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BtoBで活用するステップメールの作り方!ポイントとシナリオの紹介

2021.11.07

2023.06.08

BtoBマーケティング

「ステップメールは、どのように作ればいいのか?」

BtoBビジネスでは、Webサイトから資料請求する見込み客に対して更なる施策が必要となります。

見込み客の興味関心を向上させるには、ステップメールが効果的です。

今回の記事では、BtoBで活用するステップメールの作り方について解説します。

また、ステップメール設計における注意点やコツについても紹介しますので、ぜひ、お役立てください。

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コンテンツ目次

ステップメールとは

ステップメールは、メールマーケティングの1つの手法です。

ステップメールは、特定のターゲットに向けて、シナリオ設計したメールを段階的に分けて送ります。

メールを送る段階は、ターゲットの心理プロセスによる行動が基準です。

ターゲットの行動ごとに、最適なメールを自動配信する方法となります。

そのためBtoBのシナリオ配信では、設定さえできれば自動で配信できる部分が特徴です。

ステップメールは、メルマガと違いメールの送信先ターゲットを絞り込みます。

絞り込んだターゲットの心理プロセスを基準にした自動配信が特徴です。

BtoBにおけるステップメールの必要性

BtoBビジネスでは、ステップメールの活用が欠かせません。

ステップメールの必要性は、次の2つの要素から考えられます。

見込み客に自社製品の理解を深めてもらう施策

ステップメールは、見込み客の理解度に対して最適なメールを配信する施策となります。

見込み客の興味を引き上げ、検討段階を進行させるための取り組みです。

見込み客の検討段階を進めるには、心理プロセスに適したメール配信が必要となります。

数社で比較検討中の見込み客への判断基準

BtoBにステップメールが必要となる理由は、数社で比較検討中の見込み客にとっての判断基準になるためです。

比較検討中の見込み客は、ホワイトペーパーのダウンロードから購入段階を進めるための情報が必要となります。

ステップメールは、検討中の見込み客の判断基準となる情報を段階ごとに配信することが可能です。

よって、見込み客の判断基準が合致すれば、商談に持ち込む糸口となります。

BtoBビジネスにステップメールを使うメリット

BtoBビジネスのステップメール活用では、どのようなメリットがあるでしょうか?

