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Marketo(マルケト)の価格はいくら?料金プランと特長を解説

2021.01.05

2023.06.08

営業DXツール

マーケティングオートメーションという仕組みを普及させた独立企業「マルケト」

マルケトは2006年に設立した米国の企業です。「マーケティングオートメーション」という仕組みを広く普及させ、デジタルマーケティングを加速させた企業です。2018年に米国 Adobe Inc.と合併しましたが、MAの「Marketo Engage(以下マルケト)」は現在も精力的にアップデートを重ねています。

マルケトはマーケティングを専門に突き詰めた「プラットフォーム」なので、マーケターの要求に答える機能が豊富です。高度にパーソナライズされたメールマーケティングやOne to Oneコンテンツの表示、ABM(アカウントベースドマーケティング)、デジタル広告の管理、複数軸のスコアリング、シナリオの自動化といった機能が詰め込まれています。しかし、高機能ゆえに気になるのがその価格です。

マルケトの価格は非公開

残念ながらマルケトの公式ページ内の「価格体系とパッケージ構成」というページを見ても価格は明記されていません。これはユーザーの環境や要件に合わせた個別見積りを行っているためです。とはいえ、価格の目安くらいは知りたいという方のために、マルケトの価格に関して少しだけ情報を追加しておきます。

マルケトの費用は、リード件数(メールアドレス数)とオプション機能によって見積るそうです。おおよその金額目安としては、オプション機能をつけない場合で1万件のリード数(メール配信数)、そして年間の利用料は200万円程度だといわれています。

管理するリード件数が増えるごとに費用は加算されます。10万件までは1万件単位で年額20〜50万円程度です。また、導入初年度のみトレーニング費用と初期費用として150万円ほど別途必要。月額の料金プランはなく、年間一括払いが基本ですが、分割払いも条件によって対応可能のようです。

マルケトには4種類の料金プランがある

引用元:Adobe Marketo Engage公式 価格体系とパッケージ構成ページ

個別見積り対応のマルケトですが、マーケティング施策に応じた、機能範囲の異なる4つのパッケージが提供されています。

SELECT|基本的なマーケティングオートメーションと効果測定

一番シンプルなプランですが、カスタマイズ可能な顧客管理、CRMとの連携、セグメント化とターゲティング、One To Oneコンテンツの表示、シナリオ自動化、複数軸のスコアリング、メールマーケティング、ソーシャル・マーケティング、広告配信、レポートと分析機能など、一般的なデジタルマーケティング施策に必要な機能が包括されています。

PRIME|リード管理とABM、カスタマージャーニーの分析、AIによるパーソナライゼーション

SELECTパッケージのすべての機能に加えて、アカウント単位(企業単位)の管理やリターゲティング広告の配信、AIによる予測・分析機能が利用できます。

ULTIMATE|包括的で強力なオートメーション機能とアトリビューション機能

SELECTパッケージのすべての機能に加えて、より高度な機能とサンドボックスが提供されます。サンドボックスはテスト環境のことで、マーケティング施策の実施前にテストや検証を行えます。

ENTERPRISE|最大のスケーラビリティと柔軟性

複数の事業部やブランドで、それぞれ個別のマーケティングを運用したい場合のパッケージです。大規模企業・組織向け。

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マルケトの特長と機能

マルケトの特長

マルケトは1つのマーケティング施策に特化したスポットツールではなく、マーケティング全般を包括できるプラットフォームといえるソリューションです。事業の経営戦略やマーケティング戦略に沿った運用が行える点が大きな特長になります。また、GARTNER Quadrant において8年連続でリーダーポジションを獲得するなど、高機能で信頼性の高いMAです。

画像引用元:Adobe Marketo Engage公式ページ

マルケトの機能

機能面では、顧客セグメント管理の柔軟さとOne to Oneのコミュニケーションにより、顧客一人ひとりの興味関心レベルに応じた適切なコンテンツを自動的に届けられる点が強みです。顧客セグメント管理の柔軟さについては、2018年に他社のMAからマルケトに移行した、ベルフェイス株式会社の導入事例の中で「スコアリング設計の自由度」という観点でそのメリットが具体的に語られています。

ベルフェイスでは、マーケティングの「リードスコア」とカスタマーサクセスの「ヘルススコア」という、2つのスコアを活用している。他社のMAでは、スコアを2つ以上管理することはできなかった。

また、「リードスコア」において、同社ではMarketoで取得した「行動スコア」に加え、ABM支援ツールFORCASにより分析・算出されたスコアを「属性スコア」として付与することで、ホットリードの質を担保できるようにしている。これもMarketoに乗り換えなければできなかったことだと言う。

さらに既存顧客のエンゲージメントを測る「ヘルススコア」では、「bellFace」のログインによって付与されるスコアから、Marketoの行動スコアを減算することで、解約の気配を察知できるようにしている。例えば、ベルフェイスから送られたメールに対し、連続何日以上開封、クリックなどのアクションがない場合にスコアを下げることで、エンゲージメントの低下がわかるようにしているのだ。「以前のMAでは、減算式を組むことができなかったので、Marketoにしてよかった」と小林氏は語る。

