Salesforceの月額料金はどのくらい?お得に利用できるツールもご紹介

2020.11.27

2023.06.08

営業DXツール

誰でも知っている高機能CRMといえばSalesforce

Salesforce(日本語ではセールスフォース・ドットコム、SFDCと訳すことも)はクラウドサービス型の顧客管理システム(CRM)/営業支援ツール(SFA)などの製品を提供する米国の企業です。

Salesforce製品の導入企業数は全世界で15万社以上。世界No.1のシェアを誇ります。今では当たり前となったクラウドサービスですが、Salesforceは最も初期段階からのプレイヤーで、以後ずっとトップを走り続けています。

Salesforce製品の中で最も代表的なものがCRMとSFAがセットになったSales Cloudです。Sales Cloudは顧客(取引先)、取引先の担当者(コンタクト)、商談、商品、受注、見込み客(リード)を管理できる機能一式とコミュニケーション機能、レポート機能、分析ツールがあらかじめ組み込まれています。日々の営業活動をSalesforceに入力するだけでデータを蓄積し、分析ツールで可視化するところまで対応してくれるので、経営判断が容易になります。

その他に、マーケティングツールのMarketing CloudやPardot、カスタマーサポート向けのService Cloudなど多くの製品があります。Salesforce製品は、カスタマイズ性もよくノーコード/ローコードで独自の機能や管理項目を構築できるので、「ツール」というよりも営業活動のためのプラットフォームと考えたほうが良いサービスです。

日本でも導入している企業の多い高機能のSalesforce製品ですが、気になるのが料金です。Salesforce製品はクラウドサービスなので、サブスクリプションです。サービスを使うに当たり初期費用はかかりませんが、多くの企業では自社の業務内容に合わせてSalesforce製品をカスタマイズします。社内の情報システム部門がカスタマイズを担当すれば、外部費用はかかりませんが、外部のSIerに依頼する場合は、別途構築費用がかかります。構築費用については、SI各社によって大きく変わるため、本記事では説明を省きます。

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PardotやMarketo、HubSpotなど、各ツールでできることを機能ごとに一覧化した便利なシートです。ツール選定の参考資料としてぜひご活用ください。

Salesforce製品と価格体系

Salesforce製品は営業支援、カスタマーサービス、マーケティング、Eコマースなど、分野ごとに多くの製品が提供されています。それぞれの製品にはエディションがあり、使用できる機能やユーザー数に応じて機能と金額が異なります。まず、プロダクトとして営業とマーケティング分野の主なものをざっと紹介していきます。

Sales Cloudのエディションとライセンス費用

画像出典:Salesforce公式サイト― Sales Cloud 概要

顧客管理(CRM)と営業支援(SFA)がセットになった製品です。顧客は取引先と取引先の担当者(コンタクト)、見込み客(リード)を管理できます。SFA機能としては、活動履歴、商談管理、商品管理、受注管理に必要な見積作成や契約ワークフロー、ドキュメント管理といった高度な機能が組み込まれています。

SalesCloudのエディションは「Essentials」「Professional」「Enterprise」「Unlimited」があり、利用できる機能と料金はエディションによって異なります。1ユーザーの月額利用料はEssentials 3,000円、Professional 9,000円、Enterprise 18,000円、Unlimited 36,000円です。(すべて税別)

Service Cloudのエディションとライセンス費用

画像出典:Salesforce公式サイト―Service Cloud概要

顧客対応に最適な機能をもった製品で、顧客からの問い合わせをケースとして管理できます。メールだけでなく、モバイルメッセージやWebチャット、SNSなどの窓口に寄せられた問い合わせを管理できます。また、ケースの自動振り分け、自動応答、CTI(電話システム)との統合、ナレッジベースの作成機能があります。

Service Cloudのエディションは「Essentials」「Professional」「Enterprise」「Unlimited」があり、利用できる機能と料金はエディションによって異なります。1ユーザーの月額利用料はEssentials 3,000円、Professional 9,000円、Enterprise 18,000円、Unlimited 36,000円です。(すべて税別)

Marketing Cloudのエディションとライセンス費用

画像出典:Salesforce公式サイトーMarketing Cloud概要

B to C向けマーケティングツールです。B to Bでも利用できる製品ですが、E-コマースとの連携や顧客の活動に応じたコンテンツを表示、モバイルやソーシャル対応機能が多いので決済権が個人に帰属するような商材向けのマーケティングツールと考えて良いでしょう。

Marketing Cloudのエディションは「Pro」「Corporate」「Enterprise」があり、実施したいマーケティング施策に応じて異なります。価格は非公開のため問い合わせが必要です。

Pardotのエディションとライセンス費用

画像出典:Salesforce公式サイト-Pardotのご紹介

Sales Cloudの取引先、コンタクト、リードと親和性が高いB to C向けのマーケティングツールです。顧客のアクティビティのスコアリングやシナリオに沿ったマーケティング施策の自動化などの機能があります。取引先、コンタクト、リード、商談はSalesCloudと同期しているため、マーケティングからインサイドセールス部門でシームレスに利用できます。

