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HubSpotでChatGPTは活用可能?OpenAIの技術を活かした2つの機能を解説

2023.09.27

2023.09.27

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HubSpotでChatGPTは活用可能?OpenAIの技術を活かした2つの機能を解説

入力したテキストに対して自然な回答文を返す「ChatGPT」や、プロンプトと呼ばれる指示を与えるだけでオリジナル画像を生成できる「Stable Diffusion」といったサービスが登場し、生成AI技術に注目が集まっています。

生成AIは趣味目的以外に、ビジネスシーンでも資料作成や自動翻訳、プログラミングなどに活用できるのがポイントです。この技術が実は、顧客管理システムのHubSpotでも使えるのをご存じでしょうか。

2023年3月、HubSpotのアップデートにより、「コンテンツアシスタント」と「ChatSpot」の2つの機能がリリースされました。これらの機能を活用することで、良質なコンテンツのアイデア創出が可能になり、営業やマーケティング、カスタマーサポートの領域でさらなる業務効率化につながります。

本記事では、HubSpotに搭載された生成AI技術の仕様を詳しく解説します。

HubSpotで生成AI(GPT)技術は活用できる?

近年注目を集める生成AI技術を、現場で活用している業務システムなどにどう活かせるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。HubSpotは、CRMツールとしていち早く生成AI技術を取り入れ、2つの機能をアップデートしました。

2023年3月に2種類の生成AI機能が追加

もともとHubSpotは、顧客情報を一元的に管理できるCRMツールです。顧客の属性や行動履歴などの情報を一つのシステムに集約し、関係構築・強化やニーズの深掘りに活用できます。

営業活動を効率化するSFA(営業支援システム)や、マーケティング活動の自動化につながるMA、カスタマーサポートに役立つ問い合わせ管理システムなどの製品が用意されており、CRMツールと連携して使えるのが特徴的です。

2023年3月より、このHubSpotに生成AI技術を活用した機能が追加されました。

生成AIとは、テキスト形式で機械に簡単な指示を与えるだけで、文章や画像、音声、動画といったオリジナルコンテンツを創作する技術を指します。HubSpotに搭載された生成AIは、「コンテンツアシスタント」と「ChatSpot」という名称の機能です。

OpenAI社のGPTモデルを採用

コンテンツアシスタントとChatSpotの機能はいずれも、ChatGPTの開発元であるOpenAI社の「GPT」という技術が採用されています。

GPTには、人間が使う言葉や口語などを正確に理解できる自然言語処理技術が採用されており、テキストで指示を与えると、機械が自然な言語で回答を返してくれます。2023年9月時点でGPT1からGPT4まで複数のバージョンが開発され、最新型のGPT4ではテキスト以外に画像や動画の生成も可能です。

このような技術をHubSpotに活用することで、簡易的な指示だけでコンテンツ制作のアイデア出しや、レポート・メールの自動生成などが行えるようになります。結果、営業やマーケティング、カスタマーサポート領域での大幅な業務効率化が見込めるでしょう。

2023年9月の段階で、コンテンツアシスタントはパブリックベータ版が公開されています。日本語でも利用できますが、回答精度が英語に最適化されている点には注意が必要です。ChatSpotはパブリックアルファ版が公開されており、現在は英語でのみ利用可能です。

コンテンツアシスタントとChatSpotの特徴

では、コンテンツアシスタントとChatSpotを活用すると、どのようなことが可能になるのでしょうか。ここでは、それぞれの機能を具体的に解説します。

コンテンツアシスタント

HubSpotのMA「Marketing Hub」のなかに実装されている機能です。テキストで指示を与えるだけで、AIがメールの文面を考えたり、ブログ記事のアイデアを出したりと、コンテンツ制作を機械がサポートしてくれます。

活用方法の一例は次の通りです。

  • ブログ記事のタイトルや想定KWに対するアウトラインの作成
  • 人間が作成したアウトラインに沿ってブログ記事の本文を執筆
  • LP(ランディングページ)内に魅力的なCTAを設置
  • 見込み客の志向に合わせて営業メールの文面を構築
  • 絵文字やハッシュタグを組み合わせてInstagramのリッチな投稿文を作成

従来のAIは、データ集計やメール通知など、定型業務を自動化するのが得意でした。一方の生成AIは、新たなコンテンツを生み出せるため、上記のようなマーケティング担当者にとってコア業務にあたる作業の自動化が可能です。

AIのサポートを得ることで、チーム全体の創造性を高め、より魅力的で価値あるコンテンツを見込み客に提供できるでしょう。

ChatSpot

HubSpotのCRMツールに連携することで利用できる機能です。テキストで指示を与えると、CRMツールに関連するさまざまなタスクをAIが自動的に実行してくれます。

ChatSpotの主な活用方法は次の通りです。

  • CRMツールのシステム上に取引先や連絡先などのレコードを追加
  • 蓄積されたデータをもとに任意のレポートを作成
  • 新規開拓に必要な潜在顧客の情報収集
  • 売上予測データの一覧表示

