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【テンプレ実例あり】営業の商談メモをテンプレート化するのに必要なBANTCとは?

2022.06.27

2023.06.08

営業DXコラム

営業の商談メモを効率化する方法が分からずに悩んでいる方は、多いのではないでしょうか。

営業時の議事録は、チーム内で情報を共有する際に必要不可欠です。商談時のメモが、成約率を左右すると言っても過言ではありません

そこで今回は、営業の商談メモを効率化する方法を解説します。併せて、営業時に有効なHubSpotの機能や、実際にFLUEDで使用しているメモの例も紹介します。

営業担当の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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【テンプレ実例あり】営業の商談メモをテンプレート化するのに必要なBANTCとは?

営業のメモを効率化するには、最初にBANTCを知る必要があります。BANTCは、以下5つの英単語の頭文字を取ったものです。

  • Budget(予算)
  • Authority(決裁権)
  • Needs(必要性)
  • Timeframe(導入時期)
  • Competitor(競合)

BANTCは、商談の質を判断する際に有効な指標です。各英単語の意味を解説するので、これを機にBANTCに関する知識を深めましょう。

Budget(予算)

Budgetは、顧客が製品やサービスを導入するための予算です。顧客に製品やサービスを導入する必要性があっても、予算がなくては営業が成立しません。それだけに、企業の懐事情は必ずヒアリングする必要があります。

予算を確認する際の具体的なヒアリング方法は、以下のとおりです。

  • 予算はどの程度で検討されていますでしょうか?
  • 弊社の◯◯が△△(価格)になりますが、いかがでしょうか?

予算は早い段階で聞き出すことが重要です。予算の把握が遅れると、適切な提案ができず、間延びする恐れがあります。

Authority(決裁権)

Authorityは、製品やサービスの導入有無を決裁する権利です。決裁権のある担当者であれば、その後の商談を円滑に進められます。場合によっては、その場での交渉成立も期待できます。

万が一、決裁権のある担当者が分からない場合は、以下のヒアリング例を参考にしてください。

  • 相談する方は、どなたになりますでしょうか?
  • ◯◯様にご案内した後の流れは、どうなりますでしょうか?
  • 他に検討に加わる方もいらっしゃいますか?
  • もし良ければ私がその方にもご説明いたしましょうか?

決裁権を持つ相手の確認は、受注までのリードタイムを左右するため重要です。

Needs(必要性)

Needsは、顧客が製品やサービスを導入する必要性です。予算があり、決裁権のある相手でも、必要性がなかったら元も子もありません。

必要性を判断する際は、以下のように顧客の目線に合わせた思考が大切です

  • 顧客はどのようなことで困っているのか
  • 顧客の悩みは、自社の製品・サービスで解決できるのか? など

顧客に需要のない製品やサービスを勧めても、かえって迷惑になり、信用問題にもつながります。まっさきに、顧客のことを理解するのが前提です。

Timeframe(導入・購入時期)

Timeframeは、製品やサービスの導入・購入時期を意味します。商談の優先度を把握するために、Timeframeが必要不可欠です

顧客のTimeframeを把握したい際は、以下のヒアリング例を参考にしてください。

  • 導入時期は、決まっておりますでしょうか?
  • 今後のスケジュールは、具体的にどう計画していますでしょうか?
  • 例えば〇〇がいついつなので△△までには導入したい、などおありでしょうか?

導入時期が先であっても、関係性を保つ取り組みは欠かさずに行いましょう。具体的には、メールや電話、Web会議などといったインサイドセールスが効果的です。

Competitor(競合)

Competitorは、競合を意味します。良い提案をしても、競合企業の提案が上回っていれば、受注できません。

競合企業をリサーチする際は、以下の情報を把握する必要があります。

  • アプローチしている企業
  • ライバル企業の提案内容、アプローチの頻度 

競合企業の存在は脅威ですが、それだけ顧客の本気度が高い証拠です。入念な情報収集を行ったうえで、商談を進めましょう。

情報収集を行う際は、以下のヒアリング例を参考にしてください。

  • 弊社だと〇〇さんや〇〇さんとかと比較されている方が多かったりするのですが、御社もそうですか?

HubSpotのスニペット機能で営業の商談メモを効率化

HubSpotを導入している場合、スニペット機能を活用することで営業の商談メモを効率化できます

画像を交えてスニペットの作成方法を解説しているので、ぜひ活用してください。

HubSpotのスニペット機能とは

スニペットは、短い文章のパーツをまとめて共有できる機能です。スニペットを登録することで、メールなどの定型文の作成が容易になります

登録すべきスニペットの具体例としては、以下のものが挙げられます。

  • あいさつ文
  • 企業紹介
  • 料金表 など

文章の登録は辞書ツールでもできますが、チームでの共有はできません。その点、HubSpotのスニペット機能は、チーム単位での共有が可能です。

スニペットを作成するには

スニペットを作成する際の手順は、以下のとおりです。

1.HubSpotにログインし、【コミュニケーション】>【スニペット】の順に進む

2.画面右上にある【スニペットを作成】をクリック

3.新規スニペット画面の【内部名】に、スニペットの名前を入力する

4.【スニペットテキスト】に、スニペットの本文を入力する
※入力できるのは2,500字まで

5.【ショートカット】に、ショートカットとして使用する語句を入力する

6.必要な情報をすべて入力したら、画面左下の【スニペットを保存】をクリックする

スニペットは、フォルダーへの整理もできます。整理する際の手順は、以下のとおりです。

1.HubSpotにログインし、【コミュニケーション】>【スニペット】の順に進む

2.画面右上にある【新規フォルダー】をクリックする

3.フォルダー名を入力し、【フォルダーを作成】をクリックする

4.フォルダーに移動させたいスニペットにカーソルをあわせる

5.【アクション】>【移動】の順にクリックする

6.スニペットの移動先フォルダーを選択して【移動】をクリックする

営業活動の業務効率化を実現するHubSpotのミーティングログ機能

HubSpotのミーティング機能は、営業活動を効率化したいときに便利な機能です。画像を交えながら、ミーティングログを記録する方法を解説しているので、参考にしてください。