ユーザーの心理プロセスの状態に合わせたメールを送信できる

BtoBビジネスにステップメールを使うメリットは、見込み客の心理状態に合わせたメール配信ができることです。

ステップメールでは、見込み客の行動データからメール配信開始の起点を設定できます。

ステップメールは、見込み客が求めていない情報を配信しません。

見込み客の心理プロセスに合わせたメール内容で配信します。

ステップメールは、見込み客の心理プロセスに合ったメールを送信できることから、読まれる確率の高い施策といえるでしょう。

見込み客との関係性を維持しながらナーチャリングできる

ステップメールのメリットは、見込み客との関係性を維持しながらナーチャリングできることです。

ナーチャリングでは、見込み客を購買層へと育てていくために関係性を維持する必要があります。

見込み客との関係性を維持しながら、リードナーチャリングできることがステップメールの特徴です。

たとえば、見込み客が製品の比較検討段階に入った場合、他社製品との比較情報をメールで提供します。

他社製品との比較により、自社製品の優位性を訴求することが可能です。

製品への興味関心の高い顧客に訴求できる

ステップメールは、製品への興味関心が高い顧客に訴求できます。

その理由は、メールの送信先を絞り込むからです。

ターゲット設定で絞られた見込み客は、自社製品に対して、ある程度知識のある潜在層となります。

そのため、ステップメールでは具体的な情報を提供することが可能です。

ステップメールは、具体的な情報を段階で分けて配信します。

その仕組みから、製品への興味関心を高めるための訴求が可能です。

営業担当者のスキルに関係なく均一化された訴求ができる

ステップメールは、営業担当者のスキルに関係なく、均一化された訴求ができます。

均一化された訴求ができる要因は、自動配信によるものです。

メール配信のシナリオを設定してしまえば、自動配信で適切な訴求が可能です。

ステップメールの自動配信による仕組みは、営業担当者のスキルに関係なく、均一化された訴求になります。

BtoBにおけるステップメールの作り方

ステップメールを作るには、次の手順で進めます。

カスタマージャーニーを整理して戦略を練る

カスタマージャーニーは、見込み客が製品を知ってから成約に至るまでの行動プロセスを視覚化したシナリオ設定のことです。

たとえば、カスタマージャーニーでは、自社製品のターゲット層となるペルソナの動きを基準とします。

ペルソナの動きは、行動や思考、感情などです。

これら3つの動きを時系列で視覚化したシナリオにより、見込み客の行動と心理状態を理解できるようになります。

ステップメールを作るには、カスタマージャーニーを整理して戦略を練ることが重要です。

カスタマージャーニーの整理は、ステップメールの設計部分にあたります。

  • どのようなターゲットに
  • どのような情報を
  • どのような順番で

といった情報を決め、ターゲットを絞りこみます。

絞り込んだターゲットが興味関心を持つ情報を作成し、適切な順番で配信する仕組みです。

送る相手を絞り込む

ステップメールでは、カスタマージャーニーによるシナリオ設定から、メールを送る相手の絞り込みをします。

メールの送信先を絞り込むには、ターゲットの行動から判断することが必要です。

送る相手を絞り込むには、ターゲットの行動からメールの目的を変更します。

ターゲットの行動ターゲットステップメールの目的
名刺交換をしただけの見込み客ニーズ不明属性情報を入手するための訴求が必要
入力フォームから資料請求を申し込んだ見込み客潜在客製品に関しての詳しい資料を求めている。次の訴求タイミングを理解する必要
ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客顕在客・課題解決に役立つ情報を求めている
・具体的な訴求ができるステップメールへ

配信スケジュールを設定する

ステップメールは、カスタマージャーニーマップから配信のタイミングを明確にします。

配信スケジュールを設定して、見込み客の行動ごとに最適なメールを配信することが必要です。

具体的には、次のようなタイミングが考えられます。

  • 見込み客が明らかに情報を必要としているタイミング
  • 見込み客に情報を提供すれば手助けとなるタイミング

ステップメールは、見込み客にとって必要性のあるメールを、最適なタイミングで送信することがポイントです。

BtoBでステップメールを作る際の注意点やコツ

ステップメールを作るには、次のような注意点やコツがあります。

初期段階では読者に役立つ情報を提供する

ステップメールは、メール配信の初期段階において、読者に役立つ情報を提供することが必要です。

ステップメールは、メール読者の興味関心が低いうちに製品を紹介してしまうと、売り込みをかけることになってします。

売り込みメールは、見込み客との関係性が低い状態だと、逆効果になりかねません。

そのためステップメールでは、初期段階において読者に役立つ情報が提供し、関係性を構築します。

メールタイトルで興味をひきつけ、開封率を上げる

BtoBにおけるステップメールは、メールタイトルで興味をひきつけ、開封率を上げることが必要です。

開封率を上げるには、メールタイトルは短くして、隅かっこを使わないことなどがあげられます。

また、メールタイトルの自社サービス名を略称する場合は注意が必要です。

略称を使う場合は、読みやすいかどうかを判断する必要があります。

メールタイトルは、「読むか読まないか?」の判断となる重要な部分です。

基本的には、メールタイトルで自社サービス名を略すことは、おすすめしません。

情報を詰め込みすぎない

ステップメールでは、情報をつめ込み過ぎないことが大事です。

1回の配信メールに情報をつめ込み過ぎると、見込み客の許容範囲を超えてしまうことが考えられます。

また、必要以上に内容をつめ込み過ぎると、「何を伝えたいのか?」が判断できなくなります。

そのため、情報のつめ込み過ぎには注意が必要です。

メール内にミーティングリンクを組み込む

ステップメールでは、メール内にミーティングリンクを組み込むことにより効果を期待できます。

具体的には、HubSpotで生成したミーティングリンクの組み込みです。

ミーティングリンクで誘導することにより、メール読者とコミュニケーションを深めることが可能です。

HubSpotで生成したミーティングリンクを組み込むことで、メール読者の直接的なアポイントが期待できます。

そのためミーティングリンクの組み込みは、ステップメールから誘導する効率的な方法の1つです。

関連記事:Hubspotのミーティングリンクとは?ツールでアポイント調整を効率化

中身に迷ったら活用事例を送る

ステップメールの内容に困った場合は、製品の活用事例を掲載することがおすすめです。

製品の活用事例は、実際に導入した顧客の体験を自社に置きかえて判断できます。

ステップメールでは、資料をダウンロードした見込み客に対して、活用事例を提供することも効果的です。

活用事例の提供が効果的となる理由は、資料をダウンロードした見込み客に、事例から疑似体験してもらえるからです。

企業によっては、異なる業種や活用方法の事例を5種類ほど準備し、資料をダウンロードしたユーザーへ段階的に送ることもあります。

BtoBのステップメール(シナリオ配信)で最も重要なポイント

ステップメールは、ストーリー戦略とシナリオ設計が重要です。

ストーリー戦略

ストーリー戦略は、ターゲットとなる見込み客に対して、ストーリーに沿った施策を実行します。

ストーリーに沿った施策はストーリーに沿った施策は、1通ごとのステップメールに対して明確な目的を持たせることが重要です。

たとえば、購買プロセスが比較検討の段階となる見込み客は、自社製品と他社製品の違いを知りたいはずです。

この場合は、比較情報をわかりやすく表にまとめて提供すると効果的です。

実際に比較検討している段階であれば、自社製品への理解度を高める機会だと判断できます。

シナリオ設計

シナリオ設計では、1通1通のメールが見込み客の心理プロセスに沿うようにシナリオを作ります。

ステップメールでは、設定したシナリオどおりに自動配信することが必要です。

シナリオ設計では、メールの内容が見込み客の求めている情報でないと、態度を変化させることになります。

見込み客の心理プロセスに合わせて、シナリオ設計の精度を高めることが大事です。

BtoBにおけるステップメールの具体例

ステップメールは、どのように活用すればよいのでしょうか?

