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BDRとSDRの役割とは?インサイドセールス導入時に注意すべき3つの視点

2021.06.27

2023.06.08

営業DXコラム

皆さんの会社はインサイドセールスを導入していますか?

日本でも取り入れている企業が増えているインサイドセールスですが、比較的新しい概念で、分業型の営業組織には欠かせない役割を果たしています。

本記事では、インサイドセールスの中でも「BDR」「SDR」というポジションに触れ、インサイドセールス導入のポイントを含め、網羅的に解説していきます。

本記事を読んでいただき、営業組織へのインサイドセールスの導入を検討してみてください。

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インサイドセールスとは?

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インサイドセールスとは、マーケティングや営業プロセスの間をサポートする業務で、多くの見込み顧客から成約の可能性を見極め、受注に繋がりそうな、見込み度合いの高いリードを営業に渡す業務を行います。

見込みの低いリードに対しては、購買意欲が高まるまで定期的に電話やEメールなどでコミュニケーションを継続し 、ニーズ喚起を行います。興味関心度合いが高まればコンテンツを変えるなど、様々な方法で見込み顧客へアプローチを行うのです。

またインサイドセールスは、新規顧客だけでなく、既存顧客に対しアップセルを行うため、営業に代わって丁寧に既存顧客をフォローする活動も行っています

このように、営業活動の分業制を敷いている営業組織では、マーケティングが創出したリードを、購買意欲が高まるまでインサイドセールスが丁寧にフォローし、商談の機会を提供するという重要業務を行っています。

顧客のニーズを理解することが困難な現在の営業活動では、営業やマーケティングの双方とコミュニケーションをとり続けることが重要です。インサイドセールスは企業のマーケティング活動、営業活動のサポートを行う、なくてはならないミッションを背負っているのです。

BDRとは?SDRとは?

man in white button up shirt smiling

本章ではBDR、SDRの違いについて整理します。同じインサイドセールスで括られますが、それぞれのポジションには明確な役割や求められる能力が異なります。

BDRとは? 

BDRとは、Business Development Representativeの略語で、主に新規顧客の開拓をミッションとするインサイドセールス部隊のことを指します。

新規顧客の開拓業務は「アウトバウンドコール」と呼ばれ、ニーズ喚起をBDRが行います。インサイドセールスが主体となってリードに直接働きかけるアプローチを指すため、新規開拓型と呼ばれます。

SDRとは?

一方でSDRは、Sales Development Representativeの略語で、反響型のアプローチをメイン業務としています。

反響型とは、イベントや展示会、新規事例の案内を送り、イベント参加や資料ダウンロードなどを行ったリードに対し、フォローを実施するアプローチです。見込み顧客が主体となって行動を起こし、その反響に対しSDRがフォローを行うスタイルです。

BDRとSDRの違い

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同じインサイドセールスでも、BDRとSDRで呼び方が分かれているように、目的もそれぞれ異なります。

2つの違いは、以下のように比較できます。顧客の行動を起点としてフォローを中心に行うSDRに対し、自社が起点となり顧客の行動を促すようニーズを喚起するのがBDRです。

BDRSDR
新規開拓型反響型
アウトバウンドコール中心インバウンドの顧客フォロー中心
大手企業を戦略的に攻略中堅中小企業を数でフォロー
インサイドセールスの経験値が必要インサイドセールスのキャリア初期

また、組織図や公開情報、会社対会社のリレーション、紹介などを通じ大企業を戦略的に攻略するのがBDRで業務であり、SDRよりプロアクティブな活動が必要になります。BDRは、インサイドセールスとしてのキャリアの中期以降の業務、SDRはキャリア初期からスタートできる業務と言えるでしょう。

BDRに欠かせない「ABM」戦略とは?

ABMはAccount Based Marketingの略語で、文字通り、特定のアカウントをターゲットとしてマーケティングアプローチを行うことを指します。見込み顧客であるリード(個人)を中心にフォローを行なっていくアプローチがある一方で、ABMの場合は、自社にとって攻略すべきポテンシャルの高い企業に対してマーケティング活動を行っています。

主にBDRは、エンタープライズ企業を中心にニーズ喚起を行いながらアプローチを仕掛けます。その際に闇雲にアプローチするのではなく、エンタープライズ企業の財務諸表やIRレポート、組織図や公開情報を中心に、自社のソリューションがアカウントに対して適切であるかを見極めます

さらに、最近の政治経済ニュースもフォローし、しかるべきタイミングでしかるべき情報を差込み、自社がターゲット企業にとって力になれるというメッセージを送り続けます。BtoB企業においては、会社対会社という関係性を活用し、自社の役職のある社員から、公式にメールや手紙を作成してアプローチを実施することもあります。