本来、このような定型業務を自動化するには、HubSpotのシステム上にワークフローを構築し、作業の起点となるトリガーを設定する必要がありました。その点、ChatSpotなら、簡易的なテキストで指示をするだけで済みます。

顧客情報を扱う営業やマーケティング、カスタマーサポートなどの領域で、大幅な業務効率化につながるのが利点です。

コンテンツアシスタントとChatSpotを利用する際の注意点

開発されて間もない生成AI技術だからこそ、まだ具体的な活用方法や関連する法律が整備されていないのが現状です。そのため、コンテンツアシスタントやChatSpotを活用する際は、次の3つのポイントには十分に配慮する必要があります。

  • 出力結果が必ずしも正確とは限らない
  • 法的な問題を加味する
  • 学習コストが発生する可能性がある

出力結果が必ずしも正確とは限らない

生成AIは、人間の指示を読み取り、その内容に即した独自のコンテンツを生成するのが特徴です。しかし、現在の技術では、生成したコンテンツのなかに誤情報が含まれるケースもあり、正誤を判別するのが難しい傾向があります。

HubSpotの公式ページでも、以下のような注意書きが掲載されています。

生成AIは最先端の技術であるため、このツールの成果物を公開または実際に利用される前に、出力が事実に基づいているか、正確なのかどうかをご自身で検証していただくようお願いいたします。

引用元:コンテンツアシスタントに関するFAQ|HubSpot

機能を使い始めたときは特に、生成されたコンテンツや作業結果を正解と照らし合わせることが大切です。

例えば、文章コンテンツを生成する際は、エビデンスや文脈をチェックすると良いでしょう。定型業務を自動化する際は、現場担当者を交えて出力結果の正誤をしっかりと確認することが重要です。

法的な問題を加味する

AIが生成したコンテンツを世の中に向けて発信する際は、法的な観点を検証する必要があります。そのコンテンツの著作権の所有者や、誰から使用許諾を得られるかといった点を確認しておくことが重要です。

このような問題は、特に画像生成AIの分野で起きやすいとされています。

例えば、元となる画像と出力後の画像が酷似している場合、元画像の制作者からクレームが発生するようなケースが想定されるでしょう。あるいは、生成AIによって制作した画像が無断複製された際、その著作権は誰に帰属するのかといった点も考慮が必要です。

ブログ記事やメールの文面など、テキスト生成の場合も配慮が求められます。生成物がほかの著作物を引用・改変している場合は、引用元の著作権者の許可が必要になるケースも考えられるためです。

学習コストが発生する可能性がある

2023年9月時点において、コンテンツアシスタントとChatSpotは、日本語には完全に対応していません。

コンテンツアシスタントは日本語による指示が可能ですが、英語をベースにAIが出力結果を考えるため、指示と異なる結果が現れる可能性があります。ChatSpotは現状、日本語での指示には対応していません。

そのため、両者の機能を使いこなすには、英語で適切な指示を与える必要があるでしょう。

適切な指示を与えるためにプロンプトの基礎を学習したり、英単語を習得したりと、学習コストが発生することも考えられます。また、翻訳ツールを導入する場合は、その初期費用や運用コストを予算に組み込む必要があります。

HubSpotで詳細なターゲティングを行うなら「部署・役職仕分けツール」が便利

株式会社FLUEDは、HubSpotで利用できる生成AI系のツールを提供しています。「HubSpot役職仕分けツール by GPT」および「HubSpot部署仕分けツール by GPT」の2つが該当します。

HubSpotで詳細なターゲティングを行うなら「部署・役職仕分けツール」が便利

これらのツールは生成AI技術により、HubSpotのシステム内で部署名・役職名を所定区分ごとに自動仕分けできるのが特徴です。

膨大な量の取引先情報が蓄積されていても、簡単に必要な情報を絞り込めます。「営業・販売部門」「経理・財務部門」「マーケティング部門」といった部門別に、部署・役職データを仕分けることも可能です。

2つのツールを活用することで、ターゲティング精度を高めたうえでのメール配信や、ABMへの活用などが実現します。

詳細はこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:HubSpot内の部署/役職を生成形AIで自動仕分け!BtoBマーケ・営業を効率化する最新ツール

生成AI技術を活用してHubSpotの利便性を高めよう

ChatGPTやStable Diffusionなど、生成AI技術の人気の高まりとともに、さまざまなサービスが登場している昨今。いままで社内で活用していた業務システムやソフトウェアにも、生成AI技術が活用されるケースが増えています。

今回紹介したHubSpotの2つの機能は、いずれも生成AI技術が採用されています。

AIのサポートを得ながら、コンテンツ制作や定型業務を効率良くこなせるため、この機会にさっそく活用してみてはいかがでしょうか。ただし、出力結果の整合性や、法的な課題などをしっかりと検証したうえで活用することが大切です。

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松永創 FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。