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BtoBマーケティングにおけるWEBフォーム項目の最適解

2022.07.17

2023.06.08

BtoBマーケティング

BtoBマーケティングにおいて、Webフォームを改善することの重要度は高いです。最も少ない工数で、リード獲得数の改善につながるからです。

言うまでもなく、見込み客の獲得は自社の将来的な売上に影響してきます。

そのためWebフォームの最適解を理解すると、自社にとって大きなメリットになるでしょう。

弊社「FLUED」では、これまでに多くのBtoBプロダクトのLPやサービスサイトを作成してきました。その中で多くの方々から、「電話番号は必須にすべき?」「設定項目によってはCVRが下がってしまう?」など、入力フォーム項目についてのお悩みのご相談を受けます。

そこで本記事では、入力フォームの最適解を紹介!まずは資料請求・ホワイトペーパーダウンロードフォームについて紹介して、次に問い合わせフォームの最適解をお伝えします。

Webフォーム設計のポイントや手順についても解説します。Pardot、HubSpot、Marketo…などさまざまなWebフォームに応用できる最適解をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

ちなみに弊社では、HubSpotのリード情報にさまざまなデータを付与できる「FindFolio」をリリースしました。従業員情報や法人番号などの詳細な属性データを提供でき、簡単に導入いただけるのが特徴です。

資料ダウンロードはこちらからどうぞ。

BtoBマーケティングにおけるWebフォームの最適解

Webフォームを闇雲に作っても、自社のマーケティングに効果を発揮しません。

弊社「FLUED」では、これまでに多くのBtoBマーケティングの支援を行いました。その結果、Webフォームの”最適解”が見えてきました。この記事では下記のパターンの最適解について解説します。

  • 資料請求・ホワイトペーパーダウンロードの場合
  • お問い合わせの場合

資料請求・ホワイトペーパーダウンロードの場合

ここでは、資料請求・ホワイトペーパーダウンロードにおける入力フォームの基本セットと応用項目の最適解を紹介します。

資料請求・ホワイトペーパーダウンロードフォームの基本セット

まず資料請求・ホワイトペーパーダウンロードでは、基本セットとして下記の項目を設定しましょう。

<Webフォームの基本セット> ※「*」は必須項目
*会社名
*姓
*名
*メールアドレス
電話番号
問い合わせ内容(自由記載)

資料請求の場合は、当然ですが会社名や姓名、メールアドレスなどは必須項目です。

電話番号は、任意項目として設定しましょう。

なぜなら電話番号を必須項目にすると、若干ですがCVRが下がる傾向にあるからです(これはかなり意見も割れるところですが・・・)。

結論、自社のインサイドセールスのスタイルに応じて、必須項目に設定すると良いと思っています。

たとえば営業担当者が、資料請求のリードにも5分以内に架電するスタイルならば、電話番号の項目を設定するのがオススメです。

一方で、メールを利用してナーチャリングをかけるスタイルの場合は、電話番号の項目を必須にしない方がリード総数は増えやすいでしょう。

資料請求・ホワイトペーパーダウンロードフォームの応用項目

基本セットに加えて、下記のような応用項目を用意するのも効果的です。当然ですが応用項目が多すぎると、CVRが低下します。そのため、応用項目の追加は1つに絞り、多くても3つまでにするのがおすすめです。

<応用項目>
従業員数
業種
売上高
住所
役職
検討時期
課題や検討背景
特に聞きたいこと(〇〇対策をしているか)

この段階では「検討時期」を聞いてもあまりコンバージョンへの効果が見込めません。また、「住所」は郵便番号や都道府県、住所番地などを記入する必要があり、CVRを下げやすい割に意味のない項目です。「住所」はメールアドレスのドメインや法人名から割り出すようにしましょう。

ただし、gmail.comやyahoo.co.jpなどフリーメールアドレスでの登録だと法人の特定ができず、その後のアプローチを進めづらくなることがあります。法人ドメインのアドレスを入力してもらえるように「会社アドレスでのご登録をお願いします」など、ヘルプテキストを記載しておくと良いでしょう。

また、HubSpotではフォームへのフリーメールアドレスの入力を制限する機能もあります。フォームの項目設定時にチェックボックスにチェックを入れるだけで簡単に制限が可能です。このような機能もぜひ活用してみましょう。

【意外とやっていないポイント】自由記載項目は入れてありますか?

