【SFA比較】主な営業支援ツール(SFA)の特長と違いを解説

2021.01.05

2021.07.15

営業DXツール

営業支援ツールSFAでできること

SFAは日本語では、営業支援ツールや営業支援システムと訳されるサービス/アプリケーションです。企業の営業活動における情報全般をデータとして管理するソリューションで、基本となる機能は、顧客管理、営業プロセスに応じた商談案件の進捗管理、営業活動のスケジュール、履歴管理、メール送信機能、契約管理、受注管理などです。その他に、これらを視覚化するレポート・分析機能や、ビジネスチャットなどのコミュニケーション機能が組み込まれています。

また、営業担当者が顧客との商談内容や進捗フェーズ、受注、失注といった活動をSFAに入力することでデータが蓄積され、売上のヨミや失注原因の追求、受注までの平均日数といった分析ができるようになります。そのため、営業成果の拡大と業務効率化を求めて導入する企業が増えてきているのが実状です。

SFAにおける顧客管理はCRM(顧客管理システム)とデータ連携する機能を備えているものが多く、企業にとって基幹となる顧客情報が複数のシステムに分散せず一元的に管理できるように配慮されています。

SFAとCRMの違い

営業支援ツールと並んでよく登場するのがCRM(顧客管理システム)です。CRMはCustomer Relationship Management の頭文字をとったもの。一方SFAはSales Force Automation の略語です。Automationが示すとおりSFAは営業活動を自動化するためのソリューションというニュアンスです。

どちらも顧客情報の管理を主体としますが、CRMは顧客と関係を持つ開発部門やマーケティング部門、カスタマーサポート部門など複数の部門が情報を取得し、戦略を立てられるように一元化したデータベースと関連機能を備えているのが特徴です。それに対して、SFAはセールス業務を効率化/自動化することを主目的とした機能が搭載されています。

しかし、最近では両者の差はあまりなくなり、CRM/SFAとひとくくりに語られることも多くなっています。前述したとおり顧客情報は企業の基幹データなので、どちらを使うにしても顧客情報が一元化されていることが大切です。

SFAの選び方と比較ポイント

SFAで何を実現したいのかを明確にする

SFAに限りませんが、業務システムを導入するには必ず目的を明確にする必要があります。SFAは多くの機能を備えており、サービスによって特長や強みが異なります。導入目的を明確にしておかないと、「どの機能も魅力的に映りあれもこれも…」と要件を盛り込みすぎて、複雑な仕様になったり、構築費用がかさんだりしてしまいます。

また、SFAは営業担当者が情報を入力しなければ、全く意味をなしません。要件の盛り込みすぎから入力項目が増えてしまい、現場から敬遠されて結局定着しなかったという失敗例もよく耳にします。最初のSFA選びは必要最低限かつ、骨太・シンプルな要件で始めることをおすすめします。

営業と連携する部門との調整

営業案件は、見込み客の獲得から既存顧客の再注文に至るまでの長いコミュニケーションの中で発生します。SFAは営業部門が主に活用するシステムですが、顧客との関わりを持つ、マーケティング部門やカスタマーサクセス部門にも影響を及ぼします。

特にマーケティング業務では、見込み客を効率よく獲得するためにMA(Marketing Automation)を導入する企業が近年増えてきました。MAとSFAは顧客データを同期させておかないと効果が半減してしまいます。マーケティング部門で将来的にMA導入を検討しているなどの社内事情があれば、SFA導入の際に組織内で合意形成を行う必要があるでしょう。

SFA構築時の初期費用と運用費用の確認

SFAを導入する際にかかる費用は、大きく初期費用と運用費用に分けられます。SFAはサービス/製品を購入すればすぐに使えるわけではありませんので、既存の顧客データや営業管理方法をSFAに置き換えるためのデータベースのカスタマイズや、入力/参照画面の作成といった構築が必要です。これにかかる費用が初期費用です。多くのSFAメーカーは導入時の構築を支援するパートナーシステムを持っていますので、金額はSFAメーカーに相談してみてください。

運用費用はSFAを利用するために支払う料金です。クラウドサービス型SFAでは、月額や年額で一定料金を支払うサブスクリプション型が主流です。料金プランはSFA各社で異なり、機能によって料金が変わるものや管理するデータの量、利用するユーザー数によって変わるものなど様々です。

