【営業DX事例】 HubSpotを活用したインバウンド型営業で問い合わせ数30倍以上に/㈱soraプロジェクト

2022.08.23

2022.08.26

COLUMNS

2022年6月19日に発売された㈱FLUED・松永と、㈱ネットショップ支援室・山本氏の共著『業務効率化からはじめるBtoB営業DX』より、営業DX先進企業のインタビューをご紹介します。

営業DXツール導入までのいきさつや、 デジタル化によって解決できた問題からまだ残されている課題まで徹底取材しました。

プロジェクトの責任者ならではの 苦労話を交えながら、現場のリアルな声をお届けします。

今回はHubSpotの活用やコンテンツマーケティング施策の強化により問い合わせ数や資料ダウンロード数を飛躍的に伸ばされた株式会社soraプロジェクトさまのインタビューです。

  • 導入ツール:顧客管理システム(CRM)、営業管理システム(SFA)、マーケティング自動化システム(MA)
  • お話:代表取締役社長 樋口 裕貴さん
  • 聞き手: 株式会社FLUED 松永創

アウトバウンド型の失敗を糧に

松永:早速ですが、御社の主な事業をご紹介いただけますか。

株式会社soraプロジェクト 樋口 裕貴さん(以下・樋口):2007年に創業し、法人に特化したテレアポ代行、インサイドセールス代行業務を行っています。本社は福岡ですが、顧客のほぼ100%が東京の企業様で、これまでに1,000 社以上をご支援させていただきました。その中で培われた知識やノウハウを、福岡を本拠地にしているからこその〝ちょうどいい〟 価格帯でご提供しています。これこそが、弊社の大きな強みです。

株式会社soraプロジェクト・ホームページ

松永:本社組織をはじめ、営業部署やコールセンターなどもすべて福岡に置かれていますよね。九州の企業がどのように東京の企業にアプローチされているのか、気になる方がたくさんいると思います。

樋口:その点についてはよくご質問をいただきます。現在の営業活動は、インバウンド型を主軸としています。そのため、東京にも営業所はありますが、実際の営業となると、福岡を拠点としたリモートが主です。

松永:インバウンド型の営業とは、まずは情報発信などで御社に興味や関心を持ってもらい、その後は相手先を訪問することなく顧客のアクションを促す方法ですね。逆に、御社から直接アプローチをする、アウトバウンド型の営業を試されたことはあるのですか?

樋口:アウトバウンド型の営業については、過去に苦い経験があります。顧客のニー ズやどういった企業をターゲットにすべきか、右も左も分からない状態で動き始めてしまい、思うような結果につながりませんでした。

松永:インバウンド型に営業を絞られたということは、御社のマーケティング施策が顧客獲得に結びついている、ということですね。

樋口:そうですね。弊社はどちらかというとマーケティングに強い会社だと思います。 特に力を入れ始めたのが10期目あたりで、そこから売上が急に伸びたという実感があります。月に3〜4件だった問い合わせが、今では120件以上にまで増えました。

松永:120 件!30倍以上ですね!!

樋口:実はDXプロジェクトでは、かつて失敗も味わっています。お取引先が大幅に増えたことで営業の人員を新たに確保した……まではよかったのですが、スプレッドシートでギリギリまかなえていた、ある意味アナログ的な管理手法に限界が見えてきました。そこで、CRMとSFAの導入を決断したのです。

松永:デジタル化を進めて、業務の効率化を図ったわけですね。

樋口:そこで、とある営業管理ツールを取り入れたのですが、コストと労力の両面で大きな問題が生じてしまいました。初期構築とランニングコストで年間約500万円かかってしまったこと。また、労力面では、構築や運用にかなりの工数を要し、マーケティング専任のスタッフが約1カ月間、導入作業にかかりきりになってしまいました。

松永:営業DX ツールで効率化するはずが、本末転倒になってしまったのですね。

樋口:次第に、「これでは業務が立ちいかない。他のツールに変更しよう」という声が社内で大きくなっていきました。

低コスト・使いやすさで「HubSpot」を導入

松永:実際に、ツールの変更に取り組みだしたのはいつごろですか?

