BtoBマーケティングの戦略策定のステップを徹底解説!基本用語や手法もご紹介

2021.04.30

2021.05.03

BtoBマーケティング

「BtoBマーケティングで効果的な戦略を立てたい」
「BtoBマーケティングに取り組みたいが、何から着手すればいいのか分からない」

そういった課題を抱えるマーケティング担当者に向けて、本記事では基本用語から、全体像や戦略策定のステップ、よくある落とし穴まで徹底解説します。後半では具体的なBtoBマーケティング手法もご紹介します。

BtoBマーケティングとは

BtoBマーケティングとは、法人向けにビジネスを行い、価値提供をし続ける仕組みです。市場や顧客ニーズをもとに、商品・サービスをどのように設計し、価値提供をし、売れ続ける仕組みをつくっていくか、を考えます。

狭義の意味合いでは、認知獲得から商談創出までをBtoBマーケティングといいます。見込み顧客との接点を増やしていき、検討タイミングで選択肢に入れてもらい、選んでもらいやすくするためにマーケティング活動を行います。

BtoCマーケティングでは、顧客の購買意図が「好き嫌い」「気分」といった感情による場合が多いですが、BtoBマーケティングでは、商品・サービスの多くが課題解決型で、論理的思考や経済合理性をもとに導入判断がなされます。

そのため、BtoBマーケティングにおいては、解決すべき課題や導入すべき理由の明示がポイントです。企業で組織的な導入検討・意思決定が行われる分、情報収集者と意思決定者、サービス利用者が異なるケースもあり、BtoCマーケティングと比べて検討期間が長期化することも特徴です。

BtoBマーケティングの基本用語

BtoBマーケティングの基本用語を解説します。「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」について理解することで、BtoBマーケティングの大枠や流れを理解できます。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得する活動のことです。自社の商品・サービスに関心のある顧客の情報を獲得します。手法としては、広告やSEO、展示会などが挙げられます。

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、獲得したリードを育成していくことです。段階的にアプローチし、信頼関係を構築し、顧客の購買意欲を高めていきます。手法としては、メルマガ配信やウェビナーなどが挙げられます。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは、獲得リード内で購買可能性の高い見込み顧客を選別することです。購買見込みのある顧客に効果的なアプローチをするために、ランク付けします。手法としては、MAツールを活用して、見込み顧客のアクションや属性などに応じてスコアリングしていく方法があります。

BtoBマーケティングの全体像と戦略の立て方

ここからは具体的に、BtoBマーケティングの全体像と戦略の立て方を解説していきます。

BtoBマーケティングは大まかな流れとして、市場や顧客ニーズを知った上で、適切な商品・サービスを作り、購入見込みのある顧客を獲得・育成し、商談を経て受注します。さらにそこから優良顧客化するための伴走活動を行います。

それぞれのステップごとに、概要と戦略の立て方を見ていきましょう。

適切な市場を選定する

まずは適切な市場を選定します。BtoBマーケティングの戦略策定において、失敗したくないポイントです。時流に適合しているか、自社の強みを最大化できるか、市場で一番を目指せるか、を検討しましょう。

ターゲットや競合の強みを見誤ると、どれほどコストをかけて商品・サービスを開発したとしても、顧客からは購入されません。顧客が望み、競合他社が提供できず、自社なら提供できる価値「バリュープロポジション」を意識して、適切な市場を選定しましょう。

顧客ニーズを把握する

次に、顧客ニーズを把握します。顧客がコストをかけてでも解決したい課題が何なのか、を知ることが大切です。顧客満足度調査やニーズ調査で分析していきます。

顧客ニーズを把握しながら、ターゲットとなる顧客の属性を明文化していきます。企業属性であれば、売上規模、従業員数、業種といった情報を、担当者属性であれば、所属部門・職種、役職、担当業務といった情報を整理しましょう。

購入される商品・サービスを作る

顧客ニーズやターゲットを定めた後、購入される商品・サービスを開発します。「購入される」アクションを生み出すには、課題を解決でき、かけたコストに見合う価値が提供されると顧客に判断されることが重要です。

そもそもの提供価値を明確にすることは当然のことながら、競合他社と比較しても選ばれるような強みや利便性を追究しましょう。

見込み顧客を獲得する

ターゲットの中でも購入の見込みのある顧客を獲得していきます。先ほどご紹介した「リードジェネレーション」と同義です。

リードとして適切な情報が揃っていることが前提条件で、さらに購買条件などが当てはまり、確度の高いリードであれば良質といえます。獲得フェーズでは、量も重視しましょう。

見込み顧客を育成する

獲得リードをもとに、見込み顧客を良質な顧客へと育成していきます。「リードナーチャリング」と同義です。

中長期的に接点を持ち、顧客との信頼関係を築いていきながら、潜在的なニーズを呼び起こし購買へとつなげていきます。育成フェーズでも、リードごとにランクをつける「リードクオリフィケーション」を行い、ランクごとに適切な育成アプローチを行うことがポイントです。