ターゲットとする企業は、「企業規模が大きい」「高い収益を期待できるエンタープライズ企業」「市場インパクトが強い」「競合優位性が高い」など、アカウントの情報を特定し、自社から攻略を仕掛けます

ABMが注目されている理由として、SFAやMAなどのツールが浸透し、顧客情報中心にアプローチがなされている背景があります。顧客LTV(Life Time Value = 顧客生涯価値 )を最大化するためには、CRMツールを活用して中長期的に企業を攻略していきます。そうした背景の中で、LTVを最大化するためには、どの顧客を攻略するかという視点に重きを置き、特定の顧客をターゲットにしアプローチを仕掛けています。

このようにABM戦略は、BDRがエンタープライズ企業を攻略するための重要な考え方になります。

BDRとSDRを自社に導入する際の3ポイント

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 個々人に合わせた適切なKPIの設定

BDRやSDRを実際に自社に導入する際には、重要なポイントがありますが、まずは、個人に適切なKPIを設定することが重要です。同じインサイドセールスといえども、求められる能力や経験が異なります

BDR、SDR各個人のステージや、成長意欲などを踏まえた上でのKPI設定が重要です。KPIの設定も、頑張れば達成できる数値に設定することがポイントで、この塩梅を見極めることもBDR、SDRのモチベーション管理のためには注意を払う必要があります。

 ミッションの明確化

BDR、SDRは営業活動の中でどういう位置づけで、何をすると評価されるのか、明確なミッションを定義することが重要です。

BDR、SDRの前にはマーケティングがあり、後には営業がいます。インサイドセールスのマネージャーは、BDR、SDRが必ずやるべきミッションは何かを明確化し、仕事のリズムを作り、個人の能力の育成に力を入れると良いでしょう。

自分のミッションが明確であれば、仕事の集中力も違いますし、結果を残そうと努力できます。仮にミッションと異なっていても、将来的に営業になるために身につけておいた方がいいことなどあれば、BDR、SDRの追加目標を設定することも重要です。

また、定期的に面談を設定し、個人として、チームとしてのミッションを意識づけることも効果があります。営業はチームワークなので、全体を俯瞰できる視野も養う必要があります

 営業へのキャリアパスを意識する

BDR、SDR業務は、頭を素早く回転させる能力や、クリエイティブな能力が求められる一方、電話やメールを通じ、顧客に日々アプローチし続ける単純作業も含んでいます。

BDR、SDRにおいては、見込み顧客と話す機会も多いため、トークスクリプトや確認すべきBANT情報などを押さえていれば、営業経験が浅くとも業務を行うことができます。また、商談を提供するという、契約から遠いプロセスであるため、重要な業務ではありつつも、営業に必要な能力を鍛えたり経験したりできるポジションでもあります。

例えば、以下の能力を身に着けられます。

  • 自社のソリューションを理解し、伝える経験
  • 顧客が何を求めているか」のニーズ把握
  • Q&A対応やオブジェクションハンドリングの経験
  • 顧客から情報を引き出すトレーニング
  • 顧客と話す機会から得る経験
  • 営業と協業することで、営業が考えていることを最も近い立場で経験
  • マーケティングとの協業から、どのようにリードを獲得するか
  • 顧客に連絡がつきやすい時間帯や方法
  • 理不尽なクレームを受ける経験
  • 顧客の興味関心の移り変わり
  • アポが取れない苦しみ

多数列挙しましたが、ほんの一部に過ぎません。BDR、SDRは営業に必要な能力を鍛えられる絶好のポジションなのです。したがって、安易に外注せず、未来の会社の数字を作ってくれる大切な資産として、内製化して育てる方針が重要です。

そしてBDR、SDRは、顧客と話せると言っても商談を提供するまでが主なミッションになります。近い将来、BDR、SDRが営業にプロモーションできるようなキャリアパスを用意し、結果を出すことで営業に昇進できるという道筋をイメージさせ、モチベーションマネジメントができる環境を整えることが重要です。

BDRとSDRに欠かせないツール3選

three person pointing the silver laptop computer

SFA

BDR、SDRは、営業との協業が欠かせません。営業は、普段SFAツールに日々の活動状況を記録していきますが、BDR、SDRも同様です。

どのように使うかというと、SFAには顧客情報、担当者情報、見込み顧客であるリード情報の入力も可能です。商談の前段階で、購買意欲があるかどうかをBDR、SDRが事前調査します。その際に、リードとのやりとりを記録したり、次回にアプローチする日付を記録したりするなど、営業と同様にSFAを利用します。