注意したい点は、一般的にSFAは運用が企業内に定着するにしたがって利用料が上がるということです。ユーザー数や顧客数が増えてSFA本体の利用料が上がるだけでなく、プラグインの導入やデータ連携した他のサービスの費用といった金額が加算されることが多いからです。導入時の運用費用のまま何年も使い続けられるわけではないので、3年後、5年後の区切りで費用対効果に応じたプランの切り替えや見直しをあらかじめ計画しておくとよいでしょう。

周辺システムとの連携性を考慮してSFAを選ぶ

SFAは顧客管理を主体とする基幹システムであるため、既存の顧客DBとの連携だけでなく、周辺業務を管理するサービスとのデータ連携ができるかどうかもSFA選びの重要なポイントになります。例としてはマーケティングオートメーションや、サポート管理システム、財務・会計システム、生産管理システムとの連携などが挙げられます。

ユーザーサポートとコミュニティが充実しているSFAを選ぶ

経営層がSFAに期待するのは、営業実績の拡大にほかなりませんが、そのためには現場の業務担当者がSFAを使いこなして活用を広げてくれなければなりません。実は、活用を促進する最も効果的な方法は、仲間と共通の課題を共有し解決策を一緒に模索することです。

社内にSFAを定着・活用させるという視点では、ユーザーコミュニティが活発なSFAや、カスタマーサクセスが充実しているSFAを選ぶのも一つの考え方です。

国内外の主要SFA6選を比較

Salesforce Sales Cloud|基幹システムとして使える柔軟なカスタマイズと高度な機能

特長:

全世界15万社が利用しているトップシェアのSFA。商談管理、顧客管理、行動履歴管理、分析機能、レポート機能など営業活動に必要なあらゆる機能がクラウドサービスとして提供されています。高機能すぎるため、スタートアップやスモールビジネスにはオーバースペックの場合もあります。

機能拡張性:

カスタマイズ性は抜群でAPIも豊富です。取引先、取引先担当者、商談を管理する機能は標準で組み込まれていますが、ほぼノーコードで追加・変更といったカスタマイズが可能です。さらにVisualforce という独自のフレームワークも用意されているので、高度な変更要求にも応えられます。また、Sandboxというテスト環境も用意されているため、開発者にとって使いやすいSFAです。

関連サービス・プラグイン:

AppExchangeというマーケットプレイスでは、サードパーティによるSalesforceの機能を拡張するプラグインや、連携サービスが多数登録されています。

学習環境・コミュニティ

Trailheadと呼ばれるユーザー向け学習コンテンツが用意されています。Trailheadは開発者やユーザー、アナリストなどの職種とレベルに応じた数百の学習単元があり、解説とチャレンジ問題で構成されています。単元をクリアすると「バッジ」が付与されるなど楽しくSalesforceを学習できるよう工夫されています。また、ユーザーコミュニティの場としては、Trailblazer(トレイルブレイザー)があり、勉強会や交流イベントが開催されています。

モバイルアプリ:

あり。iOS、Android

料金プラン・価格:

機能とユーザー数に応じて、複数の料金プランが用意されています。1ユーザーあたりの月額利用料は3,000円〜36,000円。

SalesCloud公式ページ
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/

Microsoft Dynamics 365|オフィス製品との融合やデータ連携の柔軟性があるCRM/SFA

特長:

Dynamics 365は、マイクロソフト社が提供するビジネスプラットフォームです。Sales(CRM)を中心とし、Marketing、Customer Service、Field Service、Finance(財務管理)、Commerce(販売管理)Human Resources(人材管理)といったアプリケーションが統合されています。それぞれのアプリは単体で購入することもできます。

マイクロソフト社の製品なのでOutlookとの親和性がとても高く、メールやカレンダー、連絡先がシームレスに利用できます。その他のマイクロソフト製品群との連携性も高いので、マイクロソフト製品を融合させてビジネス全体の管理を行いたい企業や、マイクロソフト技術者が豊富にいる企業に適したCRMでしょう。

機能拡張性:

Power platformと呼ばれるローコードの開発基盤(別途契約)により、Dynamics 365のアプリの柔軟なカスタマイズや、ほかサービスとの連携、BIを使った分析機能の組み込みが自由に行えます。マイクロソフト技術を持ったエンジニアには馴染みやすい環境です。

