MRR、月額課金、サブスクリプション収益…ちゃんと管理できてますか?HubSpotを用いたMRRの管理方法3種を紹介

2022.08.04

2022.08.04

営業DXツール

SaaSに関わる仕事をしていると必ず出てくるキーワードとしてMRRがあります。MRRは、「Montly Recurring Revenue」の頭文字をとった略語で「月次経常収益」とも訳されます。昨今はサブスクリプション型の商品やサービスの増加により注目されていますが、MRRをしっかりと理解して管理できているでしょうか。

また「HubSpotでは単発の収益しか管理できず、MRRは管理できないのですか?」といった質問もよくいただきます。今回は、HubSpotではMRRの管理も可能であることを伝える意図もあり、この記事を執筆しました。

HubSpotを使ったMRR管理をマスターすると、定額課金や月額課金といったサブスクリプションビジネスにも対応できます。今回は、HubSpotを用いたMRRの管理方法について解説しますので、ぜひご覧ください。

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月額課金・定額課金型事業での重要指標「MRR」とは?

まずはMRRについて解説します。

MRRとは「Montly Recurring Revenue」の頭文字をとった略語で、日本語に訳すると「月次経常収益」です。

MMRは売上から以下の諸経費を差し引いて計算されます。

  • 初期費用
  • 追加購入費用
  • コンサル費用

SaaSに関わる仕事をしている方はMRRという言葉自体をよく耳にすると思いますし、投資家の間でもMRRに注目する人が増えています。

MRRは投資家を含めたステークホルダーに注目され始めているため、非常に重要な指標です。

MRRと ARRとの違い

さて、MRRとよく似た言葉にARRがあります。MRRとARRはよく似た言葉ではありますが意味合いが全く異なりますので、その違いについて理解をしておく必要があります。

ARRとは「Annual Recurring Revenue」の頭文字をとった略語で、日本語にすると「年次経常収益」です。MRRは「月次」、ARRは「年次」ですので計算上、MRRの12倍の数値がARRになります。

全く意味が違うことはありませんが、計算上ややこしくなりがちな言葉です。ARRは年間契約が結ばれることが多いBtoB関連のSaaSビジネスによく使われる用語です。

なぜ投資家が注視するのか

先ほど「MRRは投資家が注目している」と解説しましたが、なぜMRRが投資家に注目されているのでしょうか。

結論からいうと、事業の成長性を判定できるからです。そもそもサブスクビジネスのような「定期課金型」のビジネスが資金調達をしやすい理由は、ビジネスの将来性や安定性が数値として見やすいからです。

MRRは毎月固定で生まれる売上ですので、単発で売上を作っているビジネスよりも安定しています。

SaaSビジネスを扱う投資家たちは、以下の3点を重視するといわれています。

  • 成長性
  • 効率性
  • 継続性

MRRは以上の3点を全て網羅しているため、投資家に注目されるといえるでしょう。

中でも成長性は、投資家がもっとも重視する指標です。

MRRの種類は

さて、MRRは全部で4種類あることをご存知でしょうか。ここでは、4種類のMRRについて詳しく解説します。

新規MRR

まずは、新規MRRです。

新規MRRは「新規顧客によるMRR」のことをいいます。例えば、新規顧客100人が月額課金1,000円のプランに加入した場合、新規MRRは100,000円という計算になります。

あくまで新規顧客によるMRRであり、既存顧客によるMRRではありません。スタートアップ企業やこれからサービスを展開していこう!と考えている企業が注目すべきMRRが新規MRRになります。

ダウングレードMRR

次は、ダウングレードMRRです。

ダウングレードMRRは「上位プランから下位プランへのダウングレードにより前月より月額課金額が減少した既存顧客によるMRR」のことをいいます。

日本語では「減少MRR」と呼ばれることもあり、ダウングレードMRRはなるべく数値として発生させないようにすべきです。

例えば、ユーザーAが月額課金50,000円のプランから月額課金40,000円のプランに変更した場合の、ダウングレードMRRは10,000円です。

ダウングレードした人数が増えれば増えるほどダウングレードMRRはどんどん拡大していきますので、なんとかしてダウングレードさせる既存顧客を減らさなければなりません。

エクスパンションMRR

次は、エクスパンションMRRです。

エクスパンションMRRは先ほどのダウングレードMRRの逆で「下位プランから上位プランへのアップグレードにより前月より月額課金額が増加した既存顧客によるMRR」のことをいいます。

日本語では「拡大MRR」と呼ばれることもあり、エクスパンションMRRはなるべく数値として発生させる方向へ事業拡大を考えるべきです。

例えば、ユーザーAが月額課金40,000円のプランから月額課金50,000円のプランに変更した場合の、エクスパンションMRRは10,000円です。

アップグレードさせればさせるほどエクスパンションMRRの数値は上昇していきますので、なるべく既存顧客にアップグレードを進めるのが鉄則です。

チャーンMRR

次は、チャーンMRRです。

チャーンMRRは「当月にサービス解約した顧客によるMRR」のことです。チャーンMRRは日本語で「解約MRR」と呼ばれることもあり、この数値はなるべく大きくしないほうが得策です。

例えば、3人の顧客が月額課金10,000円のプランを解約したとすると、チャーンMRRは30,000円になります。この数値はダウングレードMRR同様に小さければ小さいほど事業としては成功している証明になります。

HubSpotでMRRを管理する方法とは?

さて、ここまでMRRについて解説しました。

MRRはサブスクリプション収益の成長性を確かめる上で欠かせない指標であり、MRRなしでは投資家に説明がつきません。そんなMRRをHubSpotで管理する方法を解説します。

1.収益アナリティクスを用いる

まずは、収益アナリティクスを用いる方法です。

手順は、以下のとおり。

  1. HubSpotを開く
  2. 「収益アナリティクス(分析)をクリックする

画面を開くと収益アナリティクス(分析)の経常収益などを確かめられます。

 収益アナリティクスを有効にすると、取引オブジェクトに「新規の経常収益」「既存の経常収益」「喪失した経常収益」というプロパティが追加されるので、これらを埋めるだけでMRR管理が可能です。

ちなみに、このデータを用いるためには以下のポイントを押さえておく必要があります。

  1. 取引ごとにMRRを管理できる
  2. 各取引のサブスクリプションの新規・更新(アップグレード/ダウングレード)・解約をトラッキングし、事業全体のMRRの推移を自動でレポートしてくれる
  3. 収益アナリティクスを有効にするには、「Sales Hub Enterprise」もしくは「Service Hub Enterprise」の契約が必要

2.商品項目を用いる

続いて、商品項目を用いる方法です。

手順は、次のとおりです。

  1. HubSpotを開く
  2. 「商品項目」から絞り込む

ここでのポイントは以下の通りです。

  1. ひとつの取引において、定額課金や月額課金などの複数のサブスクリプションサービスが関連する場合、商品項目を用いることでサービスごとの収益管理を行うとともに、複数のサービスをひとつの取引に紐づけ、管理ができる
  2. 取引の「月間経常収益プロパティ」には、取引に関連付けられた複数のサブスクリプションサービスのMRRの合計が表示される
  3. 事業全体のMRRの推移を分析するには、「3.Google スプレッドシートを用いたMRR管理」が必要
  4. 商品項目は、HubSpotのすべての製品とプランで利用可能

3.Googleスプレッドシートを用いる

次は、Googleスプレッドシートを用いる方法です。

まずは、各取引の情報をワークフローを用いてGoogle スプレッドシートに出力し、Google スプレッドシート上で事業全体のMRR分析を行う

なお、ワークフローを用いるので、「Sales Hub Professional」もしくは、「Marketing hub Professional」以上のプランが必須です。

HubSpotの取引オブジェクトに以下のプロパティを追加します。

  1. 月額受注額(商品項目を用いる場合は「月間経常収益プロパティ」でOK)
  2. 契約期間(月)
  3. 契約開始月(クローズ日を用いることも可)


次にGoogle スプレッドシートを作成し、エクスポート先のシートに下記の列を作成しましょう。

  • 取引ID
  • 取引名
  • 月額受注額
  • 契約期間(月)
  • 契約開始月


ワークフローを新規作成しトリガーや、MRR管理の対象とする取引を絞り込みたい場合は、If/Then分岐を使います。

次に、ワークフローにアクションを追加し、下記のように構成してください。

  1. アクション「Googleスプレッドシート上のデータを更新」を追加
  2. エクスポート先のスプレッドシート・シート名を選択し、取引IDをキーにして更新・新規作成するように設定


3.続いて、更新する列として、HubSpotのプロパティとシートの列のマッピングを作る


ワークフロー全体図



上記のワークフローを用いてGoogle スプレッドシートにエクスポートすると下記のようになります。

なお、契約開始月はdate型のプロパティであるため、エクスポートするとシリアル値で出力される点は注意が必要です。


上記のエクスポートデータをもとに、取引ごとのMRR管理テーブルを作れます。


さらに上記テーブルをもとにグラフ化することで、事業全体の月ごとのMRRについて視覚的にわかりやすいレポートを作れるのでおすすめです。


ここまでの解説で使用したGoogle スプレッドシートのサンプルをご用意しました。下記のURLからアクセスして、コピーしてご自由にお使いください。


スプレッドシートのサンプル:https://docs.google.com/spreadsheets/d/1RWCXxoBGZtxw9JrxdYS0ttgBHfOiv6fmj0Jl5-3p8MQ/edit?usp=sharing

MRRを管理してサブスクリプション収益を効率的に伸ばそう

さて、以上がMRRについての解説です。

MRRを使えば、月額課金や定額課金があるビジネスの成長度合いを効率的に把握できますし、投資家への説明が容易になります。ぜひMRRを導入して効率的にサブスクリプション収益を伸ばしてくださいね。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

松永創 FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。