BtoBマーケ/営業DX診断へ

SalesforceのService Cloudとは?主な機能や料金プランを徹底解説!

2024.03.22

2024.03.22

BtoBマーケティング

顧客からの問い合わせ対応や問題解決にかかる工数を削減できれば、高精度なカスタマーサポートを実現できます。

SalesforceのService Cloudには、カスタマーサポートを効率化するための機能が豊富に実装されており、顧客満足度の向上と人的リソースの有効活用につながります

この記事では、SalesforceのService Cloudについて詳しく解説しますので、カスタマーサポートを強化したい企業は最後まで読んで導入を検討しましょう。

SalesforceのService Cloudとは?

SalesforceのService Cloudとは、コールセンターやカスタマーサポートにおけるプロセスを改善するプラットフォームです。

営業や商談・マーケティングなどさまざまな分野での情報管理・共有を実現するプラットフォームを手掛けてきたSalesforceが、カスタマーサポートに特化したサービスとしてService Cloudを提供しています

SalesforceのService Cloudでは、電話やメール・チャット・SNSメディアからの問い合わせを一元管理し、スムーズで高精度な対応を実現します。

さらに顧客データを可視化しシステム上で共有できるため、より高いパフォーマンスを発揮し顧客満足度の向上につなげることが可能です。

Sales Cloudとの違い

Salesforceのもう1つのパッケージである「Sales Cloud」との違いは、次のとおりです。

パッケージの種類Service CloudSales Cloud
特化したサービスカスタマーサポートセールス(営業支援)
具体的なオブジェクト例・サービスコンソール・オムニチャネルルーティングなど・売上予測・見込み客管理など
共通でできること顧客管理、社内の情報共有など

「Service Cloud」は、問い合わせ対応や管理などカスタマーサポートに特化したパッケージであるのに対して、「Sales Cloud」は顧客・案件管理や売上予測など営業支援に特化しています

「取引先」や「取引先担当者」「商談」などのオブジェクトはどちらも備えていますが、「サービスコンソール」や「オムニチャネルルーティング」などは「Service Cloud」のみ使用できる機能です。

Salesforceには、他にも目的や用途に応じたパッケージが用意されているため、自社の課題や目的に合ったサービスを導入することが大切です。

SalesforceのService Cloudで利用できる主な機能

SalesforceのService Cloudで利用できる主な機能として、次の通りです。

  • ケース管理機能
  • オムニチャネルのルーティング機能
  • フィールドサービス管理機能
  • ナレッジ管理機能
  • AI機能
  • Slackを活用したスウォーミング機能
  • Slackを活用したワークフロー機能
  • カスタマーサービスインシデント管理

Service Cloudで利用できる機能を確認して、導入するべきか検討しましょう。

ケース管理機能

SalesforceのService Cloudには、顧客からの問い合わせや要望をさまざまなケースに分類して管理するケース管理機能が実装されています。

ケース管理機能では、顧客とのコミュニケーションを取ったチャネルが可視化され、メールや電話・チャットでのやり取りを履歴として管理できます。

さらにコミュニケーションを取った顧客の詳細情報や対応ケースをまとめて管理できるため、問い合わせ対応にかかる工数の削減が可能です。

メールでの対応の場合は、ケース別にテンプレート化した文面で応対できるため、タイムリーでスムーズなカスタマーサポートを実現できます。

あらゆるチャネルにも対応できるよう、ケースごとに管理した過去の顧客対応データと適切なツールを担当者に提供できるため、迅速で高精度な対応を実施可能です。

オムニチャネルのルーティング機能

SalesforceのService Cloudの主な機能には、オムニチャネルのルーティング機能があります。

電話やメール・チャット・ビデオ通話など、さまざまなチャネルからの問い合わせに対応できるよう、スキルや専門知識・顧客の要望などケースに応じて的確な担当者に対応を割り振る機能です。

スタッフのリソースも加味したうえで、顧客の問い合わせ対応を各部署に所属する担当者に自動的に割当てます

顧客の待ち時間を抑えるだけでなく、従業員のスキルに関係なく公平に業務を割り当てるため、組織全体のスキルアップにつながります。

フィールドサービス管理機能

フィールドサービス管理機能は、遠隔での問題解決を支援するService Cloudの機能です。

従来のフィールドサービスとは、問題が生じた顧客のもとに従業員が訪問して、問題解決に取り組む派遣調整・管理サービスを指します。しかしService Cloudのフィールドサービス管理機能では、リモートでの問題解決に取り組むため、必要なナレッジとチャネルを各担当者に提供し迅速な問題解決を実現します。