樋口:2021年3月ごろに「HubSpot」への乗り換え案が浮上し、最終的に本格導入したのは同年の8月です。「HubSpot」に特に魅力を感じたのは、CRM、SFA、MAが一体化していて扱いやすい点でした。

松永:MAは、御社が得意とするマーケティング戦略には欠かせない機能ですよね。

樋口: 「HubSpot」は管理画面が分かりやすく扱いやすいうえ、導入もスムーズに行えました。以前の営業管理ツールは初期設定にかなりの時間を要しましたが、「HubSpot」はノーコードというのが大きかったです。おかげで、マーケティングの担当者は、Web 広告などに力を入れつつ、並行して営業 DX ツールも運用できるようになりました。

松永:コスト面ではいかがでしたか?

樋口:費用は以前のツールの5分の1ぐらいです。初期構築はほぼ社内で行ったため導入コストはゼロに近いですし、年間のランニングコストは90万円ほどです。しかもテスト導入は無料、ある程度使い慣れてきたら2万円、さらに高度な機能を使うなら5万円……と段階的に導入できたのも助かりました。

松永:「使いやすいかどうか」「会社にフィットするかどうか」といった使用感は、ある程度運用してみないと分からない部分もありますよね。

樋口:はい。そうしたプロセスを経て、リード獲得から営業管理まで「HubSpot」1本に切り替えました。

松永:営業管理の面ではどのような変化がありましたか?


樋口:こちらはスプレッドシートで管理していたときの会議資料です。「HubSpot」導入前までは、このように営業担当者ごとに契約金額とランクの軸で管理していました。この状態だと、たとえば「この案件に対してどのような提案をしたのか?」「先週までの売上はいくらだったのか」といった情報をすべて口頭で説明しなければなりませんでした。しかも、売上が不足していても原因がよく分からず、「もっとがんばってね」としか言えない状況で(笑)。 

松永:数字だけではその裏にあるストーリーまで追えませんよね。

樋口:今は「HubSpot」のフォーキャスト(売上予測)機能によって、営業全体の進捗状況がすべて可視化され、営業の〝読み〟も管理できるようになりました。またセールスアナリティクス機能を使ってレポートを作成し、チーム内での情報共有も行っています。

HubSpot活用イメージ。時系列や営業担当ごとでの表示が可能になる。

松永:「HubSpot」によって、アナログな営業管理が自動化されただけでなく、営業の打ち手が明確になった感じがしますね。他に活用されている機能はありますか?

樋口:CRMをはじめ、チャットボットや商談自動予約(日程調整ツール)、連絡先の自動連携といった機能を使っています。「HubSpot」導入前は、チャットツールや日程予約ツールが CRM とは連携されておらず情報が錯綜していました。 「HubSpot」はさまざまなツールが一元化されているので、使い勝手やコスト的にもかなり優秀だと思いますよ。

トップページ画面のチャットボット
商談予約のポップアップフォーム

松永:インバウンド型の営業に必要なツールがオールインワン化されていますからね。

LPを起点にリード獲得数が急伸

松永:御社がリード数を一気に伸ばした施策についても、少しおうかがいしたいので すが。

樋口:もっともインパクトが大きかったのはLP(ランディングページ)のSEO(検索エンジン最適化)ですね。

松永:LP では、どんなキーワードにフォーカスされているのですか?

樋口 現在、「テレアポ代行」と「インサイドセールス代行」では、どちらも 〜 位 ぐらいの上位に表示されています。ここを入口として月に数十件の問い合わせ があるので、弊社にとって SEO は「集客の肝」と言えます。そして、着地点 である LP には、以下のような調整を日々行っています。