資料請求フォームに「問い合わせ内容(自由記載)」があることに、違和感のある方もいるかもしれません。しかし、自由記載項目の設定は資料送付段階でも非常に効果的です。

自由記載項目を設定すると、意外と詳細な問い合わせ内容を記載もらえるケースがあります。もちろん必須項目にはせず、任意にすることをオススメします。

お問い合わせの場合

ここではお問い合わせフォームの最適解について、基本セットと応用項目にわけて解説します。

お問い合わせフォームの基本セット

<Webフォームの基本セット> ※「*」は必須項目
*会社名
*姓
*名
*メールアドレス
*電話番号
問い合わせ内容

お問い合わせフォームでは、資料請求やホワイトペーパーのダウンロードの時とは異なり、電話番号も必須にすることをオススメします。

お問い合わせの場合は、電話番号を必須項目としてもCVRは下がらない傾向があります。むしろスピーディーにインサイドセールスでフォローするために電話番号を必須にしましょう。

お問い合わせをする顧客は資料請求をする顧客よりも、サービスや商品などに対してより深い興味を抱いていると言えます。そのため電話番号を取得して、すぐに架電できる状態にしておくと、商談にもつなげやすいでしょう。

なお、BtoBマーケティングの領域ではお問い合わせに対して「5分以内のレスポンス」が重要とされています。なぜなら「5分以内のレスポンス」を行うことで、コンバージョン率が8倍になるというデータがあるからです。以上の事実は、下記に示すアメリカのマーケティング会社のデータからわかります。

出典:LEAD RESPONSESTUDY 2021|InsideSale

電話番号を取得したら、早めのアプローチが有効です。しかし実際には下記に示すとおりに、「5分以内のレスポンス」を行えるリードは0.1%という結果があります。

出典:LEAD RESPONSESTUDY 2021|InsideSale

電話番号を取得し、「5分以内のレスポンス」を行うだけでコンバージョン率が8倍になるので、ここを愚直に行うだけでもかなりの効果が得られます(なかなか難しいオペレーションではありますが…)。

お問い合わせフォームの応用項目

お問い合わせの場合も、応用項目は多くても3つ程にしておきましょう。応用項目を4つ以上にすると、CVRが低下するので注意が必要です。

<応用項目>
従業員数
業種
売上高
住所
役職
検討時期
課題や検討背景
特に聞きたいこと(〇〇対策をしているか)

いくつかの応用項目を設定する際の優先順位として、「住所」などは順位が高くありません。

なぜなら「住所」は郵便番号や都道府県、住所番地などを記入する必要があるからです。そのため、顧客が必要事項に記入することを煩わしく思ってしまい、コンバージョン率を下げることにつながります。

住所については、メールアドレスのドメインや法人名から割り出すことも可能です。

【少しだけ宣伝】より法人データを活用したいなら「FINDFOLIO」を検討してみてください

少しだけ宣伝させてください。FLUEDでは「法人データ活用SaaS」の「FINDFOLIO」をリリースしました。

「FINDFOLIO」はフォームでのCV発生時に法人データベースから売上高、従業員数、業種などを自動取得するツールです。自動取得のため、マーケご担当者さまの業務負担を減らして効率的な情報取得につながります。正確な「法人名」や「住所」「代表者氏名」などの取得も可能なので、名寄せも可能です。

「FINDFOLIO」の導入により、マーケティングやインサイドセールスの強化につながるので、ぜひ検討してみてください。

「FINDFOLIO」について詳しくはコチラ

BtoBマーケティングにおけるWebフォームとは

BtoBマーケティングにおけるWebフォームは、自社の営業活動において非常に重要です。

なぜなら企業が顧客と接点を持ち、見込み客を獲得するために役立つからです。企業が優れたコンテンツを持っていても、顧客との接点がなければ意味を成しません。

効果的なWebフォームを設置して、顧客と接点を持つと、営業活動につながります。

またWebフォームから取得した内容をデータとして蓄積すると、自社の営業活動にも活かせます。そのためWebフォームの最適化は、今後のマーケティング活動においても、非常に重要です。