作業の要約なナレッジ、ワークフローなど対応に必要な情報を担当者に提供することで、現地に出向かずとも理想的なフィールドサービスの実施が可能です。

ナレッジ管理機能

SalesforceのService Cloudには、ナレッジ管理機能が備わっています。

顧客の問い合わせ内容や問題に応じて、ナレッジベースから関連情報を見つけ、速やかに問題解決に取り組みます

関連情報を見つければ、顧客が課題や疑問を自己解決できるため、スタッフへの問い合わせが不要です。

ナレッジ管理機能で優れたナレッジベースを作成すれば、顧客満足度を向上し従業員の業務負担を軽減できます。

AI機能

SalesforceのService Cloudには、「Einstein」と呼ばれるAIが搭載されています

オムニチャネルのルーティング機能では、最適な人材が問い合わせに対応できるよう、「Einstein」がケース別に担当者を自動的に割り振っていました。

AIの「Einstein」を活用すれば、顧客が満足のする解答を提案するAIチャットボットでの顧客対応が可能です。

質問への解答や情報提供だけでなく、予約やアカウントのアップデートなどもAIが自動対応できます。

さらにチャットボットだけでなく、AIによる電話対応も可能で、対応記録を文字起こしや自動レコメンデーションで確認できます。

AI機能を活用すれば、従業員が対応するより短時間での問題解決を実現し、作業負担を大幅に軽減することが可能です。

Slackを活用したスウォーミング機能

SalesforceのService Cloudの主な機能には、Slackを活用したスウォーミング機能があります。

SalesforceをコミュニケーションツールであるSlackに連携することで、問い合わせの際に速やかにフィールドサービスを要請できます

専門性の高い人材がチャネルに集合し複数人での対応ができるため、難解な問い合わせにもチームワークによる問題解決を提案可能です。

さらにスウォーミングのデータは、自動的にSalesforceへ保管されるため、コンテンツをまとめて管理できます。

Slackを活用したワークフロー機能

SalesforceのService Cloudには、Slackを活用したワークフロー機能も実装されています。

スウォームでの学習データをそのままSlackのナレッジ記事に取り込み、Salesforce内で記事を編集・公開することが可能です。

ワークフローを自動化できるため、他部署に処理業務を依頼したり専任の担当者を探して業務を依頼したりと、組織内でコミュニケーションを取る時間と手間を削減できます。そのため、社員研修や予算の承認などのプロセスを削減し、サービス担当者が顧客対応に集中することが可能です。

カスタマーサービスインシデント管理

SalesforceのService Cloudの主な機能には、カスタマーサービスインシデント管理機能があります。

システムに搭載されたインシデント管理機能により、すぐに使用できる連携機能でシステムを監視し、潜在的な問題を洗い出します

インシデントは、チームに適したツールと実績のあるワークフローを活用して、速やかに解決することが可能です。

Slackを活用したスウォーミングツールによって、組織全体でのエキスパート同士を連携し、インシデントの解決を促進できます。

さらにリアルタイムのステータス更新を一元的に管理し、社内コミュニケーションを合理化するブロードキャスト通信も利用可能です。

インシデントが可視化されているため、顧客から問い合わせがある前に通知をし、チャネル全体をアップデートすることで問い合わせ件数の削減を実現します。

SalesforceのService Cloudを利用する際の料金プラン

SalesforceのService Cloudを利用する際の料金プランは、次のとおりです。

プランStarterProfessionalEnterpriseUnlimitedEinstein 1 Service
1ユーザーあたりの月額料金(税抜)3,000円9,600円19,800円39,600円60,000円
主なサービス例・ケースの管理
・カスタマイズ可能なレポート&ダッシュボード
・ナレッジベース
・ケーススウォーミング
・CTI(Computerized Telephony Integration)
・オムニチャネルケースルーティング
・カスタマーサービス向けAI
・セルフサービスのヘルプセンター
・ワークフローの自動化
・年中無休24時間体制のサポート
・AIを活用したチャットボット
・チャット
・堅牢な生成AIと予測AI
・Data CloudとTableau Analyticsでデータとチャネルを統合
・Slackによる連携と生産性
特徴・小規模な組織向けの顧客サポート
・ 1つの画面であらゆるチャネルを一元管理
・あらゆる規模の問い合わせに対応した包括的なサービス向けCRM
・カスタマイズ可能なレポート
・ダッシュボード搭載
・複雑なケース要件を管理可能
・APIを活用した高度な業務プロセスの自動化
・任意のシステムとの総合を実現
・無制限のCRM機能、サポート
・年中無休のサポート
・100種類以上のアドミンサービス
・AIによる複数のチャネルの一元管理
・Slackとの連携による業務効率化、顧客対応の充実化
・高精度なAI搭載
参照元|Salesforce Service Cloud「カスタマーサービス製品の価格」

