BtoBマーケ/営業DX診断へ

インサイドセールスでリードの優先度をつけるスコアリングの方法を解説

2022.05.16

2023.06.08

BtoBマーケティング

インサイドセールスで獲得したリードの属性や行動に応じてポイントを加算し、見込み客のステージを数値で示すことをスコアリングといいます。

スコアリングを実施すると優先順位が把握でき、営業活動を効率化できるので、マーケティング担当者は知っておくべき方法です。しかし、「スコアリングの方法がよくわからない」という担当者は少なくないでしょう。

そこで今回の記事では、スコアリングの意味や実施するメリット、具体的な方法、そして優先度を決めるコツを解説します。マーケティング活動にスコアリングを取り入れると、社内連携がスムーズになり、営業の生産性が上がるので、ぜひ参考にしてください。

ちなみに弊社では、HubSpotのリード情報にさまざまなデータを付与できる「FindFolio」をリリースしました。従業員情報や法人番号などの詳細な属性データを提供でき、簡単に導入いただけるのが特徴です。

資料ダウンロードはこちらからどうぞ。

インサイドセールスにおけるリードの優先度

インサイドセールスを実施する際、リードに優先順位をつけることは非常に重要です。その理由を解説するために、まずインサイドセールスの特徴から説明します。

インサイドセールスは、BtoB事業と相性が良いといわれています。BtoBで取り扱う商材はBtoCと比較して単価が高く、検討時間が長期に及ぶ傾向にあるからです。

リード創出から受注までの長期間において、すべての見込み客に訪問営業でコンタクトを取るわけにはいきません。そこでインサイドセールスを実施すれば、客先に足を運ばなくても効率的にアプローチが可能です。

アプローチをするにあたり、「受注に近いリード」から積極的にコンタクトを取ることで、受注までの時間を少しでも短くできます。したがって、インサイドセールスにおいてリードの優先度を把握することは重要といえるでしょう。

では、どのように優先度を把握すればいいか、「スコアリング」という方法を次に解説します。

リードの優先順位をつけるスコアリングとは

冒頭でもお伝えしたとおり、スコアリングとは見込み客の属性や行動にポイントをつけ、見込み客の状況を数値化することです。

スコアリングを実施することで、マーケティングや営業チームはどのクライアントにアプローチすればいいか、判別できます。たとえば、「スコアが100点以上のリードにはすぐコンタクトを取る」と決めておけば、タイミングを逃さずアプローチできます。

通常、スコアリングはMA(マーケティングオートメーション)ツールを用いて管理可能です。リードナーチャリングで顧客の購買意欲や状況をMAツールで評価し、スコアを参考に適切なフォローができるでしょう。

スコアリングで営業アプローチ先の優先順位をつけるメリット

スコアリングでリードの優先順位をつけるメリットを3点解説します。

ホットリードとコールドリードの割合がわかる

スコアリングを実施すると、購買意欲の高い/低いリードの割合が把握できます。購買意欲が高いリードはホットリード、低いリードはコールドリードとそれぞれ呼ばれています。

ホットリードは課題を把握し、解決に向けて貴社の商品やサービス導入を検討中のリードです。ホットリードは受注に近い段階であるため、優先度の高い見込み客です。

一方、コールドリードはまだ購買意欲は低く、コンテンツを通して自社プロダクトに関する情報提供が必要な段階にいます。

それぞれの割合をスコアリングで把握すれば、受注に向け人材リソースを的確に配置でき、生産性向上が期待できるでしょう。

営業の効率性が高まる

マーケティング部門から営業部門に渡された見込み客リストに記載された電話番号を、順にかけるのは非効率でしょう。

そこでスコアリングで受注につながりやすいリードが把握できれば、購買意欲の高いリードを逃さずアプローチできます。コールドリードはマーケティング部門で引き取ったまま育成することで、役割分担が可能です。

インサイドセールスのスコアリングで優先順位がわかれば、限られた人材リソースで効率よくアプローチできるでしょう。

マーケティング部門と営業部門の連携がスムーズになる

インサイドセールスでリードにスコアを付与することで、マーケティング部門と営業部門で共通認識を持ちやすくなります。リードがどの段階にいるか、誰でも理解できる数値で判断できるようになるからです。

かつて、リードに関する定義は担当者によって違うという課題がありました。マーケティングで獲得したリードを営業に引き継いでも受注につながらず、部門間で衝突が起こることもありました。

しかし、スコアリングを導入すれば、共通認識が生まれ部門間の協力体制を築きやすくなります。連携がスムーズになり、組織力の向上につながるでしょう。

インサイドセールスにおけるスコアリングの方法

インサイドセールスで実施するスコアリングの方法を、4点解説します。属性や行動に対する具体的なスコアも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