  •  デザイン面/クリックボタンの微調整や追加といったCTAの改善
  •  コンテンツ面/250万件のコール実績をPRするなど、権威性を持たせる情報を掲載

また、これも「HubSpot」の機能ですが、チャットボットや商談予約のポップアップフォームを設定して、お客様が問い合わせしやすい工夫も取り入れています。そして、爆発的に問い合わせ数が伸びた施策と言えば、ダウンロード資料(ホワイトペーパー)の作成です。「HubSpot」の Web閲覧履歴のトラッキング機能 などからニーズをとらえ、お客様が興味を持つ資料をご用意したところ、大変反響がありました。ダウンロード時に企業名や連絡先を入力していただけるので、確実なリード獲得につながりました。

松永:確かに、LPに訪れてもらっただけでは、リードの情報は得られませんからね。

樋口:少し前までは問い合わせフォームから問い合わせをいただかない限りお客様の情報は得られませんでした。なのでこの施策はとてもよかったと思います。また、コンテンツマーケティングにも力を入れています。ターゲットとなるお客様が検索しそうなキーワード……「営業代行 比較」「営業 ターゲティング」 などを盛り込んだコンテンツを数多く制作し、潜在顧客にアプローチしています。言うなれば「たくさんの網を張っておく」施策です。

松永:まさに網ですね。

樋口:実はSEO 用のメディアサイトの中に20記事ほど、作りっぱなしのまま7〜8年もの間アクセス数が伸び悩んでいたコンテンツがありました。それらを「テクロ株式会社」というパートナー企業に見直してもらい、タグや表示速度の改善に取り組んでみたのです。結果、PV 数で言うと、2020年7月が月間1万2000PVだったところ、2021年6月には6万PVにまで伸びました。

松永:5倍も! そして、このSEO用メディアサイトからも資料のダウンロードができるわけですね。

樋口:はい、最終ゴールは資料のダウンロードですから、バナー位置など導線の改善も重ねました。ダウンロード数は月間で2 件(2020年7月)から47件(2021年10月)に増えています。「コンテンツマーケティングは PV を伸ばすだけでは意味がなく、資料ダウンロードといったCV(コンバージョン)が得られて初めて成功する。部分最適化してはならない」と、テクロの担当さんもおっしゃっています。

松永:soraプロジェクトさんは、アナログな営業管理から脱却するための守りの営業 DX を、効果的なマーケティング施策を打ち出し、リード獲得という攻めの営業DX にもつなげていることがよく分かりました。

樋口:「HubSpot」の導入は、弊社の営業、マーケティングを劇的に変えました。そして、今後は「HubSpot」を最大限活用することが目標です。中でも、外部サービスとの相性の良さに着目していて「freeeサイン」(電子契約サービス)や「freee会計」(クラウド会計サービス)、さらに「Notion(ノーション)」(ナレッジ管理ツール)などと「HubSpot」を連携させることで工数を削減し、さらなる効率化を目指したいと思います。そして、その効率化で得られたリソースで営業、マーケティング強化により力を注ぎ、右肩上がりの売上を継続していきたいと考えています。

松永:地方はチャンスに恵まれていないと思い込んでいる企業は少なくないと思いますが、お話をうかがい、地方企業でも DX の推進で十分にチャンスは広げられるのだと、改めて感じました。樋口さん、ありがとうございました。

営業DX推進でココが変わった!

  • 福岡を拠点に、東京の顧客を獲得
  • 自社にフィットした営業DXツールでマーケティング強化
  • 外部サービスとの連携でさらなる業務効率化、売上アップへ

書籍のご購入はこちらから

株式会社ネットショップ支援室 代表・山本 皓一朗氏と株式会社FLUED 代表・松永の共著『業務効率化からはじめるBtoB営業DX』が2022年6月19日に発売されました。

明日からでも始められる営業DXのヒントが詰まった1冊となっておりますので、営業DXを進める第一歩として、お手に取っていただければ幸いです。

ご購入はこちら:https://www.amazon.co.jp/%E6%A5%AD%E5%8B%99%E5%8A%B9%E7%8E%87%E5%8C%96%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%82%8BB-B%E5%96%B6%E6%A5%ADDX-B-B%E5%96%B6%E6%A5%AD%E3%82%82%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E5%8C%96%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B-%E6%9D%BE%E6%B0%B8%E5%89%B5/dp/4801481051


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。