BANTCとは何か?その重要性と効果的にヒアリングする際のポイント3選

2021.11.08

2021.11.08

営業DXコラム

BANTCは、営業やインサイドセールスが見込み客に対しヒアリングをする上で、必ず登場するワードです。実際に営業も、インサイドセールスがヒアリングをしたBANTC情報を元に、顧客訪問の準備をし戦略を立てます。

事前のヒアリング段階でBANTCを聞けているかどうかは、営業プロセスにおいても重要な意味を持ち、ヒアリングスキル向上に勤しんでいるインサイドセールス担当者も多いでしょう。

本記事では営業活動の前段階のヒアリングにおけるBANTCの重要性や、効果的にヒアリングする際のポイントについて紹介いたします。本記事を読むと、BANTCがうまくヒアリングできない悩みや、ヒアリングスキル向上のヒントになるでしょう。

BANTC とは

unknown persons using computer indoors

BANTCとは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(必要性)」「Timeframe(導入時期)」「Competitor(競合)」の頭文字をとったワードであり、質の良い商談かどうか、可能性や見込みを見極める際に参考となる指標です。本章ではそれぞれの意味を解説していきます。

Budget(予算)

企業の懐事情は、事前にヒアリングをしておきたいポイントの一つです。いくら後述のNeeds(必要性)があっても、予算がありませんという見込み客に対しては、提案しても徒労に終わる可能性があります。

無論、来期の予算取りを考えているであったり、残予算を捻出できる可能性があるケースなどは別ですが、予算がないとプロジェクトは立ちあがりません。したがって、予算があるかどうか、なかったとしてもどういう予算計画を持っているかを把握することは重要です。

Authority(決裁権)

社長と一担当者、この2人と商談する際、成約可能性に近いのは明らかに社長との商談です。理由は決裁権を持っているためです。商談の場合、相手がどういう立場で予算の権限を持っている人か、一担当者で予算を申請するための稟議を上げる立場にあるのか等の事前確認が必要です。

決裁権のない人と商談をすることは意味がないとは言いません。現場ならではの声を聞けますし、決裁権のある立場にある人に信頼されている場合もあります。しかしながら、決裁権を持っているかどうかを確認することは、商談の前に知っておくと良いでしょう。

Needs(必要性)

Needs(必要性)は、BANTCの中で最も重要な項目と言って差し支えないかもしれません。必要性がなければ提案の価値訴求は難しく、いくら予算が余っており、決裁権がある人が相手でも導入検討は進みません。

したがって、BANTCのヒアリングを行う相手にそもそも必要性があるかの確認は最優先事項と言って良いかと思います。必要性があれば、予算があるのか、導入時期はいつ頃を想定しているか等のヒアリングに進んでいくとスムーズに話も進みます。

Timeframe(導入時期)

Timeframe(導入時期)も、BANTCヒアリングの際に重要なポイントです。Timeframe(導入時期)は、必要性が分かった上で提案を進め、いつ頃の導入時期をターゲットにして、商談を進めるかの参考情報になるためです。

ニーズはある、導入も検討している、しかしそれは3年後となれば今すぐにフォローすべき商談にはなりません。Timeframe(導入時期)は、商談の優先度を把握するために重要な指標の一つと言えるでしょう。

Competitor(競合)

ベースはBANTと言われるヒアリング項目も、最近はこのCompetitor(競合)を加え、BANTCとしてインサイドセールスのヒアリング項目として設定している企業が増えています。

Competitor(競合)情報は、実際の商談プロセスの中で営業がヒアリングを行う項目でもあり、インサイドセールスが事前にCompetitor(競合)をヒアリングすることで、営業の準備の参考にもなります。

企業の自社ソリューションにはそれぞれの特徴があります。Competitor(競合)がどこかがわかることで、見込み客はどういった観点で商材の選定をしようとしているか、ニーズの中で優先順位は何かを判断する情報になります。

また、何よりも通常であれば商材を選定する際、本気で検討すればするほど他社も併せて検討するものです。したがって競合がいるということは、検討の本気度が高いという証左にもなります。

BANTCをヒアリングすることの重要性

man in black t-shirt using macbook pro

なぜBANTCをヒアリングすることが重要なのでしょうか。さまざまな理由がありますが、本章ではBANTCのヒアリングを行う自社の立場からその重要性を2点説明いたします。

