めてもらう段階です。自社サービスの情報を発信し、接点を増やして興味を深めてもらいます。具体的には、資料やメルマガの送付、セミナーや展示会での直接的なアプローチなどを行います。

SQLとは、Sales Qualification Leadといって、営業部門がリードに対して電話などで直接連絡し、サービスを提案する段階です。MQLから引き継いだリードに直接アプローチし、具体的なニーズを聞き出して提案したり、問い合わせがあったユーザーにアウトバウンド型のテレアポを実施して、提案の機会をもらったりします。

その他、リードナーチャリングとして、一度離脱してしまったユーザーに、リターゲティング広告などで再度追いかけてアプローチすることも行います。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは、リードを選定することです。リードナーチャリングを進めていく上で、リードがどの段階にあるのかを分析して、適切なステップでアプローチできるように選定します。

具体的には、リードの行動や属性などに応じて点数をつける「スコアリング」という手法を用いて、評価し選定を行います。選定され営業部門に引き渡されるリードを「ホットリード」と呼ぶことがあります。詳細なイメージは後ほど解説します。

リードクオリフィケーションはなぜ必要?

では、リードクオリフィケーションがなぜ必要なのでしょうか?

リードジェネレーション、リードナーチャリングを経て、見込みのあるリードを選定したとしても、タイミングや各リードの状況によって、見込み顧客になるかどうかが変わってくるからです。

例えば、サービス検討段階のホットリードであっても、「他社サービスとの比較検討なしに導入を決めようとしている」場合と、「比較検討を十分に行ってから選択しようとしている」場合と、「社内での合意・決裁を得るのに時間がかかっている」場合では、営業部門が取るべき行動が異なります。

このようなリードの個別事情を考えることなく、同じホットリードとして扱いアプローチをしてしまうと、受注することは難しいでしょう。

Webサイトで調査し比較検討がしやすくなった今だからこそ、適切なタイミングで逃すことなくアプローチしていくためには、それぞれのリードの状況を細かく見極め、購入可能性の高い顧客を選定していくことが重要なのです。

リードクオリフィケーションの具体的なイメージ

具体的にリードクオリフィケーションをどのように行うのかを解説します。

自社の顧客ペルソナの設定

まず、自社サービスの顧客ペルソナを設定します。ペルソナは、企業ペルソナと企業内の個人ペルソナの2つに分けられます。

企業ペルソナ

企業ペルソナとは、企業規模、業種、業態などの属性のことです。どのような業種・業態の企業が、どのような課題を抱えているのか、を具体的に想定して設定します。

企業内の個人ペルソナ

企業内の個人ペルソナとは、サービス導入を行う担当者の部署、役職などの属性のことです。導入する企業担当者の役職や職種なども加味していきます。企業によっては、サービス導入検討者と、実際にサービスを利用する担当者が異なる場合もあるので、細かくペルソナ設定しておくことが大切です。

ペルソナと合致するかの確認

顧客ペルソナが設定できたら、保持しているリードがペルソナと合致しているか確認します。

ペルソナを具体的に設定していれば、合致しているか確認したあとに、どのようにアプローチすべきか、明確に分かるようになります。

スコアリングを行い、優先順位をつける

次に、リードの行動や属性などに応じて点数をつける「スコアリング」という手法を用いて、リードを選定していきます。的確なスコアリングを行い、ホットリードを営業部門に引き渡します。

スコアリング実施には、Webサイト訪問やメルマガ開封などといったユーザーの行動面と、企業規模や業種、役職などの属性面で、点数をつけていきます。例えば、メルマガ開封を10点、資料ダウンロードを15点、中小企業で5点、部長以上の役職で20点といった具合です。

点数が高いリードほど、自社サービスへの興味関心が高く、優先度の高い見込み顧客と言えます。タイミングを逃さずアプローチするためにも、スコアリング結果をもとに優先順位をつけましょう。

リードを管理するにあたってのポイント

リードクオリフィケーションを正常に行うためには、リード管理も重要です。気を付けて実施したいポイントをご紹介します。

データの質、鮮度を効果的な状態に保つ

大前提として、リードの質や鮮度を効果的な状態に保つことが大切です。データが正確かどうか、最新情報が更新されているか、より詳細なデータまで揃っているか、などの観点でチェックしましょう。

リードの質を高めるには、名寄せやデータクレンジングを行います。過去に展示会で名刺交換したユーザーが、後日セミナーに参加した場合、名寄せできていれば同じリード情報として管理され、アップデート情報があれば最新情報へと更新します。これらの作業は、MAツールを活用すれば、日々の運用のみで簡単に行えます。

顧客目線に立ってリード選定を行う

リードを営業部門に引き渡す前に、顧客目線に立ってリード選定を行うことが重要です。顧客目線でのアプローチを行うことで、より効果的なリードを営業部門に引き渡すことができるようになります。

具体的には、商材検討中の見込み顧客が、どのような状況に置かれておりどのように検討をしているのか、を細かく見ていきます。例えば、対面での商談を希望しているのか、Webでの情報収集段階なのか、意思決定のための商談を望んでいるかなどを見極めるのです。

この見極めを行うには、見込み顧客からの意思表示がないと難しく、不適切なタイミングで商談機会をセッティングしようとしてもうまくいかないこともあります。そのため、次にご紹介するように、商談結果をフィードバックしてもらい、改善を繰り返していくことが求められます。

商談結果をフィードバックしてもらい、改善する

リードクオリフィケーションで選定したリードが、営業部門に引き渡されたあと、どのような結果になったのかをフィードバックしてもらい、リード分析の精度を改善していきましょう。

営業部門がリードに対して電話などでアプローチしたのち、商談へと進んだかどうかを数値化して、その割合をもとにリードの質を振り返ることが効果的です。

例えば、商談に進んだリードが少ない場合は、スコアリングの指標を見直す必要があると分かります。見込み顧客であったにも関わらず他社サービスが選ばれてしまったときには、ホットリードである通知を早めに出すようにして、営業部門がスピーディーに行動できるようにする必要があります。

こうしたマーケティング部門と営業部門の連携で、リード分析の精度を高めていきましょう。

まとめ|リードの分析・管理にはツール活用が必須

今回は、リード獲得から商談までの全体像を把握した上で、リードクオリフィケーションの具体的なイメージ、注意したいポイントをご紹介しました。

リードジェネレーションからリードナーチャリング、リードクオリフィケーションまでを、スムーズかつ効果的に実施するには、MAツールの活用が必須です。リード単位の行動ログ分析や、段階ごとのアプローチ施策の自動化、他部門との情報共有を簡単に実施できます。

MAツールを効果的に活用するには、ペルソナ設計やシナリオ設計などが重要なので、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。