方法①:属性ごとにセグメント化を実施

見込み客のことを一括りにリードと呼びますが、リードの役職、興味、業種、課題は人により異なります。

効率的にスコアリングを実施するために、リードの属性や興味関心に応じて分類することが重要です。この分類を、セグメントと呼びます。

リードをセグメント化してどのような見込み客がいるか把握すれば、スコアの設定に役立つでしょう。

方法②:属性と行動で点数を設定

見込み客の属性や行動に応じて点数を決めましょう。たとえば、次のように設定できます。

<属性での点数の例>

  • 部長:+10点
  • 従業員数1,000名以上:+20点
  • 30代:+5点

<行動での点数の例>

  • 有力商品の資料DL:+20点
  • 3回以上コンタクトに対して無反応:-20点
  • メールリンククリック:+5点
  • 製品ページ閲覧:+10点
  • 料金ページ閲覧:+15点

方法③:スコアの高低による対応を決定

リードに付与された点数に応じて、どのように対応すべきかを決定します。

スコアが高いリードに対して積極的にアプローチするのはもちろんですが、スコアが低いリードも放置してはいけません。有益な情報提供を続け、ホットリードへと成長するよう間接的にアプローチします。

インサイドセールスにおいてリードナーチャリングは重要な業務です。スコアの低いリードに対しても、継続的なコミュニケーションを取りましょう。

方法④:PDCAサイクルで改善

スコアの設定は一度決めたらそれで完了、というわけにはいきません。

「資料をダウンロードしたリードは受注確度が高いと考え、高いスコアを付与していた。しかし実際は、受注につながりにくかった」という場合、付与する点数を下げる必要があるでしょう。

スコアリングの運用を始めたら、PDCAサイクルを回して改善することが重要です。自社にとって適切なスコアを見出し、ホットリードを的確に特定できるよう工夫しましょう。

インサイドセールスでリードの優先度を決めるコツ

最後に、インサイドセールスでリードの優先度を決めるためのコツを4点解説します。

ABM(アカウントベースドマーケティング)を実施する

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、見込み客にアプローチする前にデータを分析し、受注確度の高い企業(アカウント)のみに営業リソースを使うマーケティング手法です。

ABMを実施することで営業成果が高められるとして、今注目を集めています。

ABMでは、MAツールのスコアリングや解析機能などを用いて、リードの状況を可視化します。したがってABMを自社のマーケティング活動に取り入れると、自ずとリードの優先順位をつけられるでしょう。

リード属性など詳細情報を取得する

属性について、社名や連絡先など基本情報以外を詳細に取得すると、上記で解説したABMに役立ちます。詳細なリード情報には、以下の項目が考えられます。

<企業情報>

  • 地域
  • 売上
  • 資本金
  • 業種
  • 従業員数

<個人情報>

  • 部署
  • 役職
  • 年齢

詳細なリード情報を獲得するには、ツールの活用が効果的です。FINDFOLIOは、リードに細かな属性情報をプラスできる新しいツールです。ぜひ一度サイトをご覧ください。

リードと接点を増やし話を聞く

インサイドセールスの役割の1つとして、リードと接点を増やし購買意欲を高めるという業務があげられます。

自社とリードの双方向コミュニケーションにより、リードと良好な関係を築けるようになります。自社からの一方的なアプローチだけでは、リードの関心度を高めることはできないからです。

リードが何を知りたいか聞きだし、適切な距離を保ちながら有益な情報を提供し続けることで、信頼性を向上できるでしょう。その結果、リードの購買意欲が高まって、営業にとって「優先してアプローチすべきリード」となります。

MA(マーケティングオートメーション)を活用する

MAツールとは、リード獲得から商談化までのプロセスを管理し、マーケティングや営業活動の生産性向上を支援するツールです。

MAツールを利用すると、たとえばリードリストにメールを一斉配信しコンタクトを取り続け、商談のプロセスに近づいているリードを可視化できます。本稿で解説したスコアリング機能も搭載されているため、リードの優先順位付けに有効です。

BtoB領域において、リード創出から商談まで数年かかるケースも見られます。リードの数が多ければ、すべてを手作業で管理するのは非効率です。そこでMAツールを導入すると、マーケティングや営業活動のプロセスを自動化できます。

現在、人材不足に悩んでいる企業は多いでしょう。MAツールを活用すれば、優先的にアプローチすべきリードが把握でき、少ない人材リソースでも効果的に営業活動が行えます

なお、MAツールのHubSpotのスコアリング機能についてこちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。

HubSpotのスコアリングとは?5つのできることや活用例・注意点を紹介

インサイドセールスでリードの優先度決定にFINDFOLIOをご活用ください

インサイドセールスを実施するにあたり、リードの優先度を決定することは重要です。MAツールでリードの属性や行動に応じてスコアを付与し、優先度の高いリードを可視化しましょう。

そのためには、詳細なリード情報が必要です。属性などに応じて付与される点数が変わってくるからです。リードの詳細な属性情報を取得できるツールを導入し、リードの優先度決定に役立てましょう

ちなみに弊社では、HubSpotのリード情報にさまざまなデータを付与できる「FindFolio」をリリースしました。従業員情報や法人番号などの詳細な属性データを提供でき、簡単に導入いただけるのが特徴です。

資料ダウンロードはこちらからどうぞ。


松永創 FLUED CEO / 代表取締役 BtoBマーケティングスペシャリスト

国内システムメーカーの営業としてキャリアをスタート。その後 テレマーケティング企業で事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。

その後B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。BtoBマーケティング/営業DX/インサイドセールスで携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。

B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。