BtoBマーケティングにおけるフォームの種類

フォームの種類は主に下記の3種類です。

  • 資料請求
  • ホワイトペーパー
  • 問い合わせ

BtoBマーケティング活動を行う中で、ユーザーニーズに適したフォームの設置は重要です。

また複数のニーズに対応したい場合は、フォームを分類して設置すると、効率的にマーケティング活動を行えます。

EFO(入力フォーム最適化)とは

EFO(入力フォーム最適化)とは「Entry Form Optimization」の頭文字を取った言葉で、入力フォームでのユーザーの離脱率を下げ、CVを高めるための施策です。

BtoBマーケティングではEFOは重要な施策です。なぜならEFO(入力フォーム最適化)を行うことで、CVを高め、成果が出やすくなるからです。

ユーザーの離脱を防ぐフォームを作成できれば、顧客との接点が増えるため、自社の営業活動やデータ収集などのメリットになります。

EFO(入力フォーム最適化)を最適化するポイント

前章で解説したように、Webフォームでより効果的にマーケティング活動を行うためにはEFOは欠かせません。本章ではEFOを最適化するポイントを解説します。

入力項目の削減

入力項目が多すぎると、ユーザーの離脱につながります。目安としては、スマホでフォームが表示された際に、1ページですべてが分かるくらいの項目数がおすすめです。スマホ1ページで全項目を見渡せるようにするためにも、不必要な項目を削減しましょう。

たとえば前述した基本セットと1つの応用項目だけを残し、他は削減してみてください。ユーザーの離脱を抑えるためにも、入力項目をシンプルに整えてみてください。

入力の支援

ユーザーが「入力に迷ってしまう」「項目の意味が分からずにストレスを感じてしまう」などの場合も、離脱につながります。

そのため「このフォームは、何のためのフォームなのか」「必須項目は分かりやすく表示させる」などを考え、ユーザーの入力を支援することが大切です。あくまでもユーザー目線で作成することを、心がけましょう。

アクションを起こしやすい作りに

ユーザーが入力を完了したあとに、最後に送信ボタンを押さずに離脱することもあります。これは、ユーザーがボタンの押下後に何が起こるのかわからず不安になるためです。

そこでボタン表記を、「送信」から「この内容で送信する」に変えるなどして、ボタン押下後のアクションがわかるようにすることも大切です。

ユーザーが、アクションを起こす不安を取り除くような一文を添えられることをオススメします。

EFO(入力フォーム最適化)を進めていくうえで押さえるべきポイント

EFOにゴールはないと言っても過言ではありません。自社が目指すものやニーズ、時代や社会の変化によって最適なフォームも変わってくるでしょう。そのため本章では、EFOを進めていくうえで押さえるべきポイントを解説します。

コンバージョン率(CVR)だけで考えない

コンバージョン率はEFOの中では大切な数字ですが、コンバージョン率だけで考えないことが大切です。なぜならBtoBマーケティングを行う目的は、コンバージョン率を高めることではなく、コンバージョン後に商談を行い成約につなげることだからです。

コンバージョン率が上がっても成約につながらなければ、売上は上がらず施策は失敗です。そのためコンバージョン後の商談で、どのような情報が最低限必要なのかを考えながらEFOを進めましょう。

他部署と連携し、全社的に行う

フォームの制作部署と、顧客にアプローチをする営業部が異なる企業は多いのではないでしょうか。フォームの制作部署と営業部の連携が取れていない場合は、Webフォームから得た情報を有効活用できない可能性があります。せっかくWebフォームで得た情報を、顧客へのアプローチに利用ができなければ本末転倒です。

フォームで得た情報を商談で効果的に利用するためにも、部署間の連携を図りながら、入力項目や必要な情報を決めましょう。

フォームの目的に合わせて検討する

BtoBマーケティングではCVRを上げただけでは、企業の成果にはつながりません。まずはコンバージョン後に、Webフォームから得た情報を営業へと引き継ぎます。その後、営業の商談を経て、契約に至ると企業の成果につながります。

