
企業が営業活動を行う上で、商談はとても重要な役割を担っています。商談の結果が、その企業の今後を左右するといっても、過言ではありません。
しかしその一方で、商談の種類について正しく理解できていない方もいることでしょう。
そこで本稿では、商談を構成する4つの種類を解説するとともに、各タイプごとの目的、具体的に行うべきタスクなどについても紹介します。
実践で使える方法を数多く解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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コンテンツ目次
商談とは

そもそも商談とは、一体どのようなものなのか、正しく理解できている方は少ないのではないでしょうか。
ここでは、商談について、以下3つの観点から詳しく解説します。
- 商談の定義
- 商談の目的
- 商談と打ち合わせの違い
商談の定義
製品や取引などに関する話し合いや交渉を行うことを商談といいます。売り手が主導のもとに行われるのが特徴です。具体的には、以下のポイントを伝えることで契約の締結に誘導します。
- 自社製品を購入すると、どのようなメリットが得られるのか
- アフタフォロー体制について など
商談は最終的に、製品・サービスを導入してもらうのが目的です。そのため、担当者は、顧客からの契約内容に関する質問や価格交渉などにも、柔軟に対応する必要があります。
商談の目的
顧客に自社の製品・サービスを認知してもらうことが、商談の目的だといえます。製品・サービスが知られることにより、売上が増加し、ひいては安定した経営を行えるからです。
たとえ、多くの方に知られている製品・サービスであったとしても、商談は欠かせません。受注単価が高かったり、知らないユーザーへアプローチしたりする際に、必ず商談が必要になります。
そのため、各企業は積極的に商談を行い、より多くの顧客に製品・サービスを知ってもらう必要があるのです。
商談と打ち合わせの違い
商談と似た意味をもつ言葉として、打ち合わせがあります。たしかに、顧客と面談を行う点においては、同じです。
しかし、商談と打ち合わせは、最終的なゴールが異なります。両者の目的は、以下のとおりです。
- 商談:自社製品・サービスを購入してもらうこと
- 打ち合わせ:取引成立後の確認やフォロー、進捗状況の確認など
上記のように、打ち合わせは、あくまで取引が成立したあとのタスクになります。これを機に、両者の違いを正しく理解しましょう。
商談の種類

商談と一口にいっても、その種類はさまざまです。種類が異なれば、当然、各タイプごとでの目的やアプローチの方法が変わります。商談の成約率を高めるためにも、各種類についての理解は欠かせません。
逆に、商談の種類を理解できていない状態で、顧客にアプローチするのは大変危険です。適切な営業を行うことができず、商談が失敗に終わってしまう恐れがあります。
では一体、商談の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的には、以下の4種類です。
- コンセプト紹介商談
- デモ商談
- ヒアリング商談
- クロージング商談