最安値の「Starter」であれば1ユーザーあたり月額3,000円(税抜)で利用でき、最高値の「Einstein 1 Service」は1ユーザーにつき月額60,000円(税抜)の利用料金が発生します。

自社の対応規模や目的・予算に応じたプランで、Service Cloudを利用しましょう。

SalesforceのService Cloudを導入するメリット

SalesforceのService Cloudを導入するメリットは、次のとおりです。

  • 顧客満足度の向上につながる
  • 人的リソースを効果的に活用できる
  • 情報を一元管理できる

SalesforceのService Cloudを導入するべきか悩んでいる企業は、導入するメリットを確認しておいてください。

顧客満足度の向上につながる

SalesforceのService Cloudを導入するメリットは、顧客満足度の向上につながることです。

蓄積したナレッジから適切な情報をスムーズに取り出し、顧客の課題解決をサポートできます。

さらに簡単な問題であれば、ナレッジを提供することで顧客が自己解決し、問題解決にかかるスピードを向上できます

人的リソースを効果的に活用できる

SalesforceのService Cloudを導入すれば、人的リソースを効果的に活用することが可能です。

ナレッジ機能を活用することで、顧客が問題を自己解決できるようになれば、従業員は重要度の高い問い合わせだけに注力できます。

カスタマーサービス機能によって担当者を自動割り当てし、AIによる自動対応で従業員のリソースを軽減すれば、必要な業務にリソースを効果的に活用できます。

情報を一元管理できる

SalesforceのService Cloudを導入するメリットは、情報を一元管理できることです。

ケースやナレッジなどの顧客対応に必要な情報と、顧客の詳細情報をまとめて管理することで、効率的なカスタマーサポートを実現できます。

顧客の動向や問い合わせの内容が可視化されるため、顧客それぞれに適した対応がしやすいです。

また情報を一元管理できるため、管理業務にかかる工数を軽減できます。

SalesforceのService Cloudを導入する際の準備項目

SalesforceのService Cloudを導入する際には、次の準備を進めましょう。

  • 導入目的を定める
  • SMARTなKPIを設定する
  • 運用体制を整備しておく

それぞれの準備項目を整えると、Service Cloudを効果的に活用できます。Service Cloudを導入して、実際にどのように活用するべきか悩まないためにも、それぞれの準備を進めておきましょう

導入目的を定める

Service Cloudを導入する前に、「なぜService Cloudを導入するのか」目的を定めておいてください

どのような課題を解決し、どのような業務を効率化したいのか、現状の課題と照らし合わせて目的を定めておくことが大切です。

導入目的が不明瞭な状態でService Cloudを導入しても、KPIの設定が曖昧になりシステム導入による効果を測定しにくいです。

SMARTなKPIを設定する

導入目的を定めた後は、SMARTなKPIを設定しましょう。KPIを設定する際には、下記のSMARTを意識しておくことが大切です。

  • Specific(具体的な)
  • Measurable(計測可能な)
  • Achievable(達成可能な)
  • Relevant(関連した)
  • Time-bounded(期限を定めた)

KPIを、期限を定めて設定することが大切です。Service Cloudの導入効果を測定するために、SMARTを満たしたKPIを設定しましょう。

運用体制を整備しておく

SMARTなKPIを設定しても、運用体制が整っていないと適切にシステムを運用できません。Service Cloudの導入準備として、運用体制を整備しておく必要があります。

具体的にはオンボーディングプログラムの策定や、オペレーションフローの設計、必要なスキル・ノウハウを持つ人材の獲得・配置などが挙げられます。

Service Cloudを導入して運用できる体制を整えることで、システムの機能をフル活用しカスタマーサポートを効率化できます。

SalesforceのService Cloudを導入してカスタマーサポートを効率化しよう!

SalesforceのService Cloudは、カスタマーサポートを効率化するためのプラットフォームです。

ナレッジ管理やフィールドサービス管理、AI機能による自動対応チャットボットや電話対応など、顧客対応を自動化し精度を高める機能が実装されています

自社に適した料金プランを確認して、Service Cloudによる高精度なカスタマーサポートを実現しましょう。

Service Cloudを導入する前には、導入目的を定めてSMARTなKPIを設定し、運用体制を整備しておく必要があります。

この記事で紹介したService Cloudを導入する目的と主な機能を参考に、導入するべきか検討してください。

弊社株式会社FLUEDではBtoBのマーケティングにお悩みの方へ、無料のオンライン相談会を実施しております。
数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。
ぜひこちらからお気軽にご予約ください。


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。