Pardotのエディションは「Growth」「Plus」「Advanced」「Premium」があり、使える機能や管理するプロスペクトの数によって異なります。1組織の月額利用料はGrowth 15万円、Plus 30万円、Advanced 48万円、Premium 180万円です。(すべて税別)

たくさんありますが、残念なことにSalesforceの公式サイトでは、どういう製品があるのかがかよくわかりません。2020年11月現在のトップページではSalesforceの製品一覧には「Customer 360」という単一のCRMが紹介されています。

とてもややこしいのですが、Customer 360はB to C分野のSalesforce製品で、従来のMarketing CloudとCommerce Cloud、Service Cloudなどが統合されたソリューションということのようです。しかしCustomer 360そのものの料金はなく、単体製品を組み合わせた金額になるようです。

Salesforceの機能拡張とプロダクト/エディション

Salesforceには機能を拡張できるプラグインがあります。プラグインはSalesforceのパートナー企業が提供するもので、AppeExchangeというSalesforceのストアから、直接普段使っているSalesforce製品にインストールすることができます。

AppExchangeとは

Salesforceの機能を拡張する製品・サービスのマーケットです。AppeExchangeに製品を登録できるのは、Salesforceが認定したパートナー企業だけです。AppeExchangeには、多種多様なプラグインがあり、無料で利用できるものもあります。

プラグインを使う場合の注意点

AppeExchangeアプリは手軽にSalesforce製品にインストールできますが、使いたいと思ったAppeExchangeアプリが契約しているSalesforceのエディションでは利用できない場合もあるので注意が必要です。

また、AppExcehangeアプリを提供しているのはSalesforceとは違う企業ですので、料金もその企業の課金方法に従って支払うことになります。さらに、Salesforce製品は1年に3回アップデートがあり、そのたびに機能が追加されたりあるいは削除されたりします。AppeExchangeアプリがそのような本体の更新に対応しているかどうかなども、事前にしっかりと確認をしたほうが良いでしょう。

これからCRMを導入する場合に気をつけたいこと

Salesforce製品のライセンス価格、プラグインについて一通り解説しましたが、Salesforceに限らずCRMを導入し組織に定着させるには、気をつけなければならないことがあります。高価なCRMを導入しても、現場のメンバーが使ってくれず、数年も立たずに解約という話はよくあります。その原因の多くは、事前の準備不足と現場への認知不足です。この2点について少し説明しておきます。

CRM導入前の準備

CRMを使っている、いないに関わらず、どの企業にも顧客台帳は存在しています。Excelの場合もありますし、企業が独自で開発した基幹システムの場合もあります。CRMはその顧客台帳の移行先ですが、CRMのデータベースに現在の顧客台帳を「そのまま」移行すると考えるのは危険です。

顧客台帳に登録されている情報とCRM側のデータベースの仕様が合わないこともありますし、データそのものが重複していたり、入力揺れがあったりすると、CRMで行うデジタルマーケティング活動で間違ったメールを顧客に配信してしまうなどのトラブルの原因になります。

CRMをこれから導入する場合は、現在顧客台帳を利用して業務を行っている部門とコミュニケーションを図り、CRM・SFAをどのように使ってどういう成果をめざすのかを計画し、その計画に沿って業務の棚卸しをする必要があります。

棚卸しをしてみると、不必要な業務やデータが見つかることもあります。そうしたデータはCRMに持ち越さずに整理することで、移行後には経営判断の役に立つクリーンな情報を得ることができるようになります。

最小規模でスモールスタートという手段

最初から全組織が利用する顧客台帳や基幹システムをリプレイスするのは、企業にとっても負荷が大きいので、最初は一つの部門や特定の業務だけで小さく始めるのも一つの手段です。

スモールスタート向けリーズナブルなおすすめCRM

無料で利用できるHubSpot

画像出典:HubSpot公式サイト

 Salesforce製品はすべて有償ですが、実は無料でずっと利用できるCRMもあります。米国のHubSpot社が提供する、会社名と同じ名前のHubSpotというクラウドサービスです。HubSpotは顧客管理と営業支援ツール、マーケティングツール、カスタマーサポート向けツールがセットになった製品です。

HubSpotだけで営業部門、マーケティング部門、サポート部門の業務を行えるという大きな特徴を持っています。基本機能は利用できるユーザー数、登録する顧客の数、利用期間に制限はなくずっと無料で利用できます。

高度な自動化機能を使いたい場合や複数の事業部の営業管理を行いたい場合は有償版が用意されていますが、基本機能がかなり高度なので、スモールスタートなら無料ツールでも充分対応できます。

目的や規模、予算にあったCRMを選んで営業成果につなげよう

本記事ではSalesforceの製品と料金について一通りご説明しましたが、HubSpotを始めとし、CRMは他にも数多くの製品やサービスがあり、それぞれに特長や強みがあります。導入時にはCRMでどのような施策を行いたいのかを組織内で定めた上で、予算にあった製品を選択していただければと思います。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。