ちなみに上記は、弊社株式会社FLUEDで整理している商談タイプの一覧です。
以降の章では、4種類の商談について、一つずつ詳しく解説します。これを機に、商談の種類に関する理解を深め、成約率を高めましょう。
1.コンセプト紹介商談
コンセプト紹介商談は、製品・サービスのコンセプトについて、プレゼンテーションを行い、顧客からの共感を得るのが目的です。
とくにコンセプトは、商談を進めるにあたって土台となるものです。その後の商談を円滑に行うためにも、コンセプト紹介相談は、大きな役割を担っています。
プレゼンテーションを行う際は、以下の観点を中心とした説明が求められます。
- Why:なぜ、その製品・サービスを導入する必要があるのか
- What:その製品・サービスで、何の課題を解決するのか
まずは、Whyに関する部分からプレゼンテーションを行い、徐々にWhatの部分へと話を進めるようにしましょう。
コンセプト紹介商談に関しては、事前のマーケティングコンテンツなどでスキップできるケースもありますが、ここからスタートするのが一般的です。
商談終了時の示唆質問
商談が終わったあとは、次のフェーズである「ソリューションデモ」で刺さりそうな課題を確認する必要があります。具体的には、以下のような質問を投げかけると良いでしょう。
- どういう製品・サービスで、御社のXXXという課題に、YYYの点でお力添えできそうなことはご理解いただけましたか?
- 今日は【課題1】と【課題2】についてお話ししましたが、どちらに興味がありますか?デモさせていただくとしたら、他にも参加いただいた方が良い方は社内にいらっしゃいますか?
商談当日に行うこと
商談当日は、以下のタスクを必ず行いましょう。
- 次回:ソリューションデモの約束
- 連絡先/連絡方法の確認
- チャット/メッセージでのやり取り方法
- ソリューションデモで刺さりそうな課題の確認
タスクは、当日中に実施することがとても重要です。また、次回のスケジュールをおさえる際は、終了10分前を目処に行うと良いでしょう。
2.デモ商談
デモ商談は、製品・サービスで解決できることについてプレゼンテーションを行い、顧客に課題解決までのプロセスをイメージしてもらうのが目的です。
プレゼンテーションを行う際は、どのようにして顧客の課題を解決するのか(How)を中心に説明することが求められます。
また、説明する際は、相手にとってどのようなメリット(ベネフィット)があるのかを提示することが重要です。
顧客が製品・サービスを購入するときは、その製品やサービスを使うことで得られるメリットや未来を想像して買うからです。
具体的には、以下のように説明すると良いでしょう。
- この製品を購入することで、XXXのコストを年間で100万円削減できます
- 当社のサービスを導入すると、御社の毎月の売上を20%向上できます
- 弊社のサービスを導入していただくことで、YYYの業務時間を月に30時間削減でき、空いた時間を他の業務に割くことができます
上記のように、ただメリットやベネフィットを述べるだけではなく、具体的な数字を入れると、より説得力が増します。
商談終了時の示唆質問
商談終了後は、以下のような質問を投げかけると良いでしょう。
- 製品の機能について、イメージをご理解いただけましたでしょうか?
- 御社の現状にフィットするかどうか、導入に向けて色々とヒアリングさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
- ヒアリングさせていただくとしたら、他にも参加いただいた方が良い方は社内にいらっしゃいますか?
顧客の製品・サービスに対する理解度を確認するとともに、次回の導入ヒアリングに向けた質問の実施が求められます。
商談当日に行うこと
商談当日は、以下のタスクを必ず行いましょう。
- 次回:導入ヒアリングの約束
- 連絡先/連絡方法の確認
- チャット/メッセージでのやり取り方法
- ヒアリング項目事前送付
とくに、次回のヒアリング商談に向けて、質問項目の事前送付は欠かせません。忘れることのないよう気をつけましょう。
3.ヒアリング商談
ヒアリング商談は、導入に向けて詳細な情報を確認することが求められます。なお、このとき、顧客はすでに導入したい意思をもっており、以下の3つを理解しているのが前提です。
- Why:なぜ、その製品・サービスを導入する必要があるのか
- What:その製品・サービスで、何の課題を解決するのか
- How:どのようにして、課題を解決するのか
ヒアリングを行う際は、いきなり本題に入らず、まずは雑談などで相手の緊張を和らげてから、本題へと進むようにしましょう。
また、ヒアリングする際は、話す順番を意識することも大切です。具体的には、顧客が回答しやすい以下の順番で話をすると良いでしょう。
- 現在:今行っている取り組みやその成果・課題など
- 過去:過去に行なってきた取り組みやその結果など
- 未来:KPI(重要業績評価指標)や最終的なゴールなど
なお、ヒアリング商談時は、顧客にとって必要な材料をそろえてあげることが求められます。この段階では、プランの選択や見積もり提出のために必要な条件はすべてクリアにし、材料をそろえることを心がけましょう。
商談終了時の示唆質問
商談終了後は、以下のような質問を投げかけると良いでしょう。
- こちらでお見積りをお出ししますが(プランはXXXになりますが)、解決できる課題と費用感はマッチしそうですか?
- もしやるとしたら、いつぐらいになりますか?◯◯さまのチームでご検討されますか?
- 他に検討するにあたり、必要な資料などはありますか?他にもご説明したほうが良い方はいらっしゃいますか?何なら、私が説明しましょうか?
商談当日に行うこと
商談当日は、以下のタスクを忘れずに行いましょう。
- 次回:クロージングの約束
- 連絡先/連絡方法の確認
- チャット/メッセージでのやり取り方法
4.クロージング商談
顧客の検討材料がすべてそろったら、具体的な時期や金額を決める必要があります。これまでのフェーズがうまくいったとしても、クロージングがうまくいかなければ、成約にはいたりません。それだけに、慎重さが求められます。
しかし、いざ契約を結ぶとなると、顧客は不安を感じるものです。導入する製品・サービスが高額であれば、なおさら不安が高まるでしょう。
そこで、商談の成約率を大きく高めるために、選択肢を与えることが欠かせません。自分で選ぶ感覚を持たせることによって、納得感が高まるからです。
選択肢は2つでも構いませんが、3つあるとより良いでしょう。
また、人は選択肢が3つある場合、真ん中を選ぶ傾向があります。そのため、契約してもらいたいプランを真ん中に設置すると効果的です。
商談終了時の示唆質問
商談終了後は、以下の質問を投げかけると良いでしょう。
- 解決できる課題と費用感はマッチしそうですか?
- もしやるとしたら、いつぐらいになりますか?〇〇さまのチームでご検討されますか?
- 他に検討するにあたって必要な資料はありますか?
- 他にもご説明したほうが良い方はいらっしゃいますか?もし良ければ私が説明しましょうか?
とくにクロージング時には、顧客に対して製品・サービス導入後をイメージさせることが求められます。
製品・サービスを導入したあとについて、具体的に想像させることができれば、顧客の導入意欲も大きく高まるでしょう。
商談当日に行うこと
商談当日は、以下のタスクを必ず行いましょう。
- 次回:再クロージングの約束
- 連絡先/連絡方法の確認
- チャット/メッセージでのやり取り方法
クロージング商談は、1回目で顧客が必ずしも意思決定を下すとは限りません。社内にて、検討する時間を必要とするケースもあるからです。
そのため、次回のクロージング商談の約束は確実に行いましょう。
まとめ:商談の種類を理解して成約率を高めよう

今回は、商談の種類について、各タイプごとでの目的や具体的に行うべきタスクなど、幅広く解説してきました。
商談の成約率を高めるためには、ライバル会社との差別化を図るのは当然のこと、各フェーズについての理解が欠かせません。商談の種類を正しく理解することで、目的や実施すべきタスクが明確になるからです。
本稿の内容を参考にして、商談の成約率を高めましょう。

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