具体例を紹介します。

展示会やウェビナー参加者へ向けたシナリオ

展示会やウェビナー参加者に向けたステップメールは、次のようなシナリオを作成します。

  • 1通目:【参加への御礼】製品にまつわる業界情報の提供
  • 2通目:【ブランディング】他社との差別化になる自社の強み部分の訴求
  • 3通目:【役立つ情報配信】関連する他の業界情報・他のウェビナーや展示会の案内
  • 4通目:【検討の訴求】他社製品との比較・導入した際のコスト試算紹介など、具体的な訴求

資料ダウンロードユーザーに向けたシナリオ

資料ダウンロードユーザーに向けたシナリオは、次のとおりです。

  • 1通目:【資料ダウンロードへの御礼】資料入手によるベネフィットの紹介
  • 2通目:【役立つ情報配信】製品導入事例の提供
  • 3通目:【役立つ情報配信】製品導入事例の提供
  • 4通目:【ブランディング】他社との差別化になる自社の強み部分の訴求

製品の利用を開始した顧客向けのシナリオ

ステップメールでは、製品の利用を開始した顧客に向けて次のようなシナリオが考えられます。

  • 1通目:【製品利用への御礼】よくある質問や問い合わせ先なども紹介
  • 2通目:【役立つ情報配信】製品導入時の注意点や活用方法を紹介
  • 3通目:【役立つ情報配信】製品の使い方・活用事例など紹介
  • 4通目:【継続的な関係性維持】アンケートの実施・ミーティングへの案内・最新情報の提供

BtoBにおけるステップメールで、成果を把握するための指標・KPI

ステップメールによる成果を把握するためには、指標となるKPI設定が必要です。

ステップメールは、メールマーケティングの施策になります。

そのため、具体的なKPIに向けて効果測定することが重要です。

メールマーケティングでは、次の指標がKPIで活用されます。

  • 開封率
  • クリック率
  • コンバージョン率

開封率

開封率は、「送信したメール数のうち何通が開封されたか?」を割合で算出する指標です。

開封率は、メールマーケティングのKPIにおける重要な指標となります。

メールが開封されなければ、メール本文の成果を把握できません。

そのため、開封率が低いままだと全体のKPIに影響を及ぼします。

開封率を上げるには、ターゲットユーザーの興味をひくキャッチーなメールタイトルが効果的です。

そのため、固有名詞を盛り込み具体的にする必要があります。

メールタイトルが重要となる理由は、見込み客が本文を読みたくなるようにする役割があるからです。

クリック率

クリック率は、送ったメール本文にあるURLを見込み客がクリックする割合のことです。

メール本文内のURLがクリックされなければ、ターゲットに対して本文の内容が合わないことが考えられます。

そのため、クリック率はターゲットと本文の内容の整合性を計測する指標となります。

また、本文内URLのクリック率を高めるには、文章が長すぎないことも必要です。

文章が長すぎると、URLにたどり着く前にメールを読むことをやめてしまうことが考えられます。

クリック率を高めるには、読み進めたくなる文章の工夫や少ないスクロールでURLへ誘導できる文章量の工夫が必要です。

コンバージョン率

コンバージョン率は、Webサイトに訪問したユーザーのうち、目標とする成果につながった割合のことをいいます。

コンバージョンは、Webサイトの持つ目的に到達することを成果とします。

サイトアクセスに対して、「どのくらいコンバージョンに到達したか?」の割合を算出することです。

Webページでの成果となる行動は、次のとおりです。

  • 問い合わせ
  • 資料請求
  • ホワイトペーパーダウンロードなど

コンバージョン率は、前提としてメールの開封やメール本文URLのクリックがなければ計測できません。

そのため、開封率やクリック率を高めることが優先になります。

開封率やクリック率を高めたとしても、URLクリック先のWebページコンテンツや入力フォームに問題があれば、改善が必要です。

見込み客の興味を引き上げるメール設定を目指そう

本記事では、BtoBにおけるステップメールについて解説してきました。

ステップメールの特徴やBtoBビジネスにとっての必要性など理解できたでしょうか?

ステップメールの作り方では、重要なポイントも紹介してきました。

注意点やコツなどを参考に、見込み客の興味を引き上げるメール設定のヒントにお役立てください。

「営業DX.jp」は、3万円ポッキリで営業DXのプロに相談できるオンラインサービスです。50問の質問に答えるだけで、営業DXのプロからのレポート/アドバイスを受けることができます。詳細はこちらへ。


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。