商談の優先順位を判断するため

まず始めに、商談の優先順位を判断するためです。インサイドセールスがBANTCヒアリングを行うことで、営業が見込み客にアプローチをすべきか、提案をすべきかの優先度を判断できます。一般的にはBANTCヒアリングを行い、5つの項目をヒアリングできればできるほど、その見込み客はフォローすべきターゲットと判断できるでしょう。

中でもBANTCヒアリングのうち、Needs(必要性)が最も優先度が高く、Needsを深堀りできればアポイント取得を進められるでしょう。逆にNeedsがヒアリングできない場合は、検討度は低く、かつフォローすべき対象から外し、インサイドセールスのフォローリストやMAのナーチャリング対象リストに入れても良いかもしれません

効率の良い営業活動をするため

BANTCヒアリングを行った後のプロセスに関し、ヒアリング項目を精査した結果、BANTC情報の詳細度合いにより、営業が準備をする際にどの程度本腰を入れて準備すべきかの判断の材料になります。

  • BANTCヒアリングをしたのか or していないのか
  • ヒアリングしたけれど教えてくれたのか or 教えてくれなかったのか
  • BANTCヒアリングした結果教えてくれたが、どの程度教えてくれたのか
  • ヒアリングした際の顧客のトーンはどうだったか(相手から課題感を自発的に教えてくれたか or こちらが質問して何とかヒアリングしたのか等)

BANTCヒアリングの際に、相手から「XXの情報が欲しい」「見積もりも当日教えて欲しい」と反応があるだけでも、準備の力の入れ具合が変わってきます。

営業は数ある商談から目標数字を達成するために、成約確率の高い商談を優先的に取り組む必要があります。その試金石となるのがBANTCであるため、効率よく商談を進める際に非常に重要です。

BANTCをヒアリングする際のポイント

man in blue jacket using computer

BANTCヒアリングの際は、何に注意をしてヒアリングをすべきでしょうか。また、どういった立場で顧客へヒアリングを行うと効果的かについてご紹介します。

顧客視点を忘れず、顧客の課題にフォーカス

BANTCヒアリングのうち、Needs(必要性)が最も優先度が高く、Needsを深堀りし「顧客の課題解決に寄り添う姿勢を見せる」ことが重要です。

顧客視点は、顧客接点のある事業や営業に携わっている人に必須の項目ですが、BANTCヒアリングでも例外ではありません。

相手の立場に立つと、顧客の置かれている状況や、なんとかしたいけど変えられない組織的な構造など、ポイントが見えてきます。

また、会話の端々に散りばめられた顧客の課題感に耳を傾けることで、顧客は、BANTCをヒアリングしているインサイドセールスや営業に少しずつ心を開いてくれるかもしれません

顧客とも色々会話できるようになったら、その間で予算、決裁権、タイミングについても傾聴を続けながら情報を探ると良いでしょう。BATNCのうち、Cの競合情報について状況を探るのは最後になってからでも良いでしょう。

なぜBANTC情報が必要なのかを相手に伝える

うまく顧客視点に立ち、課題にフォーカスするのが難しい場合もあるかと思います。

その際は思い切って、「なぜBANTCを聞く必要があるのか」を相手に正直に正面から伝えてしまって良いかもしれません

変に取り繕って回りくどくヒアリングを試みるより、「BANTCを教えていただければ、弊社から最大限の提案を行い、御社のお役に立てるかもしれませんので、その機会を是が非でもいただけないでしょうか」と言った方が相手もすんなりと理解してくれるかもしれません。

そこで不要であれば、Needsがなかったとわかりますし、「具体的にどのタイミングであれば話を聞いていただけるか」「迷惑をかけないように今後、情報提供の方法をさせていただきたいが、どのような連絡方法が望ましいでしょうか」等と聞いてみても良いかもしれません。

BANTCを聞こうとしない

また、BANTCヒアリングがうまくいかず、直接正面から聞くのも難しいという方もいるでしょう。インサイドセールスにもそれぞれ特徴があるので、中には口下手な人もいるはずです。