入力項目をどうするか、何を必須項目にするべきかは、目的に合わせて検討することが大切です。

たとえば、メールマーケティングを実施する場合は、課題や検討にいたった背景を項目に加えるとよいでしょう。または職種や役職、従業員数などを項目に加えると、リードの優先順位を決める場合にWebフォームの情報を活かせます。

検証と改善を繰り返していく

前述したように、EFOにゴールはないと言っても過言ではありません。どの企業も検証と改善を繰り返して、自社に合ったフォームにしていきます。

たとえばCVRが低ければ、なぜ低いのか、項目数はどうか、フォーム全体の見やすさはどうかなどの検証と改善を繰り返す必要があるでしょう。フォームを作ったら終わりではなく、常にブラッシュアップすることが大切です。

EFO(入力フォーム最適化)を設計する手順

本章ではEFOを設計するための具体的な手順を解説します。ぜひ、本章の手順を一つのモデルケースとして設計してみてください。

顧客ステージを割り当てる

顧客ステージとは、リード顧客が商品やサービスの成約に至るまでのプロセスにおいて、今どの状態にいるかを客観的に示すものです。顧客は、下記のステージに振り分けられます。

<顧客ステージ> 

  • 認知
  • 理解
  • 検討
  • 商談

たとえば、まだ商品を認知していないリード顧客に対して、操作トライアルなどを行なってもニーズに適していないでしょう。そのためアプローチをかける顧客が、どのステージにいるかを割り当てることが大切です。次に、各ステージの顧客に提供するコンテンツを用意しましょう。

リード顧客を獲得するためのコンテンツを用意する

フォームを作成しても、顧客に魅力的なコンテンツがなければその先の商談にはつながりません。そのため顧客ステージに合わせて、リード獲得のためのコンテンツを用意しましょう。

たとえば、リードを獲得するためには、次のようなコンテンツを用意したり、イベントを開催したりすることがオススメです。

  • 商品やサービスを認知していない顧客にはお役立ち資料を提供する
  • 商品やサービスを理解している顧客に対してセミナーを開催する
  • 購買意欲の高い顧客向けに商品の操作説明会を開催する

顧客ステージに合わせたコンテンツやイベントを用意することで、効果的な顧客獲得のための戦略を実施できます。

顧客ステージ毎の取得目的を決める

次に顧客ステージ毎の目的を決めます。たとえば「認知」ステージにいる顧客に対しては、継続して商品やサービスについての情報提供を行うと、「理解」のステージに進んでもらえる可能性があります。

一気にジャンプをするのではなく、階段を顧客ステージごとに一段一段上がっていくイメージで進めてください。

顧客ステージごとに入力フォームの項目を決める

前述した顧客ステージ毎の取得目的をもとに取得項目を決めます。

たとえば、商品やサービスを認知していない顧客に資料を提供する場合は、会社名や名前、メールアドレスなどできる限り入力項目をシンプルに整えるのがオススメです。電話番号は、任意項目に設定してください。

一方で、お問い合わせフォームから商談につなげたい場合は、電話番号を必須項目に設定しておきましょう。電話番号を把握すると、すぐに顧客にアプローチして、商談につなげられます。

まとめ:検証と改善を繰り返して最適解に近づけていく

今回は「FLUDE」がこれまでに蓄積した経験から、資料請求やお問い合わせにおけるWebフォームの最適解を紹介しました。

しかしWebフォームの最適解は、目的によって変わる場合もあります。そのためWebフォームの入力項目について、検証と改善を繰り返して、より最適解に近づけることが大切です。

まずは今回お伝えした基本セットをもとに、Webフォームの項目を設定してみてください。そこから試行錯誤を繰り返すと、Webフォームの最適解に近づくでしょう。

最後にWebフォームで入手した情報を管理するために役立つ「FINDFOLIO」を、改めてご紹介します。

「FINDFOLIO」はWebフォームでコンバージョンに至った顧客企業の売上高や従業員数、業種などの情報を自動で取得できるツールです。

担当者の負担を減らしつつ、マーケティングや商談に必要な企業情報を自動取得できる点が魅力。また国税局の法人データベースとも連携できるため、より正確な情報を取得可能です。

貴社のマーケティングを効率化して、売上を向上させるために、ぜひお役立てください。

「FINDFOLIO」について詳しくはコチラ


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。