案件化・商談化する

育成された顧客の中から、スコアリングの結果、見込みが高い顧客を抽出し、案件化・商談化します。適切なタイミングで案件化させられるかが肝です。

商談においても、情報収集段階なのか、比較検討段階なのか、意思決定段階なのかによって、アプローチ方法や提案方法を選びましょう。ここでは、案件化数・商談化数、もしくは、案件化率・商談化率がKPIとなります。

受注する

案件化・商談化した見込み顧客から、受注を獲得します。受注においても、導入理由などをヒアリングすることで、より顧客ニーズを明確化して商品・サービスへとフィードバックする良い機会になります。ここでは、受注率、受注件数、売上高などがKPIになります。

顧客を優良顧客化にする

受注した顧客を、優良顧客化していくフェーズに移ります。

顧客維持を行う中では、「ライフタイムバリュー(LTV)」を意識することが重要です。LTVは、「平均顧客単価×継続期間」もしくは「(平均顧客単価×収益率)÷月次解約率」で算出します。

かけたコスト以上にLTVが高ければ、優良顧客といえるでしょう。

顧客満足度調査を行う

顧客全体に、商品・サービスの満足度を調査し、課題を明確にしてブラッシュアップを行います。

顧客の声を取り入れることで、新規顧客が増え、既存顧客が解約せずに優良顧客化します。満足度調査の回答率や有効回答数がKPIです。

BtoBマーケティングの戦略策定から実行までのステップ

では、BtoBマーケティングの戦略策定、実行までのステップを解説します。

課題・目的を明確化する

まずは顧客の課題や目的を明確化しましょう。あわせて「誰の」「どんな状況」に対して「何を提供」する上で「どんな訴求をしていく」のか、を考えることが重要です。

顧客が抱える課題を解決できる商品・サービスをつくり、導入すればどのような未来が実現できるのか、顧客の導入目的を提示してあげることがポイントです。

ペルソナを作成する

次に顧客のペルソナを作成しましょう。BtoBマーケティングにおいて重要なペルソナの項目は、企業属性(売上規模、従業員数、業種)、担当者属性(所属部門・職種、役職、担当業務)といった情報です。

ペルソナを明確に設定することで、「この条件がなければ顧客になりえない」「この条件を満たせば競合に勝ちやすい」などの詳細な条件が分かり、商品・サービスの設計や顧客への提案の際に役立ちます。

カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップを作成しましょう。BtoBマーケティングにおいては、「認知」「情報収集」「調査・検討」「購買」「継続」といったフェーズに分けられます。

それぞれのフェーズで、シーンやチャネルが異なり、思考や行動も異なります。顧客について理解を深めるために、カスタマージャーニーマップを作成し、適切な打ち手を実行していきましょう。

PDCAを回す

一度立てたマーケティング戦略であっても、常にPDCAを回しましょう。実践してみて気付くミスや、顧客との認識のズレがあるはずです。

市場選定、顧客ニーズ、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、提案内容など、それぞれの取り組みにおいてPDCAを行うことが成功への近道です。

よくあるBtoBマーケティング戦略の落とし穴

BtoBマーケティング戦略における、よくある落とし穴をご紹介します。以下のような状態になっていないか確認してください。

一度立てた戦略を見直さない

先ほどPDCAを回すことも重要だと解説しましたが、一度立てた戦略を見直さずに実行しつづけてしまい、失敗するケースもあります。

施策単位で振り返りを行うことで、戦略がないままWebサイトをリニューアルしたり、広告運用を始めたりする可能性が減ります。

顧客の行動・購買シーンとコンテンツが関連していない

カスタマージャーニーマップ上で明確化した、顧客の行動や購買シーンと、用意したマーケティングのためのコンテンツが連動していないこともあります。

コンテンツがきっかけで商談化するには時間がかかりますが、適切なタイミングで必要なコンテンツを提供し、顧客との信頼関係を構築できるように戦略策定し直しましょう。

ペルソナが存在していない

意外にもペルソナを設定せずに戦略を考えてしまうケースが多くあります。ペルソナは言語化しておくことで共通認識を持つこともできますし、施策実行前に効果があるかどうか仮説を立てるのにも有効です。

顧客課題や検討プロセスなどを可視化して、適切なアプローチができるようにしましょう。

明文化された戦略がないままに施策を打つ

もっともリスクが高いのは、立てた戦略を明文化せずに施策を実行することです。目的や方針などが言語化されていなければ、施策後の振り返りや最適化をすることは難しいでしょう。

戦略が明文化されていれば、適切な振り返りを行い、より良い施策へと改善ができるようになります。

BtoBマーケティングの具体的な手法

最後に、BtoBマーケティングの具体的な手法を、「見込み顧客の獲得」「見込み顧客の育成・商談化」「受注数・売上の最大化」にわけてご紹介します。

見込み顧客の獲得

見込み顧客の獲得においては、リードを量と質ともに良い状態で獲得できる施策を選びましょう。

SEO、コンテンツマーケティング

自社で運営するWebメディアで情報発信を行います。見込み顧客が抱える課題に対する解決策やヒントを発信し、自社の商品・サービスへと誘導します。コンテンツが充実してきたら、ホワイトペーパーにまとめてダウンロードへ促します。その問合せ情報からリードを獲得します。

WEBサイト、LP

商品・サービスごとの専用ページを作成し、情報発信します。「資料請求」「無料トライアル申込み」などのコンバージョン(CV)ポイントを設置し、見込み顧客を獲得します。適切な箇所にCVボタンが設置されているか、ランディングページ(LP)で魅力的な訴求ができているかが重要です。

Web広告運用

インターネット上で商品・サービスの広告宣伝を行います。ユーザーの閲覧履歴に基づいたリターゲティング広告、検索結果に表示させるリスティング広告などがあります。ニーズに近い顧客への効率的なアプローチが可能です。

SNSマーケティング

企業アカウントとして、TwitterやInstagramなどのSNSを活用して発信します。BtoBにおいては企業アカウントで成功する事例は少なく、企業の代表やインフルエンサーの社員が発信することも多いです。コンテンツを発信しリーチを増やし、認知と問合せを獲得します。

展示会

商品・サービスをジャンルごとの展示会に出し、直接見込み顧客に紹介します。来場者の名刺を受け取り、サンプルやデモを提示しながら説明していきます。多くの来場者が見込める展示会では、一気にリード獲得ができます。実地開催ではなく、オンライン展示会もあります。

見込み顧客の育成、商談化

見込み顧客の育成から商談化へとつなげていくには、以下のような手法があります。

メルマガ配信

獲得したリード情報に対して、メールにて接触します。お役立ち情報をまとめた内容や、資料請求をした見込み顧客に関連セミナーの案内などをメール送付します。接点を増やしながら、役に立つ情報を提供し続けることで、顧客との信頼関係を構築します。

セミナー・ウェビナー開催

自社の商品・サービスについて紹介したり、関連業務についてのノウハウを提供したりするセミナーです。検討段階にある見込み顧客に対してアプローチできます。すぐに商談に繋がる場合もありますが、セミナーの内容によっては見込みの薄い顧客が参加することもあります。オンライン上で開催するセミナーを「ウェビナー」といいます。

テレアポ・インサイドセールス

訪問前に電話やメールでアポイントを取り付けます。テレアポは、商談の場を獲得することが目的ですが、インサイドセールスでは、そのまま受注へとつなぐような提案を行う場合もあります。

受注数・売上の最大化

受注数や売上の最大化を目指すには、SFAツールを活用したり、カスタマーサクセスの担当をつけたりすることがポイントです。

SFAツールによる効率化

SFAとは「Sales Force Automation」の略で、営業支援ツールです。顧客データの管理だけでなく、案件管理、進捗・ステータス管理が可能です。獲得したリード情報を一元管理し、ミスなく適切なアクションを取ることができるようになります。

営業担当者が個々に管理するには限界がある場合、SFAツールを活用することで、案件の後追い漏れなどの機会損失を防ぎ、受注数を最大化しましょう。

カスタマーサクセスの強化

カスタマーサクセスを強化することも重要です。カスタマーサクセスは顧客が製品・サービスを効果的に使いこなし、望ましい結果を得るために支援します。ツール導入のオンボーディングや、効果的な活用方法の提案を行います。

顧客のニーズや課題を把握し、適切な解決手法を提案することで、追加機能を導入してもらえることもあります。これを、顧客単価を向上させるアップセルといい、カスタマーサクセスの醍醐味ともいえます。

まとめ|ビジネスモデルや購買行動から適切な戦略設計をしよう

BtoBマーケティングの戦略策定においては、基本用語と全体像の理解が欠かせません。本記事では基本用語から全体像、戦略策定のステップ、よくある落とし穴を解説しました。

また具体的な戦略立案をする上で必要な、具体的なBtoBマーケティング手法もご紹介しました。上記で紹介した以外にも数多くの手法があるので、見込み顧客へのアプローチとして適切な手法を選択してください。

BtoBマーケティング戦略は、製品ライフサイクルによって異なり、一度立てたものを見直すことも重要です。ビジネスモデルや購買行動にあわせた変更も求められます。

もし自社で効果的な戦略設計を行うのが不安な場合は、プロに相談してみてはいかがでしょうか。


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。