しかしながら、そのような方でも工夫を凝らせば結果を出すことはできます。

方法としてはBANTCを聴こうとせず、悩み相談の相手になってみる方法です。意図として、最終的にはBANTC情報を聞ければ目標達成ですが、ストレートに聞いてしまうと身構えられるし、相手にとって不躾なイメージを与えかねません。

その場合、「北風と太陽」のように、本当にそのBANTC情報をヒアリングしたい場合は、相手の課題から入り、自分がサポートできる立場にいるという安心感を伝えることが重要、というメッセージが伝われば良いのです。

イメージとして9:1の割合で相手に話してもらい、自分は聞き役に徹するくらいで良いでしょう。そこまで話してくれれば、BANTC情報をある程度ヒアリングできることでしょう。

BANTCがうまくヒアリングできない場合は

man holding telephone screaming

それでもBANTCがうまくヒアリングできないこともあります。どう頑張ってもBANTCを必ずヒアリングできる人はおそらくいません。

したがって、うまくヒアリングできない場合、どのような心持ちでBANTCヒアリングに取り組むかという点でポイントをお伝えします。

BANTCが全てヒアリングできることはレアケース

最初からBANTC全てがヒアリングできるものではない、という気持ちで開き直ってアプローチをし続けると、精神的にも楽に取り組めるでしょう。

BANTCが揃っている顧客はレアケースと思い、インサイドセールスでヒアリングが苦手な人は、まずはNeedがあるかのヒアリングを目標にし、それがヒアリングできたら、次はもう一つ、例えばTimeframeをヒアリングするなど、小さい目標を積み上げていくと良いでしょう。

最初のいくつかが聞き出せたら、Budget(予算)やAuthority(決裁権)など他の項目も聞き出し、最後にCompetitor(競合)を探るのが王道です。

お客様と会話する数をこなす

BANTCヒアリングを向上させるためには、場数がものを言います。多くのヒアリングをすればするほど見込み客の反応パターンがわかってくるでしょう。よく話してくれる人ばかりではないですし、話してくれない人でもこのように聞けば話してくれる、といったこともわかってくるはずです。

場数をこなしてヒアリングのスキルを上げていくことが、ヒアリング上達の王道と言えるでしょう。

ヒアリングが上手いインサイドセールを真似る

上達のもう一つの方法はヒアリング能力が高い同僚のインサイドセールスのやり方を真似するという方法です。

自分以外の人のヒアリング内容を側で聞くことで、新たなヒアリングのアプローチを目にすることもでき、客観的な視点を取り入れることで、自身のヒアリングスキルの幅が広がるでしょう。

最も、真似できるヒアリングスキルがあれば、徹底的に真似して自分のものにすると、上達スピードも上がると考えられます。独自路線で行くのではなく、プライドを捨て、謙虚に同僚から学ぶ姿勢も上達の近道です。

自分の会話を録音して振り返る

ヒアリング向上の方法として、自分のヒアリング時のやりとりを振り返ることも効果があります。ヒアリング中は夢中になっていたり、咄嗟に出てしまった言い回しなど含め、現時点での自分のヒアリングスキルを冷静に分析することも重要です。

恥ずかしいかもしれませんが、顧客に対して失礼な対応をしたり、アポが取れない現状を打開したいのであれば、録音内容を聞いてみると新たな気づきがあるでしょう。

まとめ:BANTCを効果的にヒアリングできるようになるために

people doing office works

本記事ではBANTCとは何かから始まり、聞き方やヒアリングのコツについてご紹介しました。BANTCは営業活動につながるため、顧客から引き出したい貴重な情報群です。実際に何も信頼関係がない顧客からBANTCをヒアリングすることは容易ではありません。

しかしながら、インサイドセールス担当者が工夫を凝らしBANTCをヒアリングすることで、有効な商談に繋がったり、成約率の向上につながったり可能性があります

BANTCヒアリングは練習をすれば上達しますし、スキルが上がると営業活動の幅も広がります。本記事をご覧いただき、少しでも上達の糸口やポイントを踏まえ、日々のヒアリングスキル向上の鍛錬に活かしていただければ幸いです。

営業DX.jp

「営業DX.jp」は、3万円ポッキリで営業DXのプロに相談できるオンラインサービスです。50問の質問に答えるだけで、営業DXのプロからのレポート/アドバイスを受けることができます。詳細はこちらへ。


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。