引用元 : Adobe導入事例
https://jp.marketo.com/customers/bell-face.html

この柔軟なセグメント管理とさまざまなマーケティングを実施できる機能により、きめ細かなアプローチを自動化できます。ここではマルケトの主なマーケティング機能を簡単に説明しておきます。

メールマーケティング

見込み客や顧客のWeb上の行動をきっかけとし、リアルタイムで自動メールを送信できます。HTMLメール作成や送信対象の抽出などはノーコードで行えます。興味関心に合わせたメールを最適なタイミングで自動的に送信することで、開封率やクリック率の向上を期待できます。また、効果分析のためのA/Bテストも可能です。

モバイルマーケティング

見込み客がいつでも持ち歩くモバイルデバイスを、フルに活用するマーケティングを実施できます。位置情報機能をフル活用し、ロケーションに応じたメッセージでアプローチすることで、店舗や展示会場などでのコミュニケーションを測ることができます。

ソーシャルマーケティング

SNSを活用したマーケティングも可能です。ソーシャルメディアで共有できる動画などのコンテンツを展開することで、同じ興味関心を持つSNS上のグループに情報をシェアしてもらうことで口コミを広げたりブランド力を高めたりするマーケティングを実施できます。また、複数のメディアの比較分析も行えます。収益率の高いメディアを選ぶことでROIを高められます。さらに、ソーシャル広告の管理も可能です。

アカウントベースドマーケティング

取引先企業にフォーカスしたマーケティングを行えます。取引先ごとにスコアリングを行い有望な取引先をリスト化することで適切な担当者にメールやWeb、モバイルなどのチャネルを活用してメッセージを届けることができます。

マルケト以外の主要なMAツールの価格

ここで、マルケト以外の主要なMAをいくつかピックアップします。料金プランが公表されている場合は価格も記載しておきますので、導入時の比較対象として参考にしてください。

HubSpot Marketing Hub|企業規模を問わずに導入できるMA

「Marketing Hub」は、HubSpotが提供するマーケティングソフトウェアツールです。ランディングページ作成やフォーム作成、レポート表示など、マーケティングオートメーションに必要な機能がたくさん搭載されています。

料金プラン:
無料版
Starter:月額5,400円~
Professional:月額96,000円~
Enterprise:月額384,000円~

HubSpotの公式ページで確認する

Salesforce Pardot|Salesforce との連携性の高いB to B向けのMA

セールスフォース・ドットコムが提供するB to B向けのマーケティングオートメーションです。Salesforceと同期するため、潜在顧客が受注に至るまでの全フェーズでマーケティング活動を一元的に行えます。

料金プラン:プロスペクト数(管理する顧客の数)の上限あり
Growth:月額 150,000円
Plus:月額300,000円
Advanced:月額480,000円
Premium:月額1,800,000円

Salesforce Pardotの公式ページで確認する

SHANON MARKETING PLATFORM|オフラインのマーケティング施策も管理できる国産のMA

株式会社シャノンが企画・開発する国産のマーケティングオートメーション。導入支援やサポートも一貫してシャノンが行っています。Webの行動履歴だけでなく、フォーラムの来場や名刺交換といった、対面での顧客との接点も紐付けて管理できる点が特長です。

料金プラン:非公開。要問合せ

SHANON MARKETING PLATFORMの公式ページで確認する

SATORI|メールアドレスが分からない匿名見込み客へのリーチが可能な国産のMA

SATORIは、Webサイトを訪問しただけで、まだメールアドレスが不明の匿名リードへ、アプローチと育成ができる機能に長けています。日本のビジネススタイルや日本人に馴染みやすいUIがユーザーに評価されているようです。

料金プラン:
初期費用 300,000円、月額利用料:148,000円。従量課金、有料オプションあり

SATORIの公式ページで確認する

LIST FINDER|B to Bに特化したシンプルでコストパフォーマンスの良い国産のMA

株式会社イノベーションが開発・販売しています。導入後6ヶ月まで、1,000枚の名刺データ化無料サービスがあるなど、法人営業に特化したMA。メール配信機能に定評があるようです。シンプルですが、洗練された機能でコストパフォーマンスがよいことと、サポートが丁寧というユーザー評価があります。

料金プラン:機能に応じて3つの料金プラン
ライト:月額39,800円
スタンダード:月額59,800円
プレミアム:月額79,800円

LIST FINDERの公式ページで確認する

マルケトは、アドビ製品の安心感と経営戦略に応じたマーケティングを求める企業に最適

引用元:Adobe Marketo Engage 公式ページ

年間200万ほどの利用料がかかるマルケトですが、マーケティング専用のプラットフォームという評価軸で考えれば、経営戦略に沿った包括的なマーケティングを設計・運用できるため、より大きな効果を生み出す可能性があります。組織全体でマーケティングを強化したい企業に最適といえるのではないでしょうか。

もし、「どのようなMAツールを選定すればいいのかが分からない…」「MAツールを活用できるのかどうかが不安」といった方がいらっしゃいましたら、プロへご相談することをおすすめします。貴社のMA導入をプロの知見からしっかりとサポートしてくれるはずです。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。