HubSpotのミーティングログ機能とは

HubSpotは、連絡相手との電話やメール、ミーティングなどの履歴を記録できます。ミーティングログ機能を活用することで、過去の履歴を踏まえた上で適切なアクションを実行できます

さらに、ミーティングログ機能は、モバイルアプリからも利用可能です。そのため、外出先や移動中に顧客から急ぎの要求があっても、迅速に対応できます。

HubSpotでミーティングログを記録するには

HubSpotでミーティングログを記録する際の手順は、以下のとおりです。

1.HubSpotにログインし、対象のレコードに移動する

  • コンタクト:【コンタクト】>【コンタクト】の順に進む
  • 会社:【コンタクト】>【会社】の順に進む
  • 取引:【セールス】>【取引】の順に進む
  • チケット:【サービス】>【チケット】の順に進む

2.対象のレコード名をクリックする

3.左側のパネルにて、プラスアイコン、もしくはコメントアイコンをクリックして新しいアクティビティーまたはメモを作成する

4.アクティビティーに応じて、コール・Eメール・ミーティングのいずれかを選択する

5.選択したそれぞれの画面で必要事項を入力し、【アクティビティー記録】または【コメントを保存】をクリックする

FLUEDで実際に使用しているメモの例を公開

ここからは、FLUEDで実際に使用しているメモを、以下の3つに大別して紹介します。

  1. 商談に関する基本情報
  2. BANTCに関する情報
  3. 次回のタスクおよびその他の情報

営業メモを効率化できずに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

なお、これから紹介するメモのテンプレートは、以下のとおりです。必要な方はコピーして、活用してください。

商談メモ

#商談
-担当名:
-商談方法:TEL/WEB/訪問
-確度(ABCD)

#B(予算関連)
-利用期間想定があるか:
-すでにPJ予算確保がされているか:

#A(決裁関連)なるべく詳細に記載
-担当者or決裁者:
-決定する人/組織:
-自由記載:

#N(ニーズ)


#T(タイムライン/時期)
-クローズ日(想定レベルでも)わかったらプロパティを入力
-クローズ日の理由:◯◯が◯月にあるから ◯期から など

#C(競合情報)
-競合の有無:
-競合社:
-ベンダ選定のポイント:

#info(情報)社風/ビジネスモデル/市場性/所感/リスクなど自由記載


#NA(次回タスク)
-次回MTG:◯月◯日 XX:XX〜
-HubSpotでのタスク作成:YES/NO

1.商談に関する基本情報

まずは、商談に関する基本情報をメモします。具体的な記載内容は、以下の3つです。

  1. 担当者名:
  2. 商談方法:電話・Web・訪問
  3. 確度(ABCD):

確度は自社の製品・サービスを、見込み客が導入する可能性を示すものです。

そのため、確度の判断基準はあらかじめチーム内で統一しましょう。判断基準を各営業担当者の主観にすると、正確な営業戦略が実行できません

2.BANTCに関する情報

商談に関する基本情報をメモしたら、次はBANTCに関する情報を記載します。各項目ごとの記載内容は、以下のとおりです。

B(予算関連)

  • 利用期間想定があるか:
  • すでにプロジェクト予算が確保されているか:

A(決裁関連)

  • 担当者or決裁者:
  • 決定する人/組織:
  • 自由記載:

決裁に関する情報は、なるべく詳しく記載しましょう。

N(ニーズ)

顧客が製品やサービスを導入するニーズを必要に応じて記載

T(タイムライン/時期)

  • クローズ日(想定レベルでも)わかったらプロパティを入力
  • クローズ日の理由:◯◯が◯月にあるから ◯期から など

C(競合情報)

  • 競合の有無:
  • 競合会社:
  • ベンダ選定のポイント:

3.次回のタスクおよびその他の情報

BANTCに関する情報をメモしたら、最後に次回のタスクやその他の情報を記載します。具体的な記載内容は、以下のとおりです。

NA(次回のタスク)

  • 次回MTG:●月●日 XX:XX〜
  • HubSpotでのタスク作成:YES/NO

Info(情報)

社風/ビジネスモデル/市場性/所感/リスクなど自由記載

営業の商談メモを効率化して成約率を高めよう

今回は、営業の商談メモを効率化する具体的な方法を紹介しました。商談時の記載内容をテンプレート化することで、効率的にメモをとることが可能です

逆に、商談のメモがうまくとれないと、その後のアプローチに悪影響を及ぼします。最悪の場合、失注する恐れがあります。

今回紹介したBANTCやHubSpotの機能を積極的に取り入れて、営業時の商談メモを効率化しましょう。

「営業DX.jp」は、3万円ポッキリで営業DXのプロに相談できるオンラインサービスです。50問の質問に答えるだけで、営業DXのプロからのレポート/アドバイスを受けることができます。詳細はこちらへ。


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。