関連サービス・プラグイン:

Salesforceのようなプラグインマーケットはありませんが、開発者がプラグインを作成することはできます。

学習環境・コミュニティ:

SalesforceのTrailheadとよく似た「Microsoft LEARN」と呼ばれるユーザー向けの学習コンテンツがあるので、役割や製品単位で自分に必要な単元を検索学習できます。ただし、マイクロソフト製品はサーバーから開発ツールまで非常に幅が広いので、「セールス」に特化した情報を深く求めたい場合は、少し物足りないかもしれません。どちらかというと技術者向けの印象です。

モバイルアプリ:

あり。iOS、Android

料金プラン・価格:

Dynamics365のユーザーライセンスは、フルユーザーとライトユーザーの2種類があり、利用できる機能および料金が異なります。フルユーザーは月額7,070円〜。

公式ページ
https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/

HubSpot|ユーザー数無制限でずっと無料で使えるCRM

特長:

インバウンドマーケティングを提唱する米国のHubSpot社が開発・販売するCRM/SFA。顧客管理(CRM)を中心として、マーケティングツール、セールスツール、サービスツールが一体化したクラウドサービスです。最大の特長は、基本機能がユーザー数無制限で無料でずっと利用できることと、営業部門、マーケティング部門、カスタマーサポート/カスタマーサクセス部門が同じツールを利用できることです。シンプルな画面ですがとても高機能で、ヘルプやドキュメント、関連サービスの情報などもHubSpotサービス内で完結するように作られています。まだ顧客管理システムを使ったことがない企業や、新設したばかりの事業部で使うには最適なツールといえます。

機能拡張性:

Hubと呼ばれる有償版を契約すると、無料ツールではできない高度な機能を実現できます。また、独自の業務データを管理するためのカスタムオブジェクトの作成も可能です。

関連サービス・プラグイン:

SalesforceのAppExchangeと類似した、HubSpotユーザー専用のアプリマーケットプレイスがあります。非常に多くの連携サービスや機能がカテゴリで分類されており、ユーザーの口コミ評価も確認できるエコシステムです。HubSpotと一体化しているので、拡張機能を数クリックで簡単にインストールできます。ただ、残念ながら日本のサービスは少ないようです。

学習環境・コミュニティ:

HubSpotの機能を使う中で、使い方のガイドとなるコンテンツや動画が表示されるので、初めて使う機能でも自然に学習できるようになっています。また、ユーザー向けに「HubSpotアカデミー」という無料のオンライントレーニングコンテンツがありますが、日本語化されているものは少ないようです。日本のHubSpotユーザー向けには日本語で質問したり、回答したりできるコミュニティがあります。

モバイルアプリ:

あり。iOS、Android

料金プラン・価格:

基本のCRM機能はユーザー数、データ量無制限で永続無料。有償版はMarketing Hub、Sales Hub、Service Hub、CMS Hubがあり、機能におうじてStarer、Professional、Enterprise のプランがある。Sales Hub Professionalプランは1組織(ドメイン)年額60,000円。

公式ページ
https://www.hubspot.jp/

Knowledge Suite|日本式の業務管理に適した機能を備えた国産のSFA

特長:

ナレッジスイート株式会社が開発・販売する日本のソリューションです。グループウエア(GRIDYグループウエア)とSFA(GRIDY SFA)が一体化したクラウドサービスです。営業支援ツールの「GRIDY SFA」は顧客管理、商談管理、商品管理、営業活動管理、集計分析機能が搭載されています。顧客情報と毎日の営業報告を入力するだけで、商談管理から分析までを行えます。ユーザーレビューでは、日本の営業スタイルに沿って直感的に利用できるコスパの良いシンプルなSFAという評価です。

機能拡張性:

顧客や顧客担当者、商談、商品などのデータベースに項目を追加したり項目名を変更したりすることが可能ですが、独自のデータ管理のためのカスタムオブジェクトの作成などはできません。「Knowledge Suite API」がオプションとして提供されているので、他システムやサービスとのデータ連携は可能です。

関連サービス・プラグイン:

ナレッジスイート社が提供する「GRIDY 名刺CRM」やケース管理「GIRDY CENTER」、顧客フォローを自動化する「GRIDYグループウエアメールビーコン」などがあります。SalesforceやHubSpotのような、サードパーティ製のプラグインやサービスを扱うマーケットプレイスはありません。

学習環境・コミュニティ:

ユーザーサポートサイトにオンラインマニュアルやFAQ、トレーニング動画が公開されているほか、導入支援サービス(有償)で管理者向けトレーニングやユーザー向けトレーニングが提供されています。

モバイルアプリ:

あり。iOS、Android

料金プラン・価格

GRIDY SFAには、「SFAスタンダード」と「SFAプロフェッショナル」という2つの料金プランがあります。どちらもGRIDYグループウエアが利用できます。SFAスタンダードはユーザー数無制限で月額50,000円。

公式サイト
https://ksj.co.jp/knowledgesuite/service/sfa.html

Zoho CRM|SFA機能のほか、マーケティングシナリオの自動化も可能

特長:

Advent Network Manegementという企業名で設立され、2009年にZOHO Corporationへ社名変更した米国企業のクラウドサービス。顧客管理、商談管理、パイプライン管理、分析など営業マネジメントのほか、MA機能によるシナリオの自動化と、AIによる分析・予測機能が搭載されていることが大きな特長です。どちらかというとマーケティングよりの機能に力を入れているSFAです。

機能拡張性:

Zoho CRMは、画面レイアウトやデータベース項目の追加、組織設定、個人設定のカスタマイズなどの細かい設定を、企業の業務ルールに合わせて変更できます。また取引先の担当者を複数紐付けられるなど、データ同士の関連付け(ルックアップ)も行えます。

関連サービス・プラグイン:

Zohoユーザー向けのマーケットプレイスで、関連サービスやプラグインをインストールできます。(英語サイトのみ)。

学習環境・コミュニティ:

ヘルプサイトに日本語のナレッジベースがあります。またZoho CRMの管理者向けオンライントレーニングやウェビナーが定期的に開催されています。日本のZohoユーザー同士が交流できるコミュニティもあります。

モバイルアプリ:

あり

料金プラン・価格:

機能に応じてスタンダード、プロフェッショナル、エンタープライズ、アルティメットの4つの料金プランがあります。エンタープライズは月額4,200円/1ユーザー。

公式サイト
https://www.zoho.com/jp/crm/

Senses|カンバン形式のUIで案件の進捗管理が直感的にできるSFA

特長:

株式会社マツリカが開発・販売する国産のクラウドサービス型SFA。カード型の案件管理の使いやすさに定評があります。営業業務の作業負荷をなるべく下げるよう設計されていて、取引先に関するさまざまな情報をSenses内のデータベースから自動取得したり、受注予測にAIを利用したりできます。また、MFクラウドとデータ連携機能があり、Sensesの受注案件からMFクラウドの請求書の発行が可能です。

機能拡張性:

GoogleカレンダーやMicrosoft Teams、ChatWork、Slack、Marketo、SanSanなどと連携が可能。また、独自のデータ管理のためのカスタムオブジェクト作成機能がβ版として提供されています。

関連サービス・プラグイン:

サードパーティ製のプラグインやサービスを扱うマーケットプレイスはありません。

学習環境・コミュニティ:

オンラインマニュアルにスタートアップガイドや活用Tipsがあります。オンラインマニュアルには、カスタマーサクセス部門とのチャットがあり、随時質問・相談が可能です。

モバイルアプリ:

あり。iOS/Android

料金プラン・価格:

ユーザー数と機能に応じて「Starter」「Growth」「Enterprise」の3つの料金プランがあります。Growthはユーザー数10人までで、月額100,000円/1組織。

公式サイト
https://product-senses.mazrica.com/

SFA選びは業務フローを事前に整理して目的を明確にすることが大切

この記事では、マーケティング部門、カスタマーサポート部門との社内調整、機能の拡張性、学習コンテンツの充実度などで選択することをお伝えするとともに、代表的なSFAについて特長を解説しました。SFAを導入する際には、現在の営業業務フローを整理して、目的を明確にすることや目的に沿った機能のSFAを選択することが大切です。

株式会社FLUEDでは、貴社のSFA導入をプロの視点からサポートしております。もし、SFAの導入にまだ迷われているようでしたら、ぜひご相談ください。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。