また、顧客名が変わったり、部署異動に関する情報を得た場合は、SFAで最新情報にメンテナンスをすることも重要です。

BDR、SDRも営業も自身の業務で忙しく、必ず電話や対面でやりとりができるわけではありません。その場合、活動記録をSFAに残していくことで、BDR、SDR、営業がコミュニケーションをとることができるのです。

個人を捕まえてステータスを聞き出す行為は、互いの予定が合わない場合や、直接話す機会を設けることが困難な場合もあります。しかし、BDR、SDR、営業それぞれが、日々の活動をSFAに入力する等ルールを徹底することで、「本人に聞かなくても最新情報を確認できる」状態を常に実現できるのです。

それが、SFAツールがBDR、SDRにとっても欠かせない理由です。

関連記事:【SFA比較】主な営業支援ツール(SFA)の特長と違いを解説

MA

MAはマーケティングオートメーションを指し、マーケティング部門向けのツールです。しかし、BDR、SDRにとっても欠かすことのできないツールです。

BDR、SDRは、営業に質のいい商談を安定的に提供することがミッションです。BDR、SDRは、マーケティングが獲得してくるリード情報を精査し続け、購買意欲が高まったタイミングで営業にパスします。

しかし、営業にパスする前段階で、大量のリードからピンポイントで良質なリードを供給し続けるのは困難です。例えば、直近で検討しているという問い合わせが届いたり、イベントに何度も参加したりするといった、明確な興味関心度合いがわかれば、それほどリード供給に困らないかもしれません。

ただ、このような明らかな興味関心がわかることは稀です。MAであれば、すでに会社が保有しているリードに対し、定期的にメールなどでコンテンツを送ることができます。その際に以下のような情報を入手したり、作成できたりします。

  • メールの開封履歴
  • Webサイトへの滞在時間
  • イベントやセミナーへの案内メール
  • 興味関心度合いを定量的に図るスコアリング
  • レポート機能
  • ランディングページの作成
  • フォームの作成
  • シナリオ

特にMAを使うことで、BDR、SDRの日々の業務を効率化させたり、正確に24時間365日働き続けてくれるといった、マニュアルでは対応できないメリットがあります。

したがって、リードの興味関心度合いが低くても、「ここ数ヶ月音沙汰なかったが、直近2週間以内に事例コンテンツをダウンロードし、Webへ何度も訪れ、イベントにも参加している」といった行動がレポートで通知されていれば、明らかに興味関心が高まり、フォロー対象であることがひと目でわかります。

このようにMAがあることで、BDR、SDR業務の効率が劇的に改善し、良質な商談を提供できるリードをふるいに掛けるサポートをしてくれるのです。BDR、SDRにとってMAは必須ツールといえるでしょう。

関連:中小企業におすすめのMAツール9選!料金や機能を詳しく比較

名刺管理ツール

SFAやMAと同様に、目に見えるツールはBDR、SDR業務を大いに助けてくれます。

特に名刺管理ツールは、SFAやMAツールと連携することで強みを発揮します。名刺管理ツールは、顧客情報の源泉となります。顧客情報は、SFAなどCRMツールに貯めていくことが有効活用の前提になりますが、名刺を登録する作業は煩雑で、多くの人が面倒だと感じます。

例えば名刺管理ツールであれば、アプリのカメラ機能を起動し名刺を撮影することで、自動的にデジタルデータとして名刺を記録できます。またスキャナーを使うことで、会社に眠っている数千から数万枚の名刺を読み取ってデジタルデータとして登録できます。

SFAやMAは大前提として、顧客情報があってはじめて活用できます。したがって、顧客情報である名刺を、いかにストレスなく登録し、デジタル化できるかが重要です。

今はSFAやMAと顧客情報を連携できる名刺管理ツールは多数ありますので、BDR、SDRがリードをフォローするための下準備として、導入を検討してみてもよいでしょう。

まとめ:KPI設計や管理ツール選定でお悩みなら営業DX.jpへすぐ相談

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BDR、SDRとは何かから始まり、違いや導入の際のポイントについて整理しました。

BDR、SDRは、現在の営業組織では必須と言える重要なポジションになっています。マーケティングと営業の架け橋となり、かつ、営業へのキャリアパスも描けます。また、育成という観点でも、BDR、SDRのメンバーをマネジメントすることで、営業組織の将来的な強化に直結するといっても過言ではないでしょう。

しかし、BDR、SDRを導入したいけれど、何から始めればいいかわからないこともあると思います。BDR、SDRといっても、KPI設定や、必要なツール選定、人材育成や将来のキャリアパスを見据えたプログラム構成をする必要があるため、簡単ではありません

企業の早期成長が求められる中で、自社でそれらを賄うには限界があります。最短距離で結果を出すためには、BDR、SDRの導入や、KPI設定についてご相談いただくのがおすすめです。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。