営業活動の評価基準はどう決める?評価方法やツールを解説

2021.06.01

2021.07.15

営業DXコラム

営業パーソンは自分の価値がどうやって決まるのか、非常に気になります。

達成率、勤務態度、周囲からの360度評価など、評価基準はさまざまです。営業パーソンが正しく評価されることは自信につながりますし、会社としても売上に貢献してくれる重要なメンバーが気持ち良く働けることはメリットになります。

ただし、基準を明確にし、正しく評価することは簡単ではありません。本記事では営業パーソンを正しく評価する考え方を紹介し、社員と会社のエンゲージメントを高めるためのポイントをお伝えいたします。

営業における評価基準の明確化は必要?メリットを解説

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会社にとってのメリット

会社が評価基準を明確化することで、何よりもまず、自社の売上や利益に貢献する優秀な人材の基準を設定することができます。

これまで活躍してきた社員の能力を振り返り抽出した際、対人能力に優れている、とにかく活動量が多い、勤務態度が真面目、クロージング力が強い、など共通点があるはずです。

会社での評価基準は、学校で言うところの通知表になります。この項目をクリアしてくれる人材は、自社にとって相応しい人材、活躍できる人材です、というメッセージにもなります。

これは営業パーソンに対するメッセージだけでなく、今後優秀な営業を育成する際にも非常に重要な基準となるのです。

優秀なメンバーの流出を防げる

正しい評価基準を設け、適切に社員を評価することは、社員のモチベーションの維持向上につながります。会社は慈善団体や公益法人ではなく、営利企業です。優秀な社員を会社が大事にすることは当然のことです。

社員は、仮に就職した会社が合わない場合、転職を選択できますし、他の会社を選ぶ権利があります。会社としても評価基準を設けることで、自社に貢献してくれる優秀な人材、活躍できる人材を呼び込むことができますし、社員としてできるだけ長く働いてほしい人材に手厚いフォローができ、研修や育成もできます

このように評価基準を設けることで、優秀なメンバーの流出を防ぐ対策ができます。それが評価基準を設定するメリットの一つといえるでしょう。

人材の適正配置

営業パーソンとしてなかなか結果がでない期間が続く場合、その社員は営業に向いていない可能性があります。

営業は何とかして結果を出そうと努力するものですが、適正な評価基準などの判断材料があれば、人事や上司から営業以外の配置転換を打診することができるでしょう。

例え結果が出なくとも、常日頃ひたむきで真面目、努力を厭わない、しかしながら営業の結果が出ない、という社員であれば、上司や人事はその社員の能力を活かせるようサポートする義務があり、会社にとって有効な一手を打てるはずです。

メンバーにとってのメリット

メンバーにとってもメリットがあります。入社はしたものの、会社が評価するポイントと自分の強みに乖離があれば、努力で埋まるのか、それとも努力では解決できないかで、その後の動き方が変わってくるはずです。

会社の評価基準を自身の努力でクリアできれば、そのまま働き続け、昇進を目指すという選択も取れます

営業マンとしてのスキルアップにつながる

営業パーソンにとって、会社にどのように貢献すると評価されるのか、という評価軸ができます。

よほど独特な評価基準を設けている会社でない限り、評価基準は営業パーソンとして普遍性のある基準になります。すなわち、その評価基準を満たすよう日々努力することは、自身のスキルアップにつながり、長期的にはキャリアアップにもつながります

会社に評価されるための働き方が分かることで、営業パーソンという観点に加え、ビジネスパーソンとしての立ち振る舞い、顧客との折衝の仕方、社内の人との関係維持という点で、プラスに働くような確かな基準が確立し、営業パーソンとしての価値向上につながります。

会社からの評価を認識できる

いくら自身が努力しても、その努力が会社から評価されないと、本人としては意味がありません。会社からの明確な評価基準は、自社が会社と同じ方向を向いているかの物差しになります。

これは営業パーソンの価値観にもつながります。

例えば協調性を重んじるのか、一匹狼でもいいので結果を出すことが評価されるのか、会社によって評価軸が異なります。

自身が思う価値観と会社が重きを置く価値観に乖離がある場合、双方にとってメリットがないため、営業パーソンは部門変更や役職の変更、あるいは転職することも前向きに検討できるようになります。

営業に関する評価基準とは

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営業パーソンを正当に評価することはとても難しいです。なぜならば完全に同じ条件で営業を行うことはできないからです。

営業担当者や顧客、タイミングや感情など全てが異なるため、商材が同じでも平等に評価することはできません。

ただし、それらの条件を踏まえて一定の基準を満たしているかを判断するしかありません。ではその評価基準にはどういったものがあるのでしょうか。

定量的評価

もっともわかりやすい基準は目標数値などの定量的な基準です。

目標設定として自他共に認められ、評価基準が明確なため、数字が評価対象になる営業にとって、大きな基準の一つになります。

契約金額

営業は売上目標を一人一人が背負います。月間、四半期、年間など、それぞれの期間で達成すべき目標数値がありますが、その中でも契約金額は極めて明確です。

実際に会社にどのくらいの売上となる契約を勝ち取ったか、この契約金額が営業を評価する最大の基準となるでしょう。

取引金額、システム契約金額、商品の売上総額などがあり、契約金額が大きければ大きいほど、会社へのダイレクトな貢献度として評価する会社もあります。

契約件数

同様に契約件数も数ある評価基準の一つです。契約件数が評価基準の大部分を占める場合、例えば商材の単価が一つ、あるいは数種類しかない場合が挙げられます。

例えば、クレジットカードの新規契約件数や、証券口座の開設件数、商品の販売個数などです。

活動量

実際に契約に直結するKPIばかりが評価基準になる会社ばかりではありません。営業パーソンであれば、活動量や訪問件数、電話件数など、契約に直接関係するKPIではなくても、間接的な活動量が評価基準になる場合があります

これは、活動量を重視し、営業活動の手数を増やすことで、成約率が低くても結果的に契約金額や契約件数の達成につながる可能性があるため、評価基準の一つになります。

定性的評価

目に見える数値的な評価基準に対し、決して数値では測れないですが重要な評価基準の一つとして、定性的評価があります。

また、営業パーソンであっても、目標の達成度合いについてボーナスやインセンティブ設計がない会社があります。その際に定量的評価より、この定性的評価を重要視している会社も少なからずあります。

仕事への取り組む姿勢

契約金額や件数など目に見えて結果が出ることが重要視される一方、いつも同じように自分のやるべき業務をこなし、真面目に取り組む姿勢を評価基準にしている会社もあります。

  • 時間厳守
  • 真面目な勤務態度
  • 与えられたタスクを期日までに仕上げる
  • 会議で議事録を取り、よく発言をする
  • 行事に参加する
  • 営業ツールに毎日活動記録を残す

上記だけ見るとまるで学校のようですが、会社も学校同様、集団行動が重要で、周りに迷惑をかけず、与えられた業務を確実にこなす人が評価される場合があります。

会社と学校は違いますが、業務へ真面目に取り組む姿勢は、上司から見ればその人への信頼につながる評価となるのも頷けます。

360度評価

360度評価は周囲の人と仕事をうまく進められるか、周囲からどう評価されているか、様々な観点から見極める点で活用されます。

上司、同僚、部下といった普段から接しているメンバーに加え、用件がある場合にのみやりとりをする他部門のメンバーまで、程度の差はあれど、一緒に働いている多くのメンバーからさまざまな視点で対象の営業パーソンを評価します。

定性的ではありますが、働きぶりを目にしている社員からの直接の評価であり、非常に参考になる基準の一つです。

会社によって項目は多岐に渡りますが、5〜10段階評価や点数をつける場合もあります。

  1. 周囲のメンバーと関係が良好か
  2. 上司として相応しいか
  3. 改善すべきポイント
  4. 参考にすべきポイント
  5. 評価コメント

上記の評価軸は定性的評価のほんの一部に過ぎませんし、無論人が判断する手前、主観的であり明確な評価基準ではありません。ただし、普段から一緒に仕事をしている身近な人が評価し、コメントを残すことで、生々しい声として参考となるでしょう。

その他

顧客満足度(CS)

営業パーソンであれば、自身の担当顧客から評価を受けることは非常に重要です。何でもかんでも御用聞きのように振る舞う必要はなく、本来であれば、多少耳が痛いことでも顧客に対して言える方が顧客のためになります。

そのように会社対会社といえど、担当している顧客からアンケートなどを通じ、顧客満足度を集計することで、営業パーソンの評価とすることもできるでしょう。

基本的に社内で周囲の人とうまく関係を築ける人は顧客に対しても粗相なく良好な関係を築けます。定期的にお客様からの評価をいただくことは、営業担当にとっても良い緊張感を保てますし、自身を振り返る上での重要な基準となります。

社外活動

ボランティアや外部のイベントに社を代表して参加し、活動することも会社のPR活動という観点で評価の対象となります。営業成績とは別ですが、会社に貢献したという点では評価基準の一つになるでしょう。

社外活動でも、自身の活動で会社がより認知されるようになり、リード獲得につながっていると評価されることもあるでしょう。

営業メンバーを適切に評価するために重視すべき点

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上司や同僚との普段の信頼関係

営業メンバーは常に評価されます。それがわかっていても、やはり人から評価されるということは感情面でも不安になることもあります。評価によって昇進や給与が決まるのであれば尚更です。

したがって、前提として評価する上司や同僚といい関係を築き、信頼関係を構築している必要があります。

信頼関係は一朝一夕では築けません。普段からの働きぶりや、仕事への態度、顧客に向き合う真摯な思いなど、営業メンバーがどういった行動をとっているかを見届け、アドバイスを行い、伴走しながら信頼関係を一つひとつ築いていきましょう

信頼関係があれば、人は素直になれますし、アドバイスを真摯に受け止められます。自分のことをよく知らず、何について悩んでいるかも理解していない人から、的を得ていないコメントをされても耳を傾けることはできません。

営業マン本人が感じる評価への納得感

信頼関係に関連することですが、営業メンバーが納得感を感じることも重要です。

結果的に営業メンバーへの評価がポジティブなものでなかったとしても、いつも面倒を見てくれ、アドバイスをしてくれた人からの評価であれば納得感があります。

この納得感は非常に大事で、自身の生活に関わる決断を信頼関係のある人に下されるからこそ、「もっと成長しよう、頑張ろう、恩返しをしよう」と思えるものです。

何も自分のことを理解していない人からの評価に納得感を感じることなどできるはずがありません。

納得感は自身の行動を改善する際にも、成長を促す源泉になります。自身の弱点や直すべきポイントが納得できていれば、それを分かった上で前向きな行動を取ることができるようになります。

評価した後のフォロー

評価は自分への成績表であり、シンプルな自分に対する点数であり、客観的な事実です。時に残酷と感じるかもしれませんが、向き合うべき重要な瞬間でもあります。

評価すること自体は重要なことですが、より重要なのは、評価を下した後のフォローやフィードバックです。評価は仕事に対する結果であり、無論人格を傷つけるようなことがあってはなりません。

ポジティブな評価をうけた営業メンバーに対しては褒めるだけでなく、もっと結果を出すよう発破をかけることもあるかもしれませんが、メッセージの伝え方には細心の注意を払うことは大前提です。

一方で結果が出なかったメンバーに対しては、どうしたら次の評価では良い結果を出せるか寄り添い、建設的で生産的なフィードバックが必要です。間違った努力をしているのであれば正しい努力をするよう導いたり、改善ポイントがあれば、評価できるポイントと交互に織り交ぜながら伝えましょう。

評価を受けた次の瞬間からモチベーションが上がるようなコーチングをする必要もあります。

人によって受け止め方も違いますので、信頼関係のある上司が営業メンバー一人ひとりの性格を分かった上で、ポジティブな行動に移せるようなフォローを行いましょう。

評価は良くても悪くても、営業メンバーの成長につながるフィードバックである必要があり、それは営業メンバーのためになるだけでなく、結果的に会社の売上や利益につながるという理解を忘れないようにしましょう。

営業メンバーの実績管理にはツールを使うべき

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SFAやCRMを使うべき理由

顧客管理ツールであるCRMや営業支援ツールであるSFAは対顧客だけでなく、社内の営業メンバーの実績管理を行う上でも価値があります。

CRMやSFAは、営業メンバーの視点からすると、日々の営業活動を記録し、成約率向上につながる助けとなるツールです。営業が毎日どのお客様を訪問し、何回電話しているか、どんな内容の提案書を作成しているかをデータ上に残すことができ、上司は営業メンバーの活動記録をツールを通してつぶさにチェックできます。

つまり正しく入力されていれば、上司は営業メンバーが何をしているか直接話をしなくとも把握できるのです。

SFAは、細かく記録しようと思えばいくらでも細かく記録できます。例えば電話をしたがつながらなかった、つながらなかったから留守電にXXXとメッセージを残した、という情報から、提案内容のアウトラインをチャット機能やメモ機能で残し共有できる状態にし、自分の提案の思考プロセスを周囲のメンバーに知らせることもできます。

つまり、営業メンバーが細かくSFAを記録してくれれば、上司が適切にアドバイスできるチャンスがあり、営業メンバーも会社が契約しているSFAツールをタイムリーに更新することで、会社の意向に従って真面目に働いていることをアピールできるのです。

SFAやCRMツールは顧客、上司、営業メンバーにとってそれぞれメリットしかありません。

  • 顧客:いい提案を受けられる
  • 上司:営業メンバーの考えや行動がわかるため、アドバイスしやすく成約につながる。数字や見込み管理がしやすい
  • 営業メンバー:上司や周囲のサポートを得やすい。修正があれば意見を求めやすい。他のメンバーの意見やアプローチの仕方をツールを通して学べるため成長が早い

CRMやSFAはそれ自体に多くのメリットがありますが、営業メンバーの実績管理という観点からも大いに役立つでしょう。

参考:自社の営業を劇的に効率化する6つの方法

具体的にどんなツールがある?

SFAやCRMをどんな企業が提供しているか、参考までにご紹介したいと思います。ツールを提供する企業は何十社もあり、良し悪しは会社によって判断が分かれるところです。そんな中でも、導入企業数が圧倒的に多い2社をご紹介します。

Hubspot

HubSpot CRMは、全世界120カ国の約8万社に導入されているCRM(顧客管理)ツールです。Hubspotの特徴は、「はじめてみる」という点において非常にハードルが低く、無償版からの利用が可能な点です。

無償と聞くと基本機能だけと思っている方もいると思いますが、そんなことはありません。無償版でも基本的な機能以上のスペックが備わっており、CRM、SFA、MAなど幅広い領域で無償利用が可能です。

無償版を使いこなし、物足りないというレベルになれば有償版の利用を検討できますので、日々の業務を効率化できる便利ツールとして活用できるでしょう。

企業と共に成長するプラットフォーム

Salesforce Sales Cloud

全世界15万社が利用しているトップシェアのSFAです。商談管理、顧客管理、行動履歴管理、分析機能、レポート機能など、営業活動に必要なあらゆる機能がクラウドサービスとして提供されています。

高機能であるため、使いこなすことを見据えて体制を組まないと、せっかくのツールも活かされないまま終わる可能性があります。使いこなせるとこれ以上ない力を発揮しますので、十分に検討した上で利用されることをお勧めします。

デジタル営業を成長へと導くNo.1 CRM・SFAプラットフォーム

参考:【SFA比較】主な営業支援ツール(SFA)の特長と違いを解説

まとめ:営業メンバーの評価基準を最適化しよう

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営業メンバーの評価基準一つをとっても、これはデータ活用の領域になります。

顧客管理や顧客へのアプローチだけでなく、社内の営業メンバーの評価をする際にも、データを元に合理性のある判断が必要であり、合理的かつ納得感のある判断を下すためには、データを貯めて活用する環境が必要です。

本記事では営業メンバーの評価基準について会社、メンバーそれぞれの立場から始まり、メリットや評価方法に至るまで触れてきました。

デジタル化やDXというワードを耳にするようになっていますが、営業におけるデータ活用や、営業活動の効率化は、実現できれば企業の成長にとって大きな役割を果たします。一方でデータ活用や効率化については様々な知見や経験が必要となり、実現は簡単ではありません。

営業DX.jpであれば、豊富なノウハウや確かな実績がありますので、必ず貴社に役立つ情報をご提供できると自負しています。

営業の評価基準の最適化に少しでも疑問やお悩みがあれば、まずはお気軽にお問い合わせいただき、貴社の状況をお話しいただく場を